「無限ヤジマリー。」は、ヤジマリー。の代名詞であるスプレーを使ったさまざまなコーナーを通じてヤジマリー。の魅力を伝えるライブシリーズ。2019年3月にヨシモト∞ドームIIで行われた「ヤジマリー。で笑うな」を前身に、ドームI、∞ホールへと会場を拡大していった。口に水を含んだ出演者がヤジマリー。のパフォーマンスを見て吹き出さずにいられるか、という「ヤジマリー。で笑うな」がコーナーライブ「無限ヤジマリー。」に変化したきっかけは、ヤジマリー。が腰に装着しているスプレーの“余り”が大量に発生していたこと。水平に装着しているため、内容量が半分以下になると噴射できなくなってしまうヤジマリー。の使いかけのスプレーが300本近くあり、それを消費できる内容に変えたという。
今までもやってきた、スプレーを使った「シューシューバレー」「シューシューウーバー」「ヤジマリー。オーケストラ」といったコーナーに加え、大会場だからできることを用意するつもり。アイドルへの憧れを持つヤジマリー。は「僕が見るのは客席。どの席でも満足できるようにするのがアイドルの使命なので。有楽町朝日ホールさんは客席への入口が4つあるな、じゃあこれを生かして……ということも考えています」と期待させる。∞ドームではスプレーを5秒以上噴射すると火災報知器が鳴ってしまうためゲーム内容に制限もあったが、今回は「出し放題」だ。
ヤジマリー。がスプレーを腰に装着しはじめたのは、「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ)の“モニター横芸人”として個人で出演するようになったのが発端。それまでは相方のみやが黒子となってシュー!とスプレーを噴射して盛り上げてくれていたが、「向上委員会」の収録は1人での参加だった。ヤジマリー。は「あの戦場で戦うのに、いつものシューがあったらな。でもみやがいないし……。あ、腰につけちゃお!って思いました」と1人で対応するために装備を増やしていったと振り返る。
今後の目標について、みやは「NGK(なんばグランド花月)で、師匠たちとシューシューバレーを(笑)」と笑いの殿堂に「無限ヤジマリー。」を持ち込んでみたい様子。ヤジマリー。は「横浜アリーナとか武道館ってアーティストさんがやるものだと思っていましたけど、粗品の『チンチロ』もやっていましたし、無理なことではない。『無限ヤジマリー。』のゴールって、下から(ポップアップで)登場。そして、フライング。これができたらゴールだと思っていて。粗品を超えるためにはドームツアーがしたい」と夢を語った。
ゲストには、初めて吉本興業所属以外の芸人も呼んだ。ヤジマリー。は「最近お仕事で一緒になって、すごくよく僕を見せてくれた。だからすぐオファーしました」と
相席スタート山添やレインボー・ジャンボたかお、
スカチャン インタビュー
みや:スカチャンのみやと申します。よろしくお願いします。
ヤジマリー。:ヤジマリー。と申します。エンターテイメンッ! はいワンチュッなウェンチュッなウォンチュッチュッ! ワンチュなウェンチュなウォンチュッチュッ!(惜しみなくスプレーを噴射する)
みや:動画じゃないよ?
──タイトルに込めた思いは?
ヤジマリー。:毎回ヤジマリー。プラスもう1人の主人公をタイトルに入れるんです。今回は「蛇さん」。最初僕がアイデアを出したのは「蛇さん口からシューシューシュー」だったんですけど、作家陣との会議で「いや、蛇さんはシューシューじゃなくてシャーシャーでしょ」「それはわかってるけど、シャーシャーだとシューシューと被んないから」ってことでけっこう揉めて、僕が折れる形で「シャーシャー」になりました。
──今の衣装はいつから?
ヤジマリー。:昨年の10月末くらいからですね。1年に1回か2年に1回は衣替えをしたくて。初期の衣装は自分の感覚だけで買っていたんですが、今回はマネージャーさん(女性)についてきていただいて、女性の意見も取り入れながら。でも、これは2人とも一目惚れでした。
みや:万華鏡の中身って言われています(笑)。
──重いんですか?
ヤジマリー。:このジャケットだけで3、4kgあります。釘が出ているところに引っ掛けたら、全部ボロボロー!って取れると思います。
──やはりキラキラの衣装がいい?
ヤジマリー。:そうですね。初期の僕は普通のスーツに蝶ネクタイだったんですが、それは「芸人とはこういう衣装を着るべきだ」という思い込みあった。でも本当は、アイドルになりたかったのでこういうスパンコールが着たかったんです。この衣装屋さんでずっと買っているんですが、ここ、レディー・ガガさんもプライベートでよく来るそうです。レディー・ガガさんと、ヤジマリー。と、髭男爵さんと、ゴー☆ジャスさんです。
──アイドルっぽい活動もしていきたい?
