ナタリー PowerPush - DIAMOND☆YUKAI

全活動を総括するセルフカバーベスト発売!多方面で活躍するD☆Yのさまざまな顔に迫る

バラエティ番組とDIAMOND☆YUKAI

──ユカイさんは音楽以外にドラマや映画、舞台、最近ではバラエティ番組にも頻繁に出演してます。かつてのRED WARRIORSの頃だったら、バラエティ番組にユカイさんがいる絵が、絶対に思い浮かばなかったと思うんですよ。ユカイさん自身は、そのへんをどう考えているのかなというのが、実はずっと気になってたんですが。

なるほどね。まあ正直言って、バラエティに関してはハメられたんだよ。で、ハメられたらハマっちゃったんだよね。

──ハマっちゃったんですか(笑)。

それが答えなんだけどね。歌は絶対だけど、映画にもたまに出たりしてたし、表現者としていろんなことをやりたいんだよ。言っておくけど、あと10年したら俺はアカデミー賞を取るからね。

──(笑)。

ある意味、欲張りなんだろうね。

インタビュー写真

──バラエティや演技も楽しんでやれてますか?

もちろん。演技に関しては昔から興味があったけど、経験も少ないし悔しいことのほうがやっぱり多いよ。バラエティに関して言うとジェットコースターに乗ってるような気分で、次になにが起こるか自分でもわからないんだよね。

──ファンからすれば、いつもどおりのユカイさんなんですけどね。

あ、そう? 実は技術でそういうふうに見せているんだよ。

──えーっ(笑)。

ホントホント。みんなそれをわかってないんだよね。役者をやっても「ユカイさん、映画の中でもユカイさんそのままじゃないですか」と言われるけど、違う、全部演技なんだって。

──(笑)。

その演技力をみんなが認めてくれないだけで。バラエティも一緒で、そう見せるこの技術をみんなが……きっとわからないんだろうなあ、あまりにも技術が素晴らしすぎて。

──それ信じていいんですか?

本当にそうだよ。まあそこがわかるようになったら、日本の芸能界も進歩するんだろうな、みたいな。あまりにも俺の技術のほうが勝っちゃってるんだよね。

──本当にアカデミー賞を受賞したら痛快ですよね。

真剣に狙ってるから。助演男優賞を取りたいんだよ。

──助演なんですか?

役者の一番レベルの高いところは助演なんだよ。そのレベルに到達したいね。

──昔のユカイさんはつねに主役というか、一番真ん中でみんなの視線がユカイさんに集まる、そういうポジションの人だったと思うんですけど、それが変わってきたんでしょうか?

いやいや、もちろん本質は変わらないからね。でもただシュートするだけじゃないぞ、パスも出すぞっていうね。

──ちょっと技巧派になってきたとか?

両方できる、そういう欲張りなところにいきたいよね。

すべてはWillのサムシング

──いろいろお話を聞かせてもらいましたが、演技やバラエティもそうだし、もちろん今回のアルバムも、すべて一貫してるのかなと思いました。観てる人や聴いてる人を楽しい気持ちにさせたり、心を揺さぶるという意味では、エンターティナーというイメージが強いなという印象が改めてあって。

まあ先のことは考えてないよ。今あるものを思いっきりやるというか。今までもそうだったのかもしれないけど、特に今はその思いが強いかもしれないね。

──RED WARRIORS「ROYAL STRAIGHT FLUSH R&R」の歌詞じゃないですが、20年間転がり続けた結果ここにたどり着いたのかなと。このアルバム「I AM A ROCKMAN」がこのタイミングにできたのも、きっと偶然ではなく必然だったんでしょうね。

うん。やっぱりなにかをやろうと思わないと、物事は絶対に動かないしさ。

──その必然の部分と、自然に身を任せている部分が、うまく一致しているなという印象を受けましたね。

まあ、すべては“Will(意志)”、“Willのサムシング”だね。旧約聖書にも出てくるでしょ。太陽がありました、水がありました、陸がありました、そこから我々が出てくるということは意志を持ったから、我々はそこに現れた。意志がないものにはなにもないし、サムシングは“Will”を持っていない人には降りてこないんだよ。

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セルフカバー・ベストアルバム『I AM A ROCKMAN』 / 2009年3月4日発売 / ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

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CD収録曲(カッコ内は原曲アーティスト)
  1. I AM A ROCKMAN [新曲]
  2. SUMMER ANGEL [DIAMOND☆YUKAI]
  3. バラとワイン [RED WARRIORS]
  4. 外は白い雪の夜 [DIAMOND☆YUKAI / 吉田拓郎カバー]
  5. JOHN [RED WARRIORS]
  6. DIRTY HERO [DIAMOND☆YUKAI]
  7. ルシアンヒルの上で [RED WARRIORS]
  8. 君はともだち [DIAMOND☆YUKAI]
  9. CASINO DRIVE [RED WARRIORS]
  10. Still of the night [RED WARRIORS]
  11. I'M THE BEST [DIAMOND☆YUKAI]
DIAMOND☆YUKAI (だいあもんどゆかい)

プロフィール

1962年生まれ、東京出身の男性ロックシンガー/俳優。1986年10月にロックバンドRED WARRIORSのボーカルとしてデビューし、一世を風靡。バンド解散後の1990年、「I'M THE BEST(世界の女は俺のもの)」で華々しいソロデビューを飾る。1996年にはディズニー映画「トイストーリー」の日本語版主題歌「君はともだち」を担当。同年、7年ぶりにRED WARRIORSを再結成し、武道館公演を成功させる。1999年から新たな試みであるジャズのスタンダードやカバーなどを織り交ぜたアンプラグド形式のバラードアルバム「Night Life」シリーズを発表。新しい音楽スタイルを模索する一方で、役者としても活動の幅を広げ、映画やオリジナルビデオ、舞台などで活躍。最近ではTVのバラエティ番組にも出演しコミカルな一面も披露している。