昨日6月21日に大阪・吉本興業本社にて「日本放送協会 放送文化賞」贈呈式が行われ、桂三枝が出席した。
三枝はこのたび第62回(平成22年度)日本放送協会放送文化賞を受賞。長年上方落語の大看板として創作落語を演じながら、テレビ、舞台などで幅広く活躍してきたことが認められた。
NHK大阪放送局の堂本光局長は、「同賞は放送事業あるいは放送文化の向上に格段の功績のあった方々にお贈りする賞です。また、私たちの新番組である『西方笑土』では司会を務めていただきながら、自らの創作落語を番組向けにまったく新しい展開で披露していただいており、改めて深く感謝を申し上げます」と挨拶。吉本興業の吉野伊佐男代表取締役会長は「このたびは、歴史と伝統ある大変重い賞を桂三枝が受賞するということで、本当に感謝を申し上げます。弊社は来年、創業100周年を迎えます。数々のコンテンツを通じて関西はもとより日本がさらに元気になる一助になればと思っておりますし、そのためには三枝さんにも創作落語はもちろん、若手の育成についてもお力を貸していただきたい」とお祝いと期待の言葉をかけた。
三枝は「この賞は、12回目で大先輩である花菱アチャコ先生が、53回目で笑福亭仁鶴師匠がおとりになりまして、今回は吉本興業で3回目の受賞。たいへん名誉なことだと思っています。今まで創作落語を中心にいろいろやってきて本当によかった」と喜びのコメント。記念の賞状とトロフィーを受け取ると、「トロフィーを持ってみて、本当にいただいたんだなと実感がわいた。落語というのは地味な芸だし、とくに創作落語というのはしんどい作業を経てやるんですが、こうして評価していただいて、後に続く人に少しでも励みになればと思います。私は小学校のときに花菱アチャコ先生の『お父さんはお人よし』というのをNHK大阪のスタジオで見て、こういう世界に入りたいとあこがれを持ちました。入ったときは仁鶴師匠にいろいろ相談したり教えてもらいながらここまでやってきたので、同じように、若い人が頑張って続いていただければ。これを機会に、またたくさん落語を作りたいですし、いい舞台を務められるように頑張っていきたい」と今後の抱負を語った。
桂三枝一問一答
――放送分野で今後やっていきたいことは?
三枝:昔はゴールデンタイムに落語が放送されることもありましたが、今はそういうことは皆無。落語の番組もほとんどなくなりました。しかし、次のスターとなる人は、やはりメディアに出ないとなかなか世間の人に知ってもらえないので、若い落語家が出ていけるようなテレビの番組を作っていただきたい。私も先頭に立って作っていきたいなと思います。
――過去の番組で思い出に残っているのは?
三枝:やはり枝雀兄さんと一緒にやらせていただいた番組。コントみたいなものがあって、枝雀兄さんが僕のお父さんを演じました。コントのセリフを覚えないといけないので僕は必死でしたが、隣で同じように練習していた枝雀兄さんは、実はコントではなく落語の稽古をしていたんです。今思うと、落語への打ち込み方がすごいなと。枝雀兄さんに少しでも近付けるよう頑張らないとアカンなと日頃から思ってるいますが、なかなかそうはいかないです。
――具体的にこんな番組をやりたい、というアイデアがあればお願いします。
三枝:「笑点」というお化け番組がありますが、とりあえずそういう大喜利の番組をやりたいなと。そうすれば、一度に5、6人の落語家さんを出すことができる。落語を1人につき4~5分で表現するのは厳しいので、とりあえずそういう番組を持ちたいと思います。
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