NewJeansが6月26、27日に東京・東京ドームで開催した日本初の単独公演「NewJeans Fan Meeting 'Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome'」(参照:ライブレポート「NewJeans、5人で迎えた初東京ドーム公演で9万1200人のBunniesと対面」)の模様が、8月12日18:30よりWOWOWにてオンエアされる。
日本のBunnies(NewJeansファンの呼称)が待ち望んだこの単独公演では、日本デビュー曲「Supernatural」はもちろん、「Hype Boy」や「OMG」など、彼女たちが現時点で発表している全楽曲が披露された。
音楽ナタリーでは、東京ドーム公演でサポートバンドを務めた大樋祐大(Key / SANABAGUN.)、磯貝一樹(G / SANABAGUN.)、新井和輝(B / King Gnu、MILLENNIUM PARADE)、Soy(Dr)にインタビュー。東京ドーム公演から1カ月が経ってもなおあの日の余韻が抜けないという4人にリハーサルの様子やライブ当日のエピソード、HANNIによる「青い珊瑚礁」のカバーをはじめとするライブ初披露となったソロステージの舞台裏についてなど、ざっくばらんに話してもらった。
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取材・文 / 清本千尋
番組情報
WOWOWライブ「NewJeans Fan Meeting 'Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome'」
2024年8月12日(月・振休)18:30~
WOWOWでは、東京ドーム公演の放送を皮切りに、4カ月連続でNewJeansを特集。9月以降はインタビュー特番やミュージックビデオ集をオンエア予定。
初めて会ったときから貫禄があった
──皆さんがこうして集まるのは東京ドーム以来ですか?
大樋祐大(Key / SANABAGUN.) いや、最近バンドメンバーで打ち上げをやったので会ったばかりなんですよ。
磯貝一樹(G / SANABAGUN.) それ以外でもけっこう会っとるね。
新井和輝(B / King Gnu、MILLENNIUM PARADE) うん。終わってからもけっこう集まっています。
──皆さんがNewJeansのバックバンドを務めたのは2023年10月開催の「Coke STUDIO SUPERPOP JAPAN 2023」(参照:NewJeansがKing Gnu新井らとコラボ、ミセスや水カンも熱演繰り広げた「SUPERPOP JAPAN」)でした。5人と初対面したときの印象を聞かせてください。
磯貝 貫禄があるなと思いました。
Soy(Dr) あったねえ。
──NewJeansとしては昨年の「SUMMER SONIC」が日本では初めてのライブで、その次が皆さんと共演した「Coke STUDIO SUPERPOP JAPAN 2023」でした。そしてNewJeansは今年の6月4日に「Coke STUDIO Live with NewJeans, powered by Spotify」という招待制イベント(参照:NewJeans来日!300人のBunniesの目前で新曲披露、旺盛なファンサで大歓声浴びる)に出演しましたが、こちらはオケでのパフォーマンス。バンド編成では「Coke STUDIO SUPERPOP JAPAN 2023」以来ということで、2回連続で皆さんがバンドメンバーを務めています。前回のライブでの手応えはいかがでしたか?
大樋 「SUPERPOP」は相当気合いを入れて臨んで、いい演奏ができたなと思っています。だからこそ今回も呼ばれたのかなと思いますし。
──東京ドーム公演に至るまで、韓国にいるNewJeansチームとはオンラインでやりとりをしながらアレンジを詰めていったんですか?
