2020年、いつもと違う年 その4 [バックナンバー]
ZOMMY(ゾフィー、ザ・マミィ)×ユーロライブ小西朝子氏
久々の新ネタライブでやっと呼吸できた気がした
2020年12月18日 12:30 2
ブッキングは生で観て
──みなさんはリモート得意ですか?
サイトウ 俺はすごい嫌でしたね。そもそもパソコンも使えないですし、Zoomで番組収録とかめちゃくちゃ大変でした。使い方を教わるんですけど、相手がイライラしているのもわかるし。
上田 いや、だから2個イライラがあったんですよ。Zoomでのやり取り自体がうまくいかないのと、サイトウさんがバカすぎるのと。パソコンの使い方を遠隔で教えるんですけど、「もっと左!」とか言うと、もう本当にベタにパソコン画面そのものを触ったりするんです。あとあらゆる番組で家の中を全部見られたっていうのが恥ずかしかったな。
酒井 僕、実家なんで親まで見せましたよ。
林田 親御さんとご挨拶できました。
──このタイミングで(笑)。
酒井 逆に僕はリモートの収録や配信はのびのびやれました。
林田 確かに、酒井くん自宅からの配信だとすごいボケるんですよ。おうちに味方しかいないから(笑)。家族に見守られて、楽しそうでした。
酒井 すごく自分を出せるようになりましたね。「探シタラTV」(テレビ朝日 / 現在は「シタランドTV」として放送中)は最初にZoomでオーディションがあって番組に出させてもらったんですが、本番もZoomを通じて設楽さんと絡ませていただいて。それが「いい感じですね」ってなって今でも呼んでいただいています。
──コロナ禍という大変な状況ですが、意外なところで功を奏することもありましたよね。
酒井 あと、さっき女の子と会えなかったって言ったじゃないですか。でも普段は僕と2人で遊んでくれないような女の子が「Zoom飲みしよう」って誘ったらOKしてくれる。直接会わないから警戒されないんです。これはすごいですよ!
一同 ……。
上田 (小声で)「チェだぜ」って。
サイトウ 変な空気にして、チェだぜ!! え、俺がやるの? でもまあ、俺らは違うけどこの期間にYouTubeやり始めてハネた人もいますからね。
酒井 林田さんは楽器を始めて。
林田 あ、そっか。自粛期間中に何か楽器を習得しようと思って、カリンバっていう指で弾く楽器を練習したら、自粛明けにカリンバで「有吉の壁」(日本テレビ)に出られました。それはめっちゃよかった。
──楽器を始める方もいましたね。
上田 やってましたね。でも塚本くんって本当にストレス溜めやすい人で、サウナがなかったら死ぬんですよ。で、コロナでサウナに行けなくなってどんどんやつれていってたので、毎晩安否確認してました。テレビ電話で「つかもっちゃん生きてますかー?」って。こんなヒゲだらけで「大丈夫だよー」って。
──芸人さん同士のそんな助け合いもあったんですね。小西さんはこの期間にお笑いや演劇の配信ってご覧になりました?
