安田レイ|弱さもダークサイドもさらけ出す“本当の私”

私は“息フェチ”

──今回、ご自身が作詞・作曲を手がけた楽曲が2曲収録されています。まずは、グッと大人っぽい恋愛模様を描いた「赤信号」ですね。

今までの安田レイとはまるっきり違う世界観を持った楽曲を作りたいというテーマのもと、私が持っていたストックの中から選ばれたのがこの「赤信号」でした。最初はピアノでコードを弾いたものにメロを付けたシンプルな状態だったんですけど、それを横山(裕章)さんにアレンジしていただいて。今までの私には、めちゃめちゃまぶしい昼の光の中、四つ打ちで踊っているイメージがあったと思うけど、この曲はそうではなく、深い夜の都会をイメージした、ちょっとミステリアスでジャジーなサウンドにしてほしいというお願いをしたんです。で、上がってきたアレンジを聴かせていただいたら、まったく想像していたものとは違っていて(笑)。

安田レイ

──確かに仕上がったものは安田さんが求めたイメージとは若干違う感じですけど、すごくいいトラックですよね。ミステリアスな夜の雰囲気はしっかり表現されているし。

そうなんですよ! 最初はビックリしたんですけど、聴けば聴くほど曲にマッチしている深みのあるアレンジだなあって思えるようになったので、「これでいきましょう!」ということになりました。

──アレンジはもちろん、歌詞での表現や歌声にも今までにない安田レイの姿を感じることができますよね。

そうですね。今までの歌詞では出してこなかった自分の姿をこの楽曲には盛り込みたかったんです。なので、友達だった男性と赤信号で止まった車の中でキスをしてしまうっていうシーンを書いてみたりして。ちょっといけない雰囲気というか(笑)。歌に関しては息づかいをすごく大事にして録りましたね。私は“息フェチ”でもあるので(笑)、語尾の息をいかに丁寧に抜いていくかにこだわりました。フェイクもいっぱい入れましたし。ちなみに自分で作った2曲は、セルフディレクションにも挑戦したんです!

──そういった新たなチャレンジもあったわけですね。

はい。今までは玉井さんにやっていただいていたことを自分でやらなきゃいけないので、すごく大変ではあったんですけど、ほんとにいい経験になりましたね。何度かテイクを重ねてみて、「このフレーズはさっきのテイクのものがいいな」「このワードの語尾の感じはあのテイクのものを生かしたほうがいいかも」みたいな感じで細かく歌を組み立てていくことで、すごく納得のいく歌が録れたと思います。

安田レイ

やっぱり歌が好きだな!

──そして、もう1つの自作曲が「Re:I」。ここでは先ほどからおっしゃっているご自身の中にある弱さを思い切りさらけ出したうえで、未来に向けた決意が歌われています。

2019年の私は本当にヘロヘロだったんです。12歳のときからこの世界にいるけど、応援してくれているみんなに何を返せているんだろう、何もできていないんじゃないかなとすごく思うようになっていて。本気で悩んでいる時期があったんです。

──歌詞には「Do you still need me?」というフレーズがありますが、自分が必要とされているかどうかもわからなくなってしまっていたと。

まさにそうですね。しかも、私は見栄っ張りで強がりだから、それを誰にも相談できずにいたんです。でもね、そんな私に対して、絶妙なタイミングでファンの方々がSNSを通じて温かい言葉をかけてくださることが何度もあったんですよね。「がんばることとムリすることは違うんだよ」という言葉をいただいて、ハッとさせられたりとか。そうやっていろいろな方に背中を押していただいた結果、ファンの皆さんに向けた曲を書くことができたんです。途中、「レイちゃん、歌詞が暗すぎるよ」とスタッフに言われて何度も書き直しましたけど(笑)、今の私は前を向いているよ、まだまだ終わらないからねという気持ちをしっかり曲に込めることができたなと思っています。

安田レイ

──今後の安田さんにとっても大きな意味を持つであろう、重要な曲になりましたね。

そうですね。この曲はトラックを先にいただいてから、メロと歌詞を付けたんです。今までずっとやりたかった作り方に初めて挑戦することができたという点でも、意味のある曲になったと思います。この曲が作れたことで、自分の中のいろんな気持ちを整理することができたので、ここからは今まで以上に強い気持ちで進んでいけそうな気がしています。

──これからは弱さも隠さなくてすむわけですしね。

そうですね(笑)。このアルバムを経て、この先にどんな出会いがあるのかを考えると、今からすごくワクワクしちゃいますね。

──7月には東京と大阪でワンマンライブの開催も予定されています。

楽しみですね! 2月にやったワンマンがめちゃくちゃ楽しくて、「あー、私ってやっぱり歌が好きだな!」って素直に思えたんです。なので、次のライブでもその気持ちのまま、よりパワフルにステージ上で爆発できるようがんばっていこうと思います。1日1日をライブに向けて大切にしていきます!

──ファンへの思いを込めた「Re:I」がライブでどう表現されるかも楽しみ。もしかしたら泣いてしまうんじゃないですかね?

昔、ワンマンで泣いてしまったことがあって、そのときに歌がボロボロになっちゃったんです。だからどれだけ泣きそうになっても、「絶対泣くなよ!」と自分に言い聞かせてがんばろうと思います。やっぱりちゃんと歌って届けることが第一ですからね。

ライブ情報

安田レイ LIVE2020「Re:I」
  • 2020年7月10日(金)東京都 Billboard Live TOKYO
  • 2020年7月12日(日)大阪府 Billboard Live OSAKA
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