ナタリー PowerPush - Z-MACHINES
開発者が語る「ロボットバンドができるまで」
INTERVIEW 開発者インタビュー
「シーケンサーで生楽器を動かす」試みで、新しい創作をインスパイアできれば
──ロボットバンドというアイデアはどこから出てきたんですか?
大河内加代子 ZIMAには「FUN FORCE」というキャッチコピーがあって、みんなで繋がりあいながら盛り上がっていこう、ということなんです。
斉藤迅 で、そのFUN FORCEを体現しつつ、いつもZIMAを飲んでもらってるパーティシーン、音楽シーンに貢献できる活動を何かしたいという話を受けて。それで音楽の進化の歴史について考えてみました。すると、エレキギターが発明されたことでロックが生まれ、シーケンサーが生まれたことでテクノやハウスが生まれた。そんなことを考えているうちに、ZIMAが新しい楽器を生み出して、パーティシーンに新しい音楽を作るきっかけになる、というのは、すごくパーティシーンの新しい刺激としてと面白いのではないかと。それで、ロボットバンドというアイデアになりました。
──打ち込みではなく、あえてフィジカルな楽器演奏にしたのはなぜですか?
斉藤 やっぱり2013年ってすでに未来になってきていると思うんです。なんでもできるスマホを持って歩くなんて、すでに「バックトゥザフューチャー2」とかみたいな世界になったなと。そんなふうになんでもものすごく進化しているわけで、そう考えたら未来だったらロボットがバンドで生演奏してて当然だよな、と。それで信じられないくらい高度な演奏をしていて、それに演奏させるための曲を書くミュージシャンがいて、というのが、未来の音楽シーンとしては十分ありえるだろうなと。それで、今回はそういう「未来のパーティシーン」を一歩先取りして、現在で、もうやっちゃおう、という話になりました。フィジカルな楽器演奏にしたのは、それが新しい音楽を生むきっかけになると思ったからです。生演奏でもなく、シーケンサーでもなく。シーケンサーで動かす生演奏、というのは、やはり音の響きも違うし、新しい音楽を作るきっかけになると思いました。もちろんすべて人間の想像力ありきで、人間あってのロボットではあるのですが、新しいテクノロジーが人間をインスパイアすることで、新しいアイデアや表現を思いつくこともあるかと思って。新しいエフェクターを買ったら、面白い曲ができたみたいな感じで。
大河内 「ZIMA」自体が「飲んだ人が楽しい気持ちになって、面白いことしちゃう」みたいな思いを込めて作っているお酒なので、今回は「こんなロボットバンドを動かして、新しい感じの音楽を作ってみよう」なんて感じで楽しんでもらえたらと思います。
──ロボットバンドの各メンバーのデザインには何かモチーフがあるんですか?
米塚尚史 一番すごいドラマーって誰かなと考えたら、「雷様」かなと。なんか太鼓いっぱい背負って、叩くとイナズマが出るじゃないですか(笑)。それと「阿修羅」ですね。手がいっぱいないと叩けないんですよね。人間だと2本の手でいろんなドラムを狙って叩けるけど。それで「阿修羅」みたいなデザインに(笑)。あとこだわったのは、ドラムスティックを回す動きですね。ギターロボットは、音楽の歴史の集積体というモチーフです。エフェクターとかのジャンクがいっぱい積み上げられてデザインされています。これまで、世界中の人が音楽やパーティを愛してきた歴史を濃縮しているつもりです。
斉藤 で、髪の毛がLANケーブルなんですけど、世界中から寄せられてきたギタリストたちの思いを髪で吸収して、んでそれをバー!っと放出しているイメージです。
──人間が楽器演奏するときの動きとの違いは?
松尾謙二郎 弦1本1本にピックが付いているので、6本の手で弾いてるのと同じことができます。一応、実際の人間のように腕をスライドさせてフレットを押さえるような動きもできるんですけど、人間に近付けるんじゃなくて、ロボットならではの人間とは違う魅力を作ることを僕は考えてるんで。人間の演奏とは完全にベクトルが違うんです。ギタリストがMIDIギターを通して、自分の演奏をこのロボットにインプットすることもできて、そうやってプログラミングをすることもできます。
斉藤 入力のサポートで PAN PACIFIC PLAYAのカシーフくんも来てくれました。あんまり何もすることなかったけど(笑)。
──キーボードロボットはどんな感じなんですか?
斉藤 東京大学の河口洋一郎教授に作っていただきました。5億年前の生物が、5億年後に進化した、未来の生物、というイメージだそうです。
ロボットの高速演奏性能があるからこその音楽
──速弾きの限界はどれくらいなんですか?
