大阪から“逃げてきた”ぺ、初の賞レース決勝で活躍誓う「結局コントは東京やで」

芸歴5年目以内の若手芸人を対象とした賞レース「UNDER5 AWARD 2025」の決勝に、あなたとネ、兄弟、シカノシンプ、釈迦虎、生姜猫、例えば炎、伝書鳩、ぺ、無尽蔵が進出した。本日6月9日に都内で記者会見が行われ、9組が意気込みを語った。

「UNDER5 AWARD」はフリー、アマチュアを含め所属事務所問わず芸歴5年目までの芸人が出場できる大会で、今年が3年目。決勝は9組が3ブロックに分かれ、各ブロックの勝者が2本目のネタで優勝を争う。会見ではそのブロックとネタ順を決める抽選会を実施。質疑応答では決勝進出への思いや優勝賞金100万円の使い道などが語られた。この様子はFANYStudioチャンネル公式YouTubeチャンネルで公開されている。

アマチュアで現役大学生のあなたとネ本郷はニット帽にダウンジャケットという真冬のような出で立ちで登場し、MCのニューヨークが「厚着だね」「子供やん」とつぶやくと「イジんな！」と敵意むき出し。ダウンを脱ぐ前にミニ扇風機で涼み、バイト先のボウリング場から持ってきたというピンを取り出すというボケで攻めてくる姿勢に、ニューヨーク屋敷は「完璧やったよ。例えば炎の10倍くらいちゃんとしてた」と得体の知れない新人の登場にワクワクする。そんな若々しい態度でニューヨークを大いに喜ばせた彼らは、「決勝戦のお客さんに聞いたら『ああ、まあ、面白かった面白かった』くらいになれば」と控えめに意気込んだ。

元銀行員と消防士のコンビ・釈迦虎は、「大阪のコントが強いんだぞ、というのを見せたい」と話す。彼らはお笑いを始める前の生活レベルを若手芸人となった今も下げられずにリボ払いや借金をしながら“余裕のある暮らし”をしているといいい、今大会の賞金が大事になってくると岡本が自らを殴りまくる“気合い入れ”を披露。この乱暴なパフォーマンスを見た屋敷は「なんでそんな怖いことやるの。もうちょっと面白いことやったほうがいいよ」と率直にアドバイスする。

兄弟は実際の兄弟コンビで、「どっちが兄でしょう？」「何歳差でしょう？」というシンプルなクイズにニューヨーク嶋佐が挑戦。どちらも外すと、正解を知っている屋敷は「キャハハハハハ！」と1人で声を上げて笑う。弟の紅葉は伝書鳩が東京で一番面白いとライバル視。一方、兄の体制は「今日のこの感じ、いけそう。みんな格好が汚すぎる」としわくちゃのTシャツを着用したほかのファイナリストたちを牽制した。

伝書鳩は昨年から2年連続の決勝進出。抽選前に長々としゃべったり、間をたっぷりと使っていると、しびれを切らした屋敷が「何してんねん！ 何をしてんねんお前ら!! ボケんな！」と怒号を飛ばす。優勝を予感させる鳩にまつわるファンタジーなエピソードを山田が語るが、屋敷は「ただのほんとの話してどうすんねん（笑）」と投げやりにツッコミを入れ、その空想具合から「気合い入ってますね」と察した。

今年春に東京に上京したぺは、「最初から東京です」と大阪で活動していたことをなぜか隠蔽。釈迦虎・久保によれば「大阪でスベりすぎて東京で逃げた」という。加えて釈迦虎・岡本から「ぺは大阪の賞レースで同じネタを8連続でしてる」と暴露されると、本人たちは「NSCのときの一番いいネタをずっとやってる」と告白。決勝進出の知らせも「決勝とか、評価されたことがないので、正直いってないやろうなと思って寝てました」と期待していなかったといい、「めっちゃうれしかった」とカタヤマ。「結局コントは東京やで？っていうのを見せる」「東京は六本木にコントだけの劇場できるし、大阪は何をしてるのずっと？ 狭い汚い劇場で」と続け、「そんなに大阪捨てるの？ 大丈夫？」と大阪メンバーを驚かせていた。

生姜猫は3年目で、「かわいい」「飯連れていきたい」とはしゃぐニューヨークのお気に入り。肩の古傷を見せるというイリュージョンを屋敷は「ダントツでおもろいやん！」と絶賛しつつ、「俺らしか笑わんからやるなよ。『ラヴィット！』とかでやったらあかんで」と助言した。さらに川﨑と嶋佐とのやり取りには「史上最悪の絡み」と手厳しい。

「M-1グランプリ2024」準決勝・敗者復活戦以降、活躍の場を増やしている例えば炎も2年連続。タキノは「5年目ラストイヤー、とてつもない勢い」と自己評価し、「M-1ツアーとか移動がしんどいわ。正直すいません。エグいか……」とヒールを演じてみせる。「西の『Kakeru翔グランプリ』で優勝したときに確か（決勝進出の）連絡がきていて」とマウントを取り続けるが、釈迦虎・岡本に「ウケてないのに客票入ってましたやん」と暴露され、ぺ・カタヤマは「大阪の人、例えば炎で笑いすぎですからね？ もうやめてください。大阪それじゃないと変わらないっすよ」と本心では愛する大阪のお笑いに警鐘を鳴らしてみせた。

東京大学出身コンビの無尽蔵は、企業で人事を担当しているというやまぎわが会社を休めず、野尻が1人で会見に出席。抽選くじを引く段取りのはずが、母子家庭できょうだいが4人などのエピソードが興味深くてニューヨークは聞き入ってしまう。シカノシンプも北川が「座王」（関西テレビ）の収録のためゆのきが1人で参加。決勝進出が決まったときには温度差があったが、次に会ったときに「絶対優勝したい」と言っていたと明かした。

決勝は6月22日（日）に東京・ルミネtheよしもとで開催。審査員には、笑い飯・哲夫、NON STYLE石田、ナイツ塙、かもめんたる・う大、チョコレートプラネット長田、佐久間一行、マヂカルラブリー・野田クリスタルが名を連ねている。

決勝戦 ブロック分け抽選結果（左からネタ順）

Aブロック：兄弟 / 生姜猫 / 無尽蔵
Bブロック：シカノシンプ / ぺ / 釈迦虎
Cブロック：伝書鳩 / あたなとネ / 例えば炎

「UNDER5 AWARD 2025」決勝進出者

あなたとネ（アマチュア / 芸歴なし）
兄弟（吉本興業 / 5年目）
シカノシンプ（吉本興業 / 5年目）
釈迦虎（吉本興業 / 4年目）
生姜猫（吉本興業 / 3年目）
例えば炎（吉本興業 / 5年目）
伝書鳩（吉本興業 / 2年目）
ぺ（吉本興業 / 4年目）
無尽蔵（サンミュージック / 4年目）

「UNDER5 AWARD 2025」決勝進出者発表記者会見