松任谷由実|レビュー&アルバムを聴いたアーティスト16人のコメントで伝える“今の時代にこそ聴いてほしい45曲”

NOKKO

NOKKO

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 3「Mystic Journey」
38thアルバム「宇宙図書館」(2016年発売)収録
「AVALON」

アルバム「宇宙図書館」の半分のミックスをゴウさん(主人 / Goh Hotoda)が担当したので、最初にこの曲を聴いたのは、自宅の地下のスタジオから流れてきたミックス途中の音でした。私は家事をしながら、耳をそばだてて聴いていました。
1973年にアルバム「ひこうき雲」がリリースされたとき、私は10歳(小5)でした。
以来、ずっとトップを走り続けているユーミンが、「新曲を今、ここで作っていらっしゃる!」と思うと、不思議な感動があって忘れられないアルバムになりました。
輝く草原を走る命の躍動や息吹が感じられて、映像が見えてくるような曲。
「♪いつか見たまま 胸に在るまま」
というところに愛を感じる。
日本画のように風景を切り取って、歌詞の中に悲しみとか美しさを織り込んでいく、その作り方にどれほど憧れ、また影響されたことでしょう。

ユーミンへのメッセージ

ずっと新しいチャレンジを止めないユーミン
レコーディングがあった夏のある日、自宅近くの海で花火がありました。由実さんも音の確認に来られて、子供の友達も来て、地元のおいしいものを食べたりして、由実さんはPink Floydの「The Dark Side of the Moon」を聴きながら花火を見ようと言い出しました。
夜の空にスローモーションで広がっていく花火と虚空のスキャット、昼の間に話していたとき、由実さんが「やめないことが大切」と言ってくださったこと、全部、忘れられない夏の思い出です。
その言葉を噛み締めて、私は次の年、バンドの全国ツアーに挑みました。
そして新しいソロアルバムにも挑みました。
小5のときから夢に見た人が、今も現役で挑戦し輝き続けている、それがどんなに勇気を呼び起こすことなのかということを、強く感じた夏でした。

PROFILE

1984年にREBECCAのメンバーとしてデビューした女性ボーカリストで、1990年代にはソロシンガーとしても活躍。2013年に14年ぶりのソロアルバム「THE NOKKO STORY」を発表した。2015年8月にはREBECCAを再結成し大きな話題を集める。2018年3月にはテレビ東京系「ピョンチャンオリンピック2018」中継テーマソング「翼」や松任谷由実の書き下ろし曲を亀田誠治がアレンジした「ふふふ」などを収めたソロアルバム「TRUE WOMAN」をリリースした。

のん

のん

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC1「Pure Eyes」
1stアルバム「ひこうき雲」(1973年発売)収録
「きっと言える」

これから来る恋を想像して明るい希望を見ているような詞が、すごく好きです。恋をすることにわくわくしている女性を思い浮かべて、聴きながらうれしい気持ちになってくる。きゅん、と胸が高鳴ります。

ユーミンへのメッセージ

ユーミンからの、恋のうた。
本当に素晴らしい歌たちをこんなにたくさん書かれて、素直に「すごいなあ……!」と改めて感動しました。CD3枚、次から次へと素敵なユーミンさんの歌と恋模様をたっぷり堪能させていただいて胸いっぱいになりました。切なかったりうれしかったり、曲の中にはいろんな恋の形がありますが、ユーミンさんの素敵な歌を1秒の隙もなくうっとり聴ける、幸せなベストアルバム!だなあ、と感じました。はあ、満足です!

PROFILE

1993年生まれの女優、アーティスト。2017年8月に新レーベル「KAIWA(RE)CORD」を発足し、本格的な音楽活動を開始した。同年11月には高野寛が作詞作曲を手がけた1stシングル「スーパーヒーローになりたい」を、2018年1月にはSachiko Mが作詞作曲、大友良英が編曲を担当した2ndシングル「RUN!!!」をリリースした。

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC1「Pure Eyes」
1stアルバム「ひこうき雲」(1973年発売)収録
「きっと言える」

僕の好きなユーミンが詰まっている楽曲なので選びました。
どんな場所で出会ったとしても好きです。

ユーミンへのメッセージ

ユーミンからの、恋のうた。
年代がバラバラな楽曲が並んでいるはずなのに
どの曲もハッとするほど挑戦的で、優しさと鋭さを兼ね備えているものばかり。
ユーミンの楽曲には古いも新しいもないんだと、改めて思いました。
今までもそしてこれからも、ついていきます! 先輩!!

