ナタリー PowerPush - DIAMOND☆YUKAI

全活動を総括するセルフカバーベスト発売!多方面で活躍するD☆Yのさまざまな顔に迫る

1986年に伝説のバンドRED WARRIORSのボーカリストとしてデビューして以来、唯一無二の存在としてシーンで活躍してきたDIAMOND☆YUKAI。そんな彼のバンド時代~ソロキャリアを振り返るかのようなセルフカバー・ベストアルバム「I AM A ROCKMAN」が、3月4日にリリースされる。本作は、最近ではバラエティ番組やドラマなどで目にする機会が増えた彼の、本来の姿を知る上で最適な1枚といえる。

ナタリーではそんなDIAMOND☆YUKAIにインタビューを決行。セルフカバーベストについてや参加アーティストとの関係性、さらにRED WARRIORSの話題やバラエティ番組出演についてなど、多方面にわたり本音を語ってもらった。

取材・文/西廣智一 インタビュー撮影/中西求

新作は勝ち残ってワールドカップに出場した曲ばかり

インタビュー写真

──RED WARRIORS時代から現在までの楽曲でセルフカバーアルバムを作るというアイデアは、いつ頃からあったんですか?

自分がこの20年間に培ったいろんな楽曲をさ、次の時代に残したいとはずっと考えていたんだよ。俺は古いCDが好きなんだけど、それこそロバート・ジョンソンを今でも聴くように、自分のこれぞという楽曲を新しい息吹で今の時代に刻みたかったんだ。まあ人間、いつ死ぬかわからないしね。

──なるほど。

CDもそのうちなくなっちゃうだろうけど、残ることは残るじゃない。そういう、形あるものとして残せるのも今しかないんじゃないかなと。

──RED WARRIORS時代の代表曲もたくさんあるし、ソロになってからもいろんなジャンルに挑戦してますよね。その中で、今回の10曲を選ぶのには相当苦労したんじゃないですか?

そうだね。ただ、アルバムとして聴くことを考えると、ただいい曲だけ集めればいいってわけでもないし、全部バラードになっちゃったらそれはつまらないし。全体のバランスがあるから、そういう部分で苦労したかもしれないけど、ライブでずっと歌ってきてここまで生き残ってきた、本当にこれだという究極の楽曲を選んだつもりだよ。

──それこそ「CASINO DRIVE」「バラとワイン」なんて、もう20年以上前の曲ですものね。

まさしく、勝ち残ってワールドカップに出場した曲ばかりだね。

──そんな勝ち残ってきた楽曲の中には、新たなアレンジが施されたものもありますよね。今回の再レコーディングでは、原曲の良さをそのまま再現しようとしたんですか、それともせっかくやるんだから新しい形にしてみようという考えだったんでしょうか?

両方だね。セルフカバーだからアレンジを全部変えてやるのも楽しいけど、一緒に20年以上歩み続けた聴いてる人たちの気持ちも、楽曲に絶対入ってるしさ。そうかと言ってまったく同じことをやっても、オリジナルには勝てないしね。そういうのも含めて、バランスよく作ったよ。一番思ったのは、いいものを全部セレクトして今の空気で歌える新鮮さというのかな。新鮮さがないと歌ってても本当に面白くないしね。

──新鮮さという意味で伺いたいんですが、20年前から歌っていた「CASINO DRIVE」や「バラとワイン」は今歌っても新鮮なんですか?

そうだね。このアルバムに入ってる「CASINO DRIVE」は最近ライブでやってるアレンジだけど、それこそ20年もやってるといろんな音楽が好きになるし、その結果こういう形になったのかな。まあ今一番新鮮な形、アレンジだね。

──この曲のアレンジもそうですけど、20代の頃のギラギラした感じとはまた違って、すごく肩の力が抜けて余裕があるというか。「あ、これが2009年のDIAMOND☆YUKAIなのかな」という印象を受けました。

そう言ってもらえると嬉しいよね。まあ間違いなく、そのとおりだよ。

ヨッちゃんが弾く「バラとワイン」からは愛情を感じる

──レコーディングメンバーはライブにも参加している、気心知れた皆さんばかりですよね。作業はスムーズだったんじゃないですか?

そうだね。もう集結したって感じ。

──集結?

うん。みんな20年前から知ってた人たちで、一緒に歩んだり別の道を歩いたりもした、ロックンロールしていくことは容易なことじゃないことを知ってる仲間たちなんだよ。いいときもあれば悪いときもあるし、途中で辞めちゃう人もいるしさ。みんな少なからずDIAMOND☆YUKAIに関わってきた人たちで、まさしく“ユカイな仲間たち”が集結して作った1枚だね。

──なるほど(笑)。そんなメンバーの中に、野村義男さんの名前もありますよね。ユカイさんと野村さんの組み合わせに、ちょっと意外な印象を受けたんですが、どういう経緯で参加することになったんですか?

