カラテカ矢部が憧れの近藤聡乃とトーク、20年前の出演番組を覚えられていた

昨日4月21日、カラテカ矢部と近藤聡乃のトークイベント「ニューヨークでも新宿でも考え中、近藤さんと僕」が東京・神楽坂のla kaguで開催された。

今年1月に自身のニューヨーク生活を描いた「ニューヨークで考え中」の新刊を約3年ぶりに刊行した近藤と、昨年10月発売の「大家さんと僕」が20万部のヒットを記録した矢部。エッセイマンガというジャンルでつながる2人は、互いの作品のファンであるという。近藤は「大家さんと僕」を日本から送ってもらい読んだことを明かし「本当に面白くて。なんとか褒めなきゃいけないっていうときもあるんですけど（笑）、『大家さんと僕』については浮かんでくる言葉がいろいろあって、本を送ってくれた人に長いメールを送りました。『いつか矢部さんとお会いできたらいいですね』なんて言いながら」とにこやかに話す。

そんな近藤に対し、矢部は「もともと純粋にファンだったんです。だから今日も自分が出演しなかったら、がんばってチケットを取っていたかもしれないぐらい。このあいだも原画展に行ったんです」とコメント。近藤作品に初めて触れたのは「コミックH」（ロッキング・オン）の掲載作だそうで、「コミックHの中でも近藤さんの作品はちょっと異質という感じがして。少し新しい線のマンガみたいな。月刊漫画ガロとかのような印象を受けました」と述べた。一方、近藤が初めて矢部を知ったのは約20年前の深夜番組だったが「入江さんが『歌丸やせ我慢』というフレーズを発して、矢部さんが震える……というところしか覚えてない」という。この断片的な情報から矢部は「フジテレビの深夜にやっていた『ブレイクもの！』というネタ番組で5週勝ち抜いたご褒美で披露できた4分ネタです」と詳細な記憶を導き出し、「あの番組を観たって言われたの近藤さんで2人目ですよ。すっごく深夜だから」と笑っていた。

ここから2人は、互いのマンガでお気に入りのシーンをそれぞれ挙げていく。矢部は「ニューヨークで考え中」より、近藤が街中で見知らぬ男性に靴を褒められたエピソードについて「ニューヨークってこんな感じなんだ！と思いました」と言うと、近藤は「けっこう持ち物を褒めたり褒められたりはしますね。私も気分がいいときだけ、今日はいける！って日だけやります（笑）。道を歩いてて天気もよくて素敵な人がいたら『ナイスですよ！』みたいな感じで」と返した。一方、近藤が「たまに思い出し笑いしちゃうところがあって」と挙げたのは、矢部と大家さんがあるトーク番組に出演したときのエピソード。司会者と一緒にライオンの着ぐるみが登場するその番組で、大家さんからは撮影終了後に「ずっといた動物が怖かったわ」という斜め上の感想が飛び出したという。また大家さんが劇場にやってきて、出番を終えた矢部に「シリアスな演技が素敵でした」と声をかけたシーンもお気に入りだそうで、「寝る前に思い出して笑っちゃう」と感想を述べた。

途中には、2人がイベントのために描いてきたマンガを披露するコーナーも。ここでは矢部がニューヨークの街で1人歩きしたときの思い出マンガ、近藤が「大家さんと僕」を読んで矢部に好印象を受けたことを描いたマンガを披露。近藤の「矢部さんは今、モテモテになってる頃」という発言に、当の本人は「モテてないなあ」と照れ笑いを浮かべる。

また今後の活動について話が及ぶと、矢部は「最初は1冊しか出すつもりがなかったんですけど、先輩とかからは大家さんのためにも早く描けってことを言われるんです。だから描いてもいいかなと思っています」とコメント。近藤が「あと50年ぐらい経って、矢部さんがご老人になったときに大家さんとの思い出を描くのとかも素敵ですよね」とアイデアを出すと矢部は頷き、「続編は出るかもしれないけど50年後に」と冗談交じりに語った。