PROFILE

4人組ロックバンドOKAMOTO'Sのベーシスト。2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビューした。2016年6月からはキャリア初の47都道府県ツアー「OKAMOTO'S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016」を開催。2017年8月にニューアルバム「NO MORE MUSIC」をリリースした。

一青窈

一青窈

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 2「Urban Cowgirl」
20thアルバム「Delight Slight Light KISS」(1988年発売)収録
「ふってあげる」

私(一青窈)が歌うともっと情念のこもった
おどろおどろしい曲調になりそうなものなのだけど
冒頭の
【今夜 わたし 死んでしまおうかな】

こんなにもさわやかに響くのはユーミンマジックなのだと思う
強がりの優しさではなく
自立した女のカッコいい恋の閉じ方を
ユーミンさんは歌ってくれていて
素敵な恋愛の教科書だと思う
これからたくさん恋を経験するGIRLSたちに聴いてもらいたい!

ユーミンへのメッセージ

ユーミンさん。
今回、改めて歌詞を見直したら
自分の思い込みで
口ずさんでいたことがわかりました!
♪おどかしたっても 変えられぬ心
正しくは
【おどかしたって もう帰らぬ心】
だったんですね(涙)

PROFILE

2002年、シングル「もらい泣き」でデビュー。2003年には同曲で日本レコード大賞最優秀新人賞、日本有線大賞最優秀新人賞などを受賞し、「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たした。2004年には、代表作の1つである5thシングル「ハナミズキ」をリリース。2017年にデビュー15周年を迎え、初のオールタイムベストアルバム「歌祭文 ~ALL TIME BEST~」を発売した。

平原綾香

平原綾香

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 3「Mystic Journey」
4thアルバム「14番目の月」(1976年発売)収録
「朝陽の中で微笑んで」

NHK「ラストディナー」でカバーさせていただいたり、舞台も拝見したりと、ご縁がある曲。
目を閉じて歌うと、宇宙が広がっていきます。世界を見渡しても似ている曲がない、ユーミン節の効いた唯一無二の作品です!

ユーミンへのメッセージ

ユーミンの歌を聴くと、大事にしまってあった思い出の宝箱が開くような気持ちになります。
以前、松任谷家に遊びに行ったことがありました。少しクーラーのきいた部屋だったので、ちょっと寒い?とユーミンに聞かれた私。はい、少し!と答えるとユーミンが「お父さん、綾香が寒いって」と呼びかけ、正隆さんが温度を上げてくれました。少しの間だけ、松任谷家のこどもになれた気がして、思い出すとキュンとする、一生の思い出です。

PROFILE

2003年、グスターヴ・ホルスト「木星」に日本語詞を付けたシングル「Jupiter」でデビュー。2017年には宇崎竜童、阿木耀子、谷村新司、原由子らの提供曲を収めた10枚目のオリジナルアルバム「LOVE 2」を発売した。また同年、東京・帝国劇場で上演されたミュージカル「ビューティフル」にて主人公のキャロル・キング役をダブルキャストで演じた。

水野良樹(いきものがかり)

水野良樹(いきものがかり)

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 1「Pure Eyes」
31thアルバム「acacia」(2001年発売)収録
「Summer Junction」

「今のあなたと 今のわたしと 今のふたりが 消えいくの」
この数十年、さまざまな恋人たちの儚くも尊い「今」にその歌たちが寄り添ったからこそエバーグリーンと呼ばれるのだろうなと。その象徴みたいな一節だなと。

ユーミンへのメッセージ

時は流れていくし、世は変わっていくし。そんなふうにすべてが過ぎ去っていく中で、歌が生まれたばかりの頃の輝きを持っていてくれて、初めて聴いたときに僕らの目の前にあった「今」を思い出させてくれる。それは歌の在り方として、とっても優しい在り方です。でも、それを作り続ける過酷さは恐ろしいほどのこと。「大丈夫、わたしユーミンだから」と笑顔で言うあの人に、僕らは甘え過ぎているのかもしれません。