小西 こんなこと言ったら時代に適応できていないようなんですが、あまり無観客の配信を積極的に観ようとは思えなかったんです。普段はお笑いも演劇も、生で観て出てほしいと思った方にお声がけしているんですが、配信を観ていてもあまりピンとこないというか……。ゲネを観ているような感じで「100%じゃないじゃん!」と思ってしまって。
林田 お客さんがいて100%ですもんね。
サイトウ 無観客で演者の気持ちが乗るわけないもんなあ。
上田 お客さんの反応で「こっちだ!」って思う瞬間もあるからね。反応がいいところでアドリブ入れてみるとか。
小西 だから生で観ることが大事なんだなってより一層思ったり、今までライブができていたのはすごいことだったんだと再確認したり、配信が主になったことで改めて気づくことはありました。
上田 野菜でしたよね。
小西 ああ、ライブは野菜でしたね(笑)。だからこれが続いたら自分たちも無観客配信ライブばかりをしなきゃいけないのかなって少し考えてしまいました。
ベランダで撮影?コント村メンバーでのコント番組
──上田さんは全部止まった気分だったとおっしゃいまいたが、コント村の活動は活発でしたよね。
上田 「東京 BABY BOYS 9」はまだコロナが騒がれる前、演出の北野(貴章)さんにごはんに誘われて、そこで「コント番組やれるよ」って聞かせてもらいました。放送は5月か6月の予定だったんですけど、コロナが拡大してきて収録ができなくなり、しばらくしてどうにかできそう、いややっぱりできない、っていう繰り返しで。全員ベランダに出てコントして、それを外から撮るみたいな話も出ました。
林田 絶対距離が近くならないように。
──それは斬新なコント番組になりそうです(笑)。
上田 本当にそれで進みかけたんですよ。図も描いてもらったんですが、1つのコントを作るのに30万かかることがわかり……。
林田 そうこうしているうちにテレビ局の方針が変わって、決められた距離が取れていれば撮影していいということになったんですけど。でもそれも日によってルールが違って、テレビ局も混乱しているんだなと思いました。常にスタッフさんがメジャーを持っていて「もうちょっと離れてください!」みたいな。奥行きが出ないレンズで撮って距離がない感じにしましょうとか、いろんなアイデアが出ましたよね(笑)。
──試行錯誤しながらの撮影だったんですね。あとは上田さんが「今年はもうない」と踏んでいた「キングオブコント」は観客を減らすなど対策しつつ開催されたわけですが、お二組にとっては悔しい結果だったと思います。お客さんの前でネタを披露できなかったことが影響していると感じますか?
上田 もうそれだけですね。とにかくいっぱいネタをやって、勝負!みたいな感じで毎年臨んでいたので。人前で全然コントしていないし、そもそもないと思ってたから作ってもいないっていう。
サイトウ 騒ぎ出してたもんね。「あれ、キングオブコントやるんだ!?」って。
上田 だから「ZOMMY2」も慌てて7月末にやろうとしたんですけど、結局第2波が来て中止になってしまって。
酒井 感染者数が50人だったらやろうって言ってましたよね。
林田 そしたら400くらいで。もう悩む余地もなく。
サイトウ でも、みんなけっこう「やりたい」っていう気持ちだったよね。
林田 やらないと戦えないと思っていましたから。
サイトウが死んでもコントは続ける
──「ZOMMY+」は配信も行っています。小西さんとしては配信の手応えはいかがでしょう?
小西 私がユーロライブで担当しているコント公演でいうと、今日が初めての配信だったんです。だからすごくうれしかったです、できて。たくさんの方にご覧いただけてよかった。「テアトロコント」でも配信をやりたいと思いながらも、特に演劇の場合はその想定で作っていないということがあるので、急遽配信を入れるわけにはいかなくて。今回は上田さんがちょうど「ZOMMY」でホールの空き状況を尋ねてきて、渋谷コントセンター(ユーロライブのコント公演)と一緒にやらせてほしいとこちらから提案して実現しました。とりあえずvol.1からvol.3までの3回分、配信ありで。1つやりたい配信ライブができたなっていう達成感はあります。
林田 配信ができるようになったっていうのは僕らにとってもプラスですよね。劇場に足を運べない人にも観てもらえるので。
上田 俺はもうおじいちゃんかもしれない。最初は「いいでしょ、配信は」くらいの感覚だった。
林田 最初はそうでしたね。「わしゃもう配信はええわ……」みたいな(笑)。
上田 「生じゃ~」っていう。
──頑固じいさんのような(笑)。
上田 だからすごく時代に合ってなかったですよ、今年の私は。
酒井 でも、僕らも全国区になってきましたからねえ。
林田 急にどうした?
上田 ああ、地方にも見たいという人がたくさんいる?