松尾 僕らもわからないんですけど、予想したよりも速く弾けますね。テストではBPM1000もやったりしてます。とはいえ、BPM1000とかになると、データ上は一応演奏してることになってても、ただの音の塊になってギターをバーンって倒したのとあんまり変わんないような音になっちゃう(笑)。
斉藤 まあ、でも、そういうスピードでも演奏できます、っていう装置を開放して、自由にミュージシャンに発想してもらうのが面白いかなと。という中で、コラボレートしたミュージシャンで、まだ制作途中で名前は言えませんが、その高速速弾きがあるからこその、新しいフィーリングの音楽を作ってくれた人がいて。本当に天才だと思いました。なんか新しい感じのハードコアとハードミニマルが合体したような音楽とか、高速のジャズみたいのとか、いろいろ面白い音楽が聴けてます。
──ロボットバンドが演奏する楽曲をiPhoneアプリ「nana」で募集するというのも面白い試みですね。
斉藤 「nana」はみんなが勝手にコラボレーションしてる感じがすごく面白いと思うんですよね。世界にはコラボレーションサイトってけっこうあるんですけど、盛り上がってるところはあんまりないんです。そんな中で「nana」は着実に盛り上がり続けているし、「nana」の中は、すごくいい空気感なんです。
文原明臣 モバイルにしたのは、マイクに向かって歌えばそのまま世界につながって楽器とコラボできてしまうという、手軽さが大事だと思ったからです。
斉藤 そうやってソーシャルで高まっていく面白さを、またリアルな場所にもう1回戻すっていうことを、ロボットでできたらすごく面白いんじゃないかなと思って。
松尾 単純にただ自動で演奏しますってだけじゃなく、どうやって人間との関わり合いができるかが大事なんだと思います。その広がりやネットワークも含めて新時代の音楽の在り方なんじゃないかなと。
大河内 私は音楽を自分で作るなんて全然できないし、仕組みもよくわからないので、そういう人でも手軽に誰でも参加できる「nana」はいいですよね。私はみんなに参加してもらいたいっていう気持ちがあったので。
23種類のフレーバーから生まれたジーマは、フレッシュ、クリーン、クリアな味わいと飲みやすさが特徴のプレミアム低アルコール飲料。
この4月には、更に飲みやすい新サイズの275mlボトルを導入し、同時にロゴをリニューアル。
ボトルでお洒落に楽しめる「ZIMA」は、クラブやバーをはじめ、若者が集まる業態で、今まで以上にパーティーシーンを盛り上げる。
お酒は20歳になってから。
飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
お酒は楽しくほどほどに。
ライブ情報
- Z-MACHINES DEBUT LIVE -ZIMA presents Future Party-
- 2013年6月24日(月)
東京都 LIQUIDROOM ebisu
OPEN 19:00 / START 19:30 / END 21:30
出演者
Z-MACHINES / GOTH-TRAD / DJ KENTARO
内容
気鋭のトラックメーカーたちがロボットバンドのために書き下ろした未来のダンスミュージックを世界初公開。
人類の限界を超えたロボットの超絶プレイと豪華共演者のセッションも予定されている。
来場者には「ZIMA」1本をプレゼント。
参加方法
先着で1000名を無料で招待。事前のご予約は必要ございません。直接会場までお越しください。
※イベントの20歳未満の方の入場は固くお断りしております。入場の際には写真付きの身分証明証の提示をお願いいたします。
応募方法
スマートフォンからのカンタン投稿
- iPhoneで無料音楽コラボレーションアプリ「nana」をダウンロード。
- 演奏してアプリで録音するだけで投稿が完了。
- ギター1本やボーカルのみでも、簡単に投稿が可能。
PCからの本格投稿
- 「Z-MACHINES」プロジェクトのWEBページから投稿を受付。
- PCで本格的に作曲を行う人が対象。
- カンタン投稿よりも再現性が高い演奏を「Z-MACHINES」が行う。
ロボットのライブ出演や楽曲制作のオファーを受付中。
Z-MACHINESは日本のパーティカルチャーを盛り上げるために「ZIMA」が開発した、「パーティを愛するすべて人に解放された演奏装置」であるロボット。そのため「うちのパーティを盛り上げたい!」というライブやパーティへの出演オファー、「超絶演奏能力を生かしてこういう曲が作りたい!」という曲作りへの使用などの要請をプロ・アマ問わず受け付けている。
※一般からの楽曲募集で特別賞を受賞したユーザーには、ギターロボットが使用するスタインバーガーと同モデルのギター「Steinberger Spirit GT-PRO Standard」をプレゼントする。