PROFILE

1982年生まれ、神奈川県出身。1999年2月に小・中・高校と同じ学校に通っていた山下穂尊といきものがかりを結成し、同年11月に吉岡聖恵を迎え3人編成で活動を開始する。2006年にシングル「SAKURA」でメジャーデビュー。2017年1月のいきものがかりの“放牧”宣言後は、さまざまなアーティストに楽曲提供したり、ラジオやテレビなどさまざまなメディアに出演したりと活躍している。

miwa

miwa

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 2「Urban Cowgirl」
3rdアルバム「COBALT HOUR」(1975年発売)収録
「雨のステイション」

両親が好きな曲で幼い頃から何度も何度も聴いており、武部(聡志)さんの還暦コンサートでご一緒させていただいたときに、この曲を目の前で聴けて感激しました! まるで駅で雨宿りをしながら歌っているかのようなユーミンさんがとても幻想的で印象に残っております!

ユーミンへのメッセージ

ユーミンさんは私の永遠の憧れであり目標とするお方です! 私も純粋さを忘れず自分らしく旅を続けていけるよう精進したいと思う、そんなユーミンさんの曲が詰まった素敵なアルバムに心が震えております!

PROFILE

2010年、大学1年生のときにシングル「don't cry anymore」でデビュー。翌2012年にはシングル「ヒカリヘ」が大ヒットした。2015年3月、女性アーティストでは史上初となるギター弾き語りでの日本武道館2DAYS公演を大成功させる。2017年11月には5thアルバム「SPLASH☆WORLD」を発売し、2018年5月には24枚目となるニューシングル「アップデート」をリリースする。

村上てつや(ゴスペラーズ)

村上てつや(ゴスペラーズ)

「ユーミンからの、恋のうた。」で特に好きな1曲
DISC 1「Pure Eyes」
2ndアルバム「MISSLIM」(1974年発売)収録
「瞳を閉じて」

ラジオ番組に来た高校生からの1枚の手紙が産んだ奇跡の1曲。長崎県五島列島にある奈留高校では由実さんが贈ったこの歌が第二校歌的な愛唱歌として歌い継がれているのは有名な話です。このエピソードが好きすぎて僕は五島でのコンサートのあとこの高校に取材で訪ね、その場近くにいた生徒たちに声をかけて「瞳を閉じて」を歌っていただきました(もちろん一緒に歌いました)。

ユーミンへのメッセージ

松任谷由実さん、45周年おめでとうございます。
ソングライターとして、そしてPOPアイコンとしての松任谷由実を両立してきた歴史は想像を絶する凄まじいものだと思います。
もし今の日本に由実さんが作った音楽がなかったら、そう考えると恐ろしいぐらいさまざまな感性や事象が由実さんから発信されてきたのではないでしょうか?
ユーミンワールドは感情の玉手箱、このアルバムを聴きながら心の中で妄想1人旅に出るのが楽しみです。

PROFILE

1994年にシングル「Promise」でメジャーデビューしたボーカルグループ・ゴスペラーズのメンバー。「永遠(とわ)に」「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」など、多数のヒット曲を送り出す。2017年3月に2年6カ月ぶりとなるオリジナルアルバム「Soul Renaissance」をリリース。2018年2月にはニューシングル「ヒカリ」を発売した。

松任谷由実「松任谷由実45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』」
2018年4月11日発売 / EMI RECORDS
松任谷由実「松任谷由実45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』」初回限定盤A

初回限定盤A
[CD3枚組+Blu-ray Disc]
4860円 / UPCH-29291

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松任谷由実「松任谷由実45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』」初回限定盤B

初回限定盤B
[CD3枚組+DVD]
4320円 / UPCH-29292

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松任谷由実「松任谷由実45周年記念ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』」通常盤

