曲ができていくのとともに私も成長させてもらってる

──「Love you*」はHUMがプロデュース。以前HUMと組んで制作した「Shooting star*」と同じく、今回もストレートなバラードですね。

ほかの楽曲と比べて音数が少なくて、声や楽器の音がストレートに耳に入ってくるようなアレンジになってますよね。

──この曲はどういうイメージで作詞したんですか？

男女が付き合うと、最終的には結婚するか別れるかみたいな、どっちかを選ぶことになっちゃうじゃないですか。いろんな子から相談としてそういう話を聞いて、なんかナンセンスだなと思って。それでこの曲では「今どれだけ私があなたを愛しているか」がちゃんと伝わるように、HUMさんの力を借りつつ頭の中に浮かんだ情景を歌詞に落とし込みました。

──なるほど。

「I love you」という言葉は、英語だけだと強く感じてしまうかもしれないから平仮名で「らーびゅ」って書いて、実際にそういう発音で歌おうとか。あとは温かくてやわらかい情景が浮かぶように、カーテンが動いて光が差すところ、トーストを一緒に焼いているところとかを盛り込みたいって、HUMさんに相談させてもらいました。本当に語尾の言葉1つで、例えば「ねえ 聞こえてるんでしょ」の「しょ」の歌い方だけで受け取る方の印象は変わってくるから、そういう部分を皆さんにプロデュースしてもらって、いろいろ教えてもらいながら、曲ができていくのとともに私も成長させてもらってるんだなって思います。

アニメもゲームも買い物も、すべてに対して全力で

──ひと通り新曲についてお話を聞かせてもらったんですけど、アルバムの全体的な仕上がりについてどう感じてますか？

「歌」っていうと作品として聴いてしまいがちですけど、これらは私にとって「いろんな毎日を切り取ったもの」というか。日々たくさんの人に関わってもらいながら歩んできた、お客さんやスタッフ、家族、恋人も含めたみんなの1ページ1ページが積み重なったものだと思ってて。

──それはまさにこのジャケットデザインみたいなイメージですね。吉田ユニさんがデザインを手がけたデビューミニアルバム「Yun*chi」のジャケットは「ミュージック・ジャケット大賞2013」を受賞しましたが、今回のジャケットもそれに勝るとも劣らないほどスタイリッシュかつインパクトがあるデザインだと思います。

このジャケの意味は、曲の中で歌われてるストーリーと、その制作中に私に起こったこと、みんなに起こったハプニングとか、そういうのが1曲ごとに1冊の本にまとめられてて、それが集まってアルバムになってるというイメージなので。ユニさんがそのアイデアを言ってくださったとき、「このアルバムにピッタリ！」と思いました。ユニさんは言葉数は少ないんですけど、私のフィーリングをすごく拾ってくださる方で。だからユニさんから出てきたものとたまたま合致して、「カッコいい！」ってなるんです。ユニさんすごいです。

──Yun*chiさんとの相性もバッチリなんでしょうね。

あと、このアルバムは今までの集大成ってさっき言っていただきましたけど、これは集大成というのを超えて、Yun*chiが次に何をしてくるのかとか、そういう気持ちになってもらえるものだといいなと思います。私自身もワクワクドキドキハラハラしているので、聴いてくださる方たちにもそういう気持ちをシェアできたら幸せだなって。

──ちなみに次はどんなことがやりたいですか？

写真集出したいし、ワンマンライブやりたいし、海外に行きたいし……。うーん、なんだろう。プライベートも仕事も、もっと全力でがんばりたいです（笑）。もちろん今までも充実はしていたんですけど、もっとがんばれただろうと思っていて。プライベートっていうのは例えば、アニメやゲームの消費もそうですし、ろくろでお椀を作ったり、ステンドグラスとかセーターとかなんでもいいんだけど、とにかく1個作品を作りたい。洋服を買いに行くのに全力になるんでもいいんです。そして、すべてに対して全力で向き合っていけるように、もっと体力を付けなければいけないんです。眠くなってる場合じゃないぞって（笑）。

──じゃあ、今感じてる今後の課題は？

パワーを付ける、ですね。

──なるほど（笑）。

楽しいことをしてないと楽しいものは作れないですもんね。全力でがんばりたいです（笑）。