ヤジマリー。:歌って踊るだけのヤジマリー。コンサートも定期的にやっています。それはこの前ドームツアーが終わったんですが。
みや:え? 東京ドーム?
ヤジマリー。:ヨシモト∞ドームIとIIを行き来するだけですけど。そのときはお客さんにペンライトの代わりにスプレーを持ってもらったりして。両方やっていけたらいいなと思っています。
──お笑いのほうではどういう目標を立てていますか?
ヤジマリー。:お笑い!? あ、お笑いか。
みや:僕らはスカパー!さんでやっていた「スカパー!看板芸人」に選ばれてスカチャンというコンビ名に改名したんです。そのときにMCを務めていたのが東野幸治さん。当時は力不足で全然結果を残せずだったんですけど、僕ら今年から「THE SECOND~漫才トーナメント~」に出るので、ファイナリストになれば東野さんとまた共演できる。それを目指してやっていきたいなと思っています。2014年のことなので、「10年でこうなりましたよ」って伝えたいです。
──「スカパー!看板芸人」優勝から10年、やめようと思ったこと、つらかったことは?
みや:コロナになったときが金銭的に一番苦しかったですね。僕らは主に営業で収入を得ていたんですが、全部なくなってしまって。でもそんなときも「無限ヤジマリー。」をやってくれている作家さんや芸人仲間、社員さんがやめないように支えてくれました。
ヤジマリー。:僕はエンターテイメントも大好きなんですが、「M-1グランプリ」っていうエンターテイメントもすごく好きだったんです。だから最初、普通の衣装を着ていたときは「M-1」で優勝することが目標でした。周りの方から「いや、そっちじゃないから」と言われても、僕は「うるせっ! 漫才と向き合うんだ!」と頑なでした。この衣装を着てスプレーを腰につけだした頃の「M-1」で、相方は「M-1だからって気負わず、いつも通りでやろう」と言ってくれたんですが、僕は「いや、M-1というエンタテインメントはスプレーとかダメだから」とスプレーなし、ローラーシューズなし、しゃべくりで挑んだんです。そしてしゃべくりでやって、すごい空気になって……。それを見ていたすゑひろがりずさんや、後輩、同期からめちゃくちゃ説教されたんですよ。「今まで積み上げてきたものをなんでここで出さないんだよ、ちっちゃくまとまんじゃねえよ!」って。それが本当に恥ずかしくて。
みや:それがつらかったこと?
ヤジマリー。:「なんで僕はスプレーを置いてやってたんだろう」って。それが一番つらかったです。恥ずかしかった。
──王道漫才師になりたい思いもあったんですね。
ヤジマリー。:両方見せられたらカッコいいなと。でも、2人ともしゃべくりに向いてなかったんです。説教されて気づきました。
──思い描いていた芸人像と違って苦悩したことはないんですか?
ヤジマリー。:ありました。ずっと漫才が好きでやってきたんですけど、それと同時にアイドルをずっと見てきたので、各グループの盛り上げ方とかを知っていたんです。だから劇場の漫才はひと笑いもないけど、営業に呼んでもらったときに場を沸かせることはできたんです。僕がカッコつけて声出しとかダンスとかやってると、芸人さんが笑ってくれるようになったんですよね。僕はまだ納得してないですけど、「おじさんが何やってんだよ」みたいな感じで芸人さんが徐々にイジってくれて。やっぱり人には向き不向きってあるんだなってやっと受け入れられたのが芸歴14年目くらいのことです。
みや:だいぶ遅いな(笑)。「M-1」ラストイヤー前に。
ヤジマリー。:時間かかりますね。
──営業芸人としても活躍していますね。営業と「無限ヤジマリー。」への臨み方は違いますか?
ヤジマリー。:僕の中ではけっこう一緒で。営業ではまずステージから客席を見て、「ここを俺が台車で回ったら……、はいはい。ここ回れそうだな」とか観察するんですね。で、老若男女みんなが楽しめるような導線を考えるんです。僕らが営業で褒められだしたのは、同期の結婚式の余興だったんです。そもそも結婚式ってあんまりウケる場所ではないので、僕らも最初、全然ウケなくて。でも各テーブルを回って同じネタをしたら、みんな近づけば笑ってくれることがわかりました。そこからは3000人とかの会場でも20人の会場でも、必ず最後列まで行ってやることにしています。それはどの席でも満足できるようにっていうのが根底にあって。それで、やってます。近づく大切さ。
──そうやって培ってきた集大成が今回のライブで出せそうですか?
ヤジマリー。:(スプレーを噴射して)シュー!大成。
超Super無限ヤジマリー。~初シュン!!蛇さん口からシャーシャーシャー!ヤジマリ腰からシューシューシュー!有楽チョーチョーチョーチョーイイ感じ~
日時:2025年2月15日(土)18:30開場 19:00開演 20:00終演
会場:東京・有楽町朝日ホール
料金:前売3500円 当日4000円
<出演者>
スカチャン
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