通常盤
[CD3枚組]
3672円 / UPCH-20479~81

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CD収録曲

DISC 1 Pure Eyes

  1. 瞳を閉じて
  2. ジャコビニ彗星の日
  3. スラバヤ通りの妹へ
  4. 雨の街を
  5. 緑の町に舞い降りて
  6. セシルの週末
  7. September Blue Moon
  8. まずはどこへ行こう
  9. ただわけもなく
  10. 海に来て
  11. Summer Junction
  12. きっと言える
  13. Midnight Scarecrow
  14. Autumn Park
  15. 雪だより

DISC 2 Urban Cowgirl

  1. ふってあげる
  2. 思い出に間にあいたくて
  3. ひとつの恋が終るとき
  4. もう愛は始まらない
  5. TUXEDO RAIN
  6. 心ほどいて
  7. 街角のペシミスト
  8. NIGHT WALKER
  9. Nobody Else
  10. 夕涼み
  11. 雨のステイション
  12. 幸せはあなたへの復讐
  13. Cowgirl Blues
  14. オールマイティ
  15. フォーカス

DISC 3 Mystic Journey

  1. 満月のフォーチュン
  2. 破れた恋の繕し方教えます
  3. 砂の惑星
  4. 朝陽の中で微笑んで
  5. 輪舞曲
  6. ツバメのように
  7. シャンソン
  8. 霧の中の影
  9. AVALON
  10. BABYLON
  11. きみなき世界
  12. Man in the Moon
  13. SATURDAY NIGHT ZOMBIES
  14. 無限の中の一度
  15. Joly
松任谷由実ベストアルバムツアー
「45年分の、恋のうた。」
  • 2018年9月22日(土)岩手県 盛岡タカヤアリーナ
  • 2018年9月23日(日・祝)岩手県 盛岡タカヤアリーナ
  • 2018年10月6日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
  • 2018年10月7日(日)兵庫県 ワールド記念ホール
  • 2018年10月13日(土)大阪府 大阪城ホール
  • 2018年10月14日(日)大阪府 大阪城ホール
  • 2018年10月18日(木)広島県 広島サンプラザ ホール
  • 2018年10月19日(金)広島県 広島サンプラザ ホール
  • 2018年11月17日(土)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2018年11月18日(日)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2018年11月23日(金・祝)静岡県 エコパアリーナ
  • 2018年11月24日(土)静岡県 エコパアリーナ
  • 2018年11月28日(水)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
  • 2018年11月29日(木)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
  • 2018年12月19日(水)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2018年12月26日(水)愛知県 日本ガイシホール
  • 2018年12月27日(木)愛知県 日本ガイシホール
  • 2019年3月6日(水)東京都 日本武道館
  • 2019年3月7日(木)東京都 日本武道館
  • 2019年3月9日(土)東京都 日本武道館
  • 2019年3月10日(日)東京都 日本武道館
  • 2019年3月12日(火)東京都 日本武道館
  • 2019年3月13日(水)東京都 日本武道館
  • 2019年3月17日(日)新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
  • 2019年3月23日(土)福井県 サンドーム福井
  • 2019年3月30日(土)福岡県 マリンメッセ福岡
  • 2019年3月31日(日)福岡県 マリンメッセ福岡 
  • 2019年4月6日(土)神奈川県 横浜アリーナ
  • 2019年4月7日(日)神奈川県 横浜アリーナ
松任谷由実(マツトウヤユミ)
1954年生まれ、東京出身の女性シンガーソングライター。1971年に作曲家としてプロデューを果たし、翌1972年に荒井由実として歌手デビューシングル「返事はいらない」をリリースする。1973年に1stアルバム「ひこうき雲」を発表し、翌年から本格的なステージ活動を開始。「あの日へかえりたい」をはじめとする、数々のヒット曲を連発する。1976年にアレンジャーの松任谷正隆と結婚してからは、松任谷由実として活躍。1970年代から2010年代にかけての史上初となる5つの年代でのアルバム売上首位を達成するなど、数多くの記録を樹立する。2016年には38枚目となるオリジナルアルバム「宇宙図書館」をリリースし、翌2017年9月まで自己最長、最多本数となる42都市80公演の全国ツアーを行った。また近年は東京・帝国劇場のコラボレーションによる舞台「ユーミン×帝劇」を上演するなど、さまざまな方面で話題を集めている。