自分のファンを信用してる

──まずはでんぱ組.inc卒業おめでとうございます。

はい、ハッピーに卒業できることになりました。よかったよかった（笑）。

──卒業を発表したあとの反響はどうでしたか？

それがホントにね、優しい感想しか目にしてないです。みんな悲しみながらも応援してくれてる。すごくいいファンに恵まれたなって。

──確かに文句を言ったり駄々をこねたりしてる人は見当たりませんでした。

今までもちょこちょこ辞める雰囲気は出してたんで、みんな「そろそろかな？」って思ってたのかもしれない（笑）。

──でもやっぱりこれまでファンとのいい関係を作れてきたからこそ、この状況があるんだと思います。

うん、自分のファンのことはやっぱりすごく好きだし信用してます。いつもこっちの意図を自分が思ってる以上に汲み取ってくれて、今回も「ねむちゃんが描く完成形に向けて最高の最後を迎えられるようにしよう」みたいなことを言ってくれたり。どこまでも理解者だなって思ってます。

──過去には、ご自身のTwitterアカウントで「秋葉原では卒業はおめでとうですからね」という発言もありました。

「誰かの門出は祝える人間でいてくれ」みたいなことをずっと言ってきたから、こうやって自分のターンになったときに納得して送り出してもらえてるっていうのはあると思う。ほかのアイドルの子でも例えば女優さんになるとか留学しますとか、そういう卒業に対してどんなに悲しくても本人に「おめでとう」って言えるファンはすごく素敵ですからね。

「あと1年がんばってほしい」と言われた

──卒業の意志は2017年春の時点でメンバーに伝えていたそうですね。

その前から考えてたことではあったんだけど、みんなに言ったのは5月ぐらいですね。でもそのあと8月にもがちゃん（最上もが）が体調不良で辞めざるを得なくなってしまったので（参照：でんぱ組.incから最上もが脱退）。

──それで卒業のタイミングを延ばすことにした？

うん、でんぱ組.incが好きだからこそ自分が抜けたあともずっと見守りたいって思ってたし、6人中2人が抜けるってかなり不穏じゃないですか。解散だけは絶対イヤだったから。だからねもちゃん（根本凪）とぺろりん（鹿目凛）が入ってくれて、新しいでんぱ組.incの形が見えるまで一緒に走れたのはよかったです。これででんぱ組.incに対して不安を残さずに去れるなって。あとはやっぱり初期メンのみりん（古川未鈴）やりさ（相沢梨紗）が「あと1年一緒にがんばってほしい」って言ってくれたのがすごく大きかった。

──卒業を決めてから1年以上続けていくうえで、何をモチベーションに活動してきましたか？

新メンバー2人を守らなきゃっていう思いはありました。「やっぱり6人時代がよかった」っていう空気もある中で、2人が心ない言葉を浴びてるのがつらいなって思ってた。だってでんぱ組.incを続けるためにがんばってくれてる子たちが非難されるって、意味がわかんないじゃないですか。いつだってそうですけど、例えばもがちゃんとケンカしてたときでも私はもがちゃんに文句言ってくるオタクのほうにムカついてたから。みんなには申し訳ないけど、いつだってメンバーが一番大事なんです。

──卒業してもグループを大切に思う気持ちは変わらないですもんね。

辞めてからも元でんぱ組.incとしてイケてないとダメだなとか、そういうのはすごく思いますね。今もディアステージがすごく大事な場所なのと一緒で、でんぱ組.incが大好きなのはずっと変わらないですね。あと私が抜けてもグループは続くから終わりっぽくしたくないって気持ちはすごくあります。私のファンの人も「めでたしめでたし」で離れてもらっちゃ困るんですよ（笑）。「おい、一緒にライブ行って6人を応援するぞ！」っていう圧をかけていきたいですね！

──新体制のでんぱ組.incも楽しみですね。6人→5人→7人という変化を経て、グループの強度が増しているのを感じます。

それはやっぱり守るべきもの＝新メンバー2人の存在が大きくて。それまでは人に何か言われるたびに「びええ」って泣いたりしてたけど、もう何を言われてもこの子たちを守るし、でんぱ組.incを守るし、攻撃してくる人も別に敵じゃないから自分たちのよさを思い知らせなきゃならないっていう使命ができたし。実際ブーブー言ってた人も7人でのライブを観て「好き！」ってなってくれたりしてるわけで。ピンチだったおかげでチームが一丸となるスピードがとても早かった。この1年はすごくいい期間だったなって思います。

すぐに別の皮膚ができる

──でんぱ組.incとしてはニューアルバム発売や武道館公演が控えていますが、やり残したことはないですか？

それがないんですよねー。この年月ですごくいろんなことをやれたなって思う。

──例えば「でんぱの神神」（テレ朝動画）みたいな場では、ねむきゅんが司会進行役を担当していたわけですが、それは今後どうなるんでしょう？

それを1年かけて根本凪に教え込んでるところです（笑）。まだ完成はしてないけど、一応緑の直系なので。それにねもぺろがすごく面白いんで、あの2人が二人三脚でわちゃわちゃやってくれたらなっていうのは思ってて。あと大御所の古川未鈴大先生もいらっしゃいますからうまくやるんじゃないでしょうか。

──みりんさんへのツッコミ役もねもさんが？

みりん推しの人はそこが心配みたいで「これから誰がみりんさんの面白さを引き出すんですか！」みたいなこと言ってるんですけど、あの人は勝手にずっと面白いから大丈夫です（笑）。

──じゃあ卒業後も大きな心配はなさそうですね。

きっとみんな今まであったものがなくなることは不安だと思うんですけど、なくなった部分にすぐ別の皮膚ができると言うか、別の子がすごく進化してくれたり、別の形で面白くなったりっていう好転反応が出るはずなんで、そこはまったく心配してないです。だからきっと「ねむみたいにやろう」って思わなければすごくうまくいくんじゃないかな。