リュックサックスこぼれ話

──オープニングではユニット“リュックサックス”として歌を歌っていましたよね。

ユースケ　BINGO BONGOをプロデュースしてくれた萩原健太さんという音楽評論家の方と、ケン坊とユッチっつってね、2人でアコースティックで適当に曲作ってたんですよ。それをそのままスライドさせてリュックサックスでもやるようになって。俺たちの完全オリジナルとしては「テクノロジーオブラヴ ～名古屋まで2km～」と「上京して…」ですね。

トータス　あれは「ドラゴン」が終わるときに、今まで応援してくれた「ドラゴン」のファンの人にカセットテープをプレゼントするっていうことで作ったんやけど。

ユースケ　トータスさんちで作ったなー。トータスさんがちょうどそのときすごいクオリティ高い機材を家にそろえはじめて。

トータス　録ったねえ、俺んちでね。2人で裸になって、その部屋でジャケットの写真も撮ったよね（笑）。

──あれは名曲ですよね。

ユースケ　歌詞はもう思いつきですけど。「上京して…」なんか、トータスさんがコード弾いてる間僕はずーっとしゃべってるだけ。

トータス　トーキングブルースみたいな。

ユースケ　ラップとも違うよね。

トータス　はははは（笑）。そうそう。

「夕陽のドラゴン」は芸能活動のスタート

──では最後に、お2人にとって「夕陽のドラゴン」が今の自分にとってどういうものなのか聞かせてください。

トータス　「ドラゴン」は僕にとってのスタートなんですよ。要するにプロのミュージシャンっていうか芸能活動っていうか、そういうののスタート。だから「仕事ってなんやろ」って考えたときにいつも思い出すね。

ユースケ　そう思ってることも知らなかった。そんな大事なね、スタートだなんて。

──ユースケさんはいかがですか？

ユースケ　そうですね。俺はそこでスペースシャワーと縁ができたっていうのと、トータスさんと出会えたっていうのと、あとは何も知らない者の強みがあった時期に縛りのない番組をできたっていうことが大きい。あのタイミングでこういう番組やれて、かつそこにいろんな奇跡が起きて。ウルフルズの大ブレイク現象を間近で見てたり、そのあとなんとなく僕もドラマ出始めたりとか、そういう時期だったんですよ。

トータス　さんまさんが（番組を）たまたま観て、吉本の芸人やと思ってたって話があって。

ユースケ　コンビかと思ってたんだってね。

トータス　どっちが突っ込むでもなくボケるでもなく、なんか粗い芸人やと。そう思ったら誰が観てるかわかれへんから、もっとちゃんとやらなあかんかった部分もあんのに、わからんとやってたんですよ。でも、わからんとやってたからオモロかったってのもあんのよ。例えばその頃はセガサターンを宣伝せなあかんコーナーがあったけど、素でオモロくてゲラゲラやってるだけやった。それって一番の宣伝やない？

ユースケ　そういえば当時セガサターンの宣伝部の人が何人か来てたんだけど、1人すごいかわいい人がいたの。リクルートスーツみたいなの着てて。

トータス　あ！ 思い出した！ いたいたいた！

ユースケ　めちゃめちゃかわいくて、俺速攻食事に誘ったのね。そしたら、普段着がけっこうロックな感じで。リクルートスーツって歯医者のマスクと一緒でさ、制服マジックがあったっていうか……。

トータス　それは彼女の配慮よ。おまえがミュージシャンやから、自分もそれに合わせて喜ばせようと力んだんや。絶対そうやって。

ユースケ　今思えばそうだったかもしれないけど……やっぱスーツ姿で来てほしかったなあ。今は幸せになってくれてることを願ってます。

トータス　あはははは（笑）。