最初は、ヨッちゃんがやってるRIDER CHIPSというバンドでJOE(44 MAGNUM、ZIGGYのメンバー。hideやDIAMOND☆YUKAIのバンドでも活躍)がドラムを叩いてて、それがきっかけ。みんな同じような年齢で、聴いてきた音楽も一緒なんだよね。だから、ヨッちゃんとは会うべくして会ったという感じかな。

──最近でこそ浜崎あゆみさんのバンドで活躍してるイメージがありますが、昔は“たのきんトリオ”でしたもんね。

彼はいわゆる芸能界の中にいた人だけど、本当に音楽が大好きなんだよ。RED WARRIORSのことも好きだったみたいで、ヨッちゃんが弾く「バラとワイン」からはものすごく愛情を感じるんだよね。

──確かにSHAKEさん(木暮武彦。RED WARRIORSのギタリスト)やICHIROさん(DIAMOND☆YUKAIバンドや、夏木マリとのGIBIER du MARIなどのギタリスト)とも、ちょっと違いますよね。

新鮮だったんだよ。フレーズとかもさ、当時の一番おいしいフレーズを、ヨッちゃんは本当にここまで弾くかっていうくらい、いい感じで弾いてくれて。これは楽曲に対して本当に愛情がなければできないなと思って、嬉しかったね。

──確かに新鮮なんですよね。野村さんは何でも弾きこなせる器用なギタリストというイメージがあったんですが、このアルバムで聴くと他のギタリストにも負けないくらいにプレイが熱いんですよ。

仕事としていろんなところでギターを弾いてるけど、本当に音楽を、ロックを愛してる人なんだよ。同じくらいの年齢だから思うのかもしれないけど、最初に出てきた環境が違ったとはいえ、結局は同じような。まったく同じとは言えないけど、そういう世代というか、ヨッちゃんがここにいることに何の違和感もないんだよね。それはすごく感じるよ。

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直感で決めたほうが的確にヒットする

──野村さん含め、このアルバムにはSHAKEさん、ICHIROさんと3人のギタリストが参加してます。どの曲を誰に弾いてもらうかの振り分けは、どうやって決めたんですか?

振り分け? うーん……大雑把に考えただけだね、大雑把に。

──(笑)。

ホントに大雑把。

──深く考えて、「じゃあこの曲はヨッちゃんに弾いてもらおう」という感じではなかったんですか?

大雑把に考えたんだけど、的は射ていたみたいな。考えすぎないほうがいいんだろうね。最近は考えすぎると逆に上手くいかないことのほうが多いかもしれない。

──じゃあもう直感に任せて?

そう。年を取っていくと知識がつまり過ぎちゃってフン詰まり状態になるから、直感で決めたほうが的確にヒットするかもしれないというのは強く感じたね。

──それも20年以上やってきた中で培われたものなんですかね。

どうなんだろう。単に意識しないほうが上手くいくってことだね。

セルフカバー・ベストアルバム『I AM A ROCKMAN』 / 2009年3月4日発売 / ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

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CD収録曲(カッコ内は原曲アーティスト)
  1. I AM A ROCKMAN [新曲]
  2. SUMMER ANGEL [DIAMOND☆YUKAI]
  3. バラとワイン [RED WARRIORS]
  4. 外は白い雪の夜 [DIAMOND☆YUKAI / 吉田拓郎カバー]
  5. JOHN [RED WARRIORS]
  6. DIRTY HERO [DIAMOND☆YUKAI]
  7. ルシアンヒルの上で [RED WARRIORS]
  8. 君はともだち [DIAMOND☆YUKAI]
  9. CASINO DRIVE [RED WARRIORS]
  10. Still of the night [RED WARRIORS]
  11. I'M THE BEST [DIAMOND☆YUKAI]
DIAMOND☆YUKAI (だいあもんどゆかい)

プロフィール

1962年生まれ、東京出身の男性ロックシンガー/俳優。1986年10月にロックバンドRED WARRIORSのボーカルとしてデビューし、一世を風靡。バンド解散後の1990年、「I'M THE BEST(世界の女は俺のもの)」で華々しいソロデビューを飾る。1996年にはディズニー映画「トイストーリー」の日本語版主題歌「君はともだち」を担当。同年、7年ぶりにRED WARRIORSを再結成し、武道館公演を成功させる。1999年から新たな試みであるジャズのスタンダードやカバーなどを織り交ぜたアンプラグド形式のバラードアルバム「Night Life」シリーズを発表。新しい音楽スタイルを模索する一方で、役者としても活動の幅を広げ、映画やオリジナルビデオ、舞台などで活躍。最近ではTVのバラエティ番組にも出演しコミカルな一面も披露している。