このDVDは、ビスブラが今年5月に大阪・なんばグランド花月で開催した単独ライブ「町のクチビル代理店」を収めたもの。本編約60分に加え、特典映像が約90分という力作だ。10月12日に発売日を迎えたばかりで、「キングオブコント」優勝後のリリースイベントは今回が初めて。会場には作品を手に入れた多数のファンが集まり、彼らのトークを楽しんだ。
「キングオブコント」王者の赤いジャケットを着てステージに登場した2人だったが、サイズが合っておらずパツパツだからか、気恥ずかしさからか、開始5秒ほどで脱いでしまう。「ビスケットブラザーズ」やその関連ワードでひたすらTwitter検索をしているという原田は、ツイート元の人物が普段どんな投稿をしているのかもチェックするのだとか。8万件ほどヒットするにもかかわらず、変わらずその作業を続けているという事実に会場はざわっとしたが、「ええよ? 全然」とすました顔で「絶句されるチャンピオン」という状況を受け入れた。
大会オープニング映像の撮影の裏話も披露。原田がセットを壊してしまい、最悪な空気の中、笑いを必死にこらえるきんを差し置いて原田自身が吹き出してNGを出してしまったと振り返る。また、OPソングでビスブラパートを担当した梅田サイファーのKennyDoesとのエピソードも。とある縁で直接感謝のメッセージを伝えることができ、紹介してもらった次の日には自身行きつけの公園で飲んだという原田。KennyDoesが以前からビスブラのYouTubeラジオを聴いていて、今回誰のラップを担当するか決める際に真っ先に挙手してくれたことも明かす。すでに「ドイケン(KennyDoes)」「ハラタイ(原田泰雅)」と呼び合い、毎週会うことにもなっているのだと交流が深まっていると話した。
トークのあとの撮影タイムでは、目に入ったDJセットを使って1ボーカル、1DJスタイルのユニットっぽく振る舞ったビスブラ。原田は得意のラップも繰り出していた。2人はDVD購入者とのスリーショット撮影会も実施した。イベント前にはお笑いナタリーの取材に応じ、優勝から1週間経った心境や、チャンピオンとしてこの1年をどう過ごしたいか語ってくれた。
ビスケットブラザーズ コメント
──優勝から1週間。チャンピオンになった実感は?
原田 ないないないない! 身動きが取れる夢の中にずっといる感じです。
きん ごはんも食べられる、ほっぺたも痛いけど(笑)。夢が覚めて、「キングオブコント」前日だったらめっちゃ怖いです。
原田 でもおいしいお弁当食べさせてもらったりもしたので、目が覚めても「味だけはうまかったなあ、しゃあないか」と思うしかないです。
──よしもと漫才劇場に凱旋もしましたが、実感は湧かない?
原田 もっと気持ちが変わるのかなと思っていたんです。空がピンクになるみたいな。でもあんまり変わらなかったですね。肩の荷が下りたかというと下りてもいないし。
きん チャンピオンとして別の緊張感も生まれてきました。
──でも劇場で直接お客さんに報告できましたね。
原田 うれしかったですね。
きん みなさん拍手で温かく迎えてくれて、ネタに入るときどうしていいかわからなくなりました。漫才だったんですけど、「いやいやあ……」っていう(笑)。
原田 「なんかすいませんね」みたいな(笑)。
──マンゲキメンバーが優勝発表の瞬間を見守っている動画がTwitterに上がっていました。ご覧になりましたか?
きん 見ました。(
原田 マユリカとは追い越し、追い越されをずっとやっていて。正直、今マユリカの人気が出てどんどん遠くに行ってる感覚があった。スター街道を走っていそうな感じがしていたので、優勝してまた追いつけるのかなと。
きん でもあいつらはファッションモデルスターになってるから。全雑誌のモデルしてるから、別の街道や。
原田 ずっとマユリカとは戦っていきたいです。同期はめちゃくちゃ強いので。ただ、全員見た目敵キャラなんですよね。愉快な集団ですよ。
──戦いから開放された感覚はある?
原田 開放された感じでやりたかったんですけど、終わって一発目のネタでの舞台が「M-1グランプリ」の予選やったんですよ。めちゃくちゃ“戦い”やったので、ふわふわしているわけにもいかないし、いつもよりめっちゃ緊張しました。ここで恥ずかしいことはできないので。なんとか笑ってくれという気持ちで、声めちゃくちゃデカなりましたね。終わって、MCのスーパーマラドーナさんが「いやー、声出てましたねえ!」って言ってました。チャンピオンに言うコメントじゃない。
きん できる1年目の子に言うやつ(笑)。
原田 初心に戻りましたね。
──優勝後、さまざまな番組に出演されました。
原田 正直、ネタは僕ら「何してんねん」系なので、チャンピオンと言えど、スタジオでいつも「お前ら何してんの?」って言われます。でも、そうやってずっとアホでありたいって思いますね。面白くないと思う人もいると思いますけど。
きん 全然、安心感はないですね。
原田 当たったときはエグいと思う。当たらんかったときはどうしようもないでしょうけど(笑)、特大ホームランを打つこともある。チャンピオンだからちゃんとしなければ、というので当てに行くスタイルではない。そこはぶん回しで行きたいです。
──チャンピオンとしての1年、どう過ごしたいですか?
きん 今からお笑い芸人になる人が目指すものになりたいですね。スターみたいにはなっとかないとあかんなと思います。「目指しても売れへんねや」って思わせたらダメなので。
原田 僕個人は「あんなふうな人にはなりたくないけど、キングオブコントチャンピオンってすげえ」って思われたいです(笑)。「キングオブコント」という看板は一切汚さずに、僕はどんどん汚れていきたい。看板はきれいなまま、僕は変わらずむちゃくちゃして、ボロボロになりながら楽しみたいですね。「ヤバかったな、あいつ」って言われながら。
DVD「ビスケットブラザーズ単独ライブ『町のクチビル代理店』」収録内容
本編:町のクチビル代理店にて / 平和な学園生活 / 店のために / 荒れてる / 魔の巣窟 / ぴったり / エンドコント
特典映像:僕は町を離れる / 小太郎のすべて / パーフェクトヒーロー
飯塚🤓 @iizukakun
KennyDoesさん、キングオブコントOP曲の話が来る前からビスブラのYouTubeラジオを聴いてたんだ! https://t.co/WN7tSVyg1s