吉住と岡野陽一のユニット・最高の人間がKOC決勝進出「性根が変わりました」

10月8日（土）に生放送される「キングオブコント2022」（TBS系）のファイナリスト10組が先日、囲み取材に応じた。この記事では、共にピンで活動している吉住と岡野陽一による即席ユニット・最高の人間のコメントを紹介する。

2021年に即席ユニットの参加が可能となったKOC。岡野は以前組んでいたコンビ・巨匠で決勝に進出したが、最高の人間としては初の決勝進出となる。KOCにとっても即席ユニットの決勝進出は初。ファイナリストは彼らのほか、いぬ、かが屋、クロコップ、コットン、ニッポンの社長、ネルソンズ、ビスケットブラザーズ、や団、ロングコートダディといった面々だ。

最高の人間 コメント

──ユニット結成の経緯は？

岡野：吉住がずっと誘ってきて……。

吉住：岡野さんが巨匠を解散されてクズ芸人に生まれ変わられたんです。華麗なる変身を遂げられて、それ以来ネタから遠のいていて、それを危惧した事務所の方や作家さんに「岡野にはキングオブコントしかないから、もしよかったら組んで出てあげてくれ」と言われました。「R-1グランプリ」も（岡野は芸歴制限で）出られないから。

岡野：吉住がずっと組もうって言ってくるから熱意に負けたんですけど、裏では介護みたいな話になっていたと。正式に「裏で動いていた」ってことですね。

吉住：裏話をすると、真実はそれです。

──お二人のコンビネーションはいかがでしょうか？

吉住：コンビニとかの買い物で全部おごってくれます。そういうのは先輩なので意外とやってくださる。

岡野：7年くらい違うので、それはおごらないと。金減りますわ（笑）。「ありがとう」の声もたいして強くない。「この人、おごりたいからおごってる」と思われてるのが悔しいです。吉住は「THE W」の優勝賞金を持ってるんですよ？

──ユニットでのネタに関しては？

岡野：僕はめちゃくちゃ助かる。かなりありがたいです。

吉住：私がそんなにお笑いを観てこなくて、養成所に入ったときにこの方（岡野）が「キングオブコント」決勝に行かれていて、私たちの同期くらいの世代は巨匠から影響を受けた芸人が多いです。ネタを考えるうえで一応影響は受けているので、そこまで無理があるわけじゃないです。

──どういう練習をしていますか？

吉住：寝ないで練習しています。ストイックに。

岡野：ほかの人より寝ずにがんばるという手段です。それしかないですから。あと僕、こんなギャンブルやっていないの初めてですよ（笑）。2、3週間はやっていません。ギャンブルやる時間あったら稽古場でネタ合わせしたり考えたりします。ほかの人より期間的に足りていないので。性根が変わりました。

吉住：でも、ギャンブルってすぐにのめりこめますから。すぐに戻れる。

──決勝進出の自信はありました？

岡野：まず準決勝自体が久々でした。みんなウケていたけど我々もウケていたので、「ないな」とは思っていなかったです。

吉住：正規のコンビの方が何年もかけてネタを作られている舞台だったので、ユニットとしてはとにかく失礼のないように。

岡野：もちろん我々も一生懸命やっていますけど、会場入りをするときの顔がムズかったです。「遊びで出てるんでしょ」と思われないように。

吉住：そうなんですよ。皆さん「キングオブコント」にピュアな方たちで、お互いに面白かったら「面白かった」と正々堂々と声をかけあっていました。

岡野：いい若者たちでした。

──2人で組む楽しさは？

岡野：我々はピン芸人で普段やっていて、やっぱり吉住がドーンとウケると、自分が袖で舌打ちしてるんですよ。コンビでうれしいことなのに。そのあともっとウケようとして失敗しちゃう。だからピンなんでしょうね。

吉住：巨匠がピークのまま終えられている方たちなので、私が組んで変なところで落ちちゃったら、私のせいじゃないですか？ そういうプレッシャーもあったけど、もし落ちても岡野さんのせいにできるなと。責任をなすりつけあえる相手がいるっていいなと。

岡野：スベったときに全然違います。ピンでスベると全部自分が悪い。手柄も自分ですけど。2人でスベると「吉住のあそこも悪かった」みたいなことができるのがいいですね。

──「最高の人間」という名前の由来は？

吉住：岡野さんと吉住で「岡住」とか、「ひげひとえ」とかも考えました。

岡野：全然どれでもよくて、「吉住が申し込むまで何にするか僕は知らなくていい。任せる」って言って。エントリーされたのを見たら「最高の人間」になっていました。

吉住：あみだでちゃんと正式に決めました。

岡野：僕としては基本的に呼ばれたい名前をコンビ名にするんです。「巨匠」もそうでした。「最高の人間」もこの機会に皆さんに呼んでもらえるので、うれしくてしょうがないです（笑）。

吉住：ただ、言ってもらえるぶんには気持ちいいんですけど、自分たちで「最高の人間です」って言わなきゃいけないのは、めちゃくちゃキツくて（笑）。

岡野：「どうも、最高の人間です」って僕だけが言ってることもありました。

──ピン同士の賞レース決勝進出にはおいでやすこがさんの例があります。今後もおいでやすこがさんのように継続して最高の人間の活動はされますか？

吉住：先のことは考えられないので、今は決勝に集中しています。

岡野：こういう言い方する人って、終わったら解散するじゃないですか（笑）。お互い大人なんで、利用しあえればいいかなと。2カ月くらいやってきて仲悪くはないけど、まだコンビネーションが何も決まっていない。いい子だとは思っていますよ。

吉住：「あ、岡野さんって芸歴重ねてるんだな。意外とちゃんとリアクション取るんだな」という発見は番組収録のときにありました。「岡野さんってこんなに優しいんだな」とか。あと「モデルくらい水飲むんだ」とか（笑）。

──優勝賞金1000万円の使い道は？

吉住：今のところ、岡野さんから（賞金とは別に）8万円くらいはもらえますよね？

岡野：自分の単独ライブを吉住に手伝ってもらって、「なんか欲しいものある？」って聞いたら「8万円のサイフ」と言っていたので買わなきゃいけないんですわ。「キングオブコント」用の道具を作ってくれた後輩にも13万払わなきゃいけない。激マイナスですわ。だから優勝しないと！

──取材は以上です。ありがとうございました。

岡野：ウソですからね！ 全部！