酒井 いっぱい増えましたから。ええ。
林田 この感じ、文字で伝わるかな?(笑)
酒井 ……めっちゃ調子乗ってるみたいになるのでやめましょう。
上田 いや、でもそういう考え方も含め、今日やっと前に進んだ感じがしました。コロナになってから今年はもう何もしない、2021年に向けてしっかり寝ましょうって思っちゃってたので。
──今日起きられましたか。
上田 やっと目覚めました。コント村でいろいろやらせてもらいましたけど、コンビはまた別物。「コントット」や「東京 BABY BOYS 9」はチームで1つのものを作っていたんですが、その間、コンビをすごくおろそかにしていたので。
サイトウ コンビでは全然やってなかったもんね。
林田 新ネタを下ろす感覚を取り戻せたので、来月以降の「ZOMMY」が楽しみになりました。
酒井 今月はいいネタ1本もなかった?
林田 いやいや、ネタを作って見てもらう日常が戻ってきたっていう意味。お客さんの反応に一喜一憂できるのもうれしいじゃない。
酒井 今日がスタートですね。
上田 来年は何があっても全部無視でコント作ろうと思います。理由を見つけたらそこに甘えるってことがわかったので。「コロナだしな」とか「一応コント番組やらせてもらってるしな」とか。だから今後は何があっても、サイトウさんが死んだとしても……。
サイトウ なんで俺を殺そうとするんだよ!
上田 殺そうとはしてない!(笑)
──サイトウさんが死んだとて、コントはやり続けていく。
上田 極端な話、そうです。
林田 これ見出しですね。「サイトウが死んでもコントは続ける」。
酒井 ちょっとちょっと、傷つきやすいんだから(笑)。
サイトウ あーあ、早く帰って寝て忘れたいな。
次回公演「ZOMMY+ vol.3」
日時:2021年1月29日(金)19:30開演
会場:東京・ユーロライブ
<出演者>
ゾフィー / ザ・マミィ
※この公演は新型コロナウイルスの再拡大を受けて延期され、ゲストの出演はなくなりました。
ゾフィー
上田航平(ウエダコウヘイ)
1984年12月17日生まれ、神奈川県出身。
サイトウナオキ
1980年3月26日生まれ、青森県出身。
2014年に結成。同年から3年連続「キングオブコント」準決勝に進出し、2017年、2019年には決勝進出を果たしている。パーソナリティを務めるラジオ番組「それいけ!おしゃべりスター」がJFN PARKで毎週木曜に配信中。「シャキーン!」(NHK Eテレ)のコントコーナー「旬ハウス」にコンビで出演している。ゾフィー Official YouTube Channel展開中。グレープカンパニー所属。
ザ・マミィ
林田洋平(ハヤシダヨウヘイ)
1992年9月10日生まれ、長崎県出身。
酒井尚(サカイタカシ)
1991年6月1日生まれ、東京都出身。
トリオ「卯月」として活動したのち2018年にコンビ結成。2019年7月に「お笑いハーベスト大賞」を前身とする「ツギクル芸人グランプリ2019」(フジテレビ系)で優勝。ラジオアプリGERAで「ネズミの咆哮」配信中。ゾフィー、ハナコ、かが屋の4組で出演するコント番組「お助け!コントット」「東京 BABY BOYS 9」の新作がこの冬放送される予定。ザ・マミィ Official YouTube Channel展開中。プロダクション人力舎所属。
小西朝子(コニシトモコ)
1985年6月23日生まれ、山口県出身。2015年より有限会社ユーロスペースに所属。ユーロライブでコント公演「渋谷コントセンター」を担当し、「テアトロコント」のキュレーターを務める。
テアトロコント vol.49
日時:
2020年12月18日(金)19:00開場 19:30開演
2020年12月19日(土)13:30開場 14:00開演
会場:東京・ユーロライブ
<出演者>
18日:ヒコロヒー / 金の国 / うるとらブギーズ
19日:マツモトクラブ / ファイヤーサンダー /
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大槻モヨ子 @lolita884
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