Soy そうですね。バンドでリハーサルをやるごとに録音して、そのデータを韓国に送ってフィードバックをもらいながらアレンジを詰めていきました。
新井 フィードバックに対して真面目に打ち返して、それにまたフィードバックをもらって……というのを繰り返して、リハーサル当日を迎えました。「SUPERPOP」のときはロック寄りのアレンジもあったんですけど、今回は原曲に忠実に沿ったアレンジが多かったです。
Soy 現場リハーサルまで僕らは演出を知らなかったので、東京ドームに入ってフィードバックをちゃんと理解できたこともあったんですよ。ある種答え合わせのような感じでした。
プレゼント交換で縮まった距離
──東京ドームに入る前にも日本でリハーサルをしていましたよね。
大樋 はい。東京ドームの3日前から本人たちと一緒にリハーサルを重ねました。リハーサル中、メンバーがすごく元気で、こっちまで元気をもらえましたね。
Soy 別のスケジュールを終えてからリハーサルに合流するみたいな相当ハードなスケジュールだったらしいんですけど、5人は本当に元気で。リハーサル会場に着いてすぐ「わー! 広ーい!」ってずっと走り回ってるんですよ(笑)。
大樋 そうそう。「カラオケ行こうー!」ってマイク越しに話していたりね。こんなにずっと歌ってるのにまだ歌いに行くんかい!って(笑)。
──ひさびさにメンバーと会ってどんな印象を受けましたか?
新井 「SUPERPOP」から東京ドームを迎えるまで怒涛の活動だったと思うので、より貫禄を感じました。ステージを重ねるごとに積み上げてきたものがあるんだなと。
Soy そうだね。「SUPERPOP」のときはメンバーの真後ろで演奏してたんですけど、今回は離れた位置にあるステージでのパフォーマンスだったこともあり、3日間リハーサルをやっていたといっても会場に入るまではメンバーと一緒にやっている感覚が薄かったんですよ。ドームに入ってから物理的にも精神的にも距離が近付きました。
──新井さんはリハーサルの合間にメンバーとJ-WAVE「SPARK」の収録をしていましたよね(参照:King Gnu新井和輝がNewJeansを直撃取材、東京ドーム公演本番直前の座談会をオンエア)。
新井 あれはリハの初日だったので、遠い距離感のままのインタビューだったんです。放送されなかったパートで、メンバーからたこ焼きを食べたいみたいな話があって、東京ドーム当日にたこ焼きを差し入れしたんです。そしたらNewJeansの皆さんも自分たちで選んでくれたプレゼントを僕らに用意してくれていて。驚いたんですけど、そこで俺らの緊張も一気に解けました。
Soy このプレゼントのやりとり、実は「SUPERPOP」のときから始まっていて。HANNIさんの誕生日が近かったので、僕らからメンバー全員にプレゼントをあげたんです。それで今回は東京ドーム当日にメンバーが僕たちの楽屋に挨拶しに行きたいと話してくれたみたいで、「今回もよろしくお願いしまーす」ってサプライズでプレゼントをもらったという。
新井 僕らのことを気遣ってくれてるんだってうれしくなったよね。
Soy うん。それで僕らはたこ焼きの差し入れだけじゃ足りないと思って、翌日にまたちょっとしたプレゼントを贈ったんですけど、さらにそこで日本デビューシングルにサインを入れたものをもらってしまって(笑)。そこでまたグッと距離感が縮まって、いい雰囲気で本番を迎えられた感じがありました。
バンドメンバーがお気に入りのアレンジは?
──ここから本番の話を聞いていこうかと思うのですが、単独公演でDJタイムを挟んでライブが始まるという構成は、なかなかほかのアーティストでは見ない珍しいスタイルでしたよね。
Soy そうそう。オープニングDJ後の5人での「Attention」! あれは演奏している僕らも感動しましたね。
磯貝 イヤモニを着けていても歓声がすごく聞こえて、Bunniesの期待値が高まったところで始まった感じがあったよね。原曲リスペクトのアレンジもあの雰囲気にすごく合っていたと思う。
Soy 今回は全体的に原曲に忠実なアレンジが多かったけど、特に「Attention」と「Cookie」はリスペクトを込めてアレンジしたよね。もちろん俺らのエッセンスも入れつつだけど。
新井 「SUPERPOP」のときの「Cookie」はちょっとロック系のアレンジだったけど、今回は1990年代、2000年代のR&Bテイストにして。
磯貝 サビはちょっとファンキーにしてみたりね。
新井 そうそう。「Cookie」は僕らが提案したアレンジが特に色濃く反映されていると思うので、WOWOWの放送でじっくり聴いてもらえたらバンドとしてはうれしいです。
Soy 振り返るとさ、全体的にフィードバックに対して、かなり綿密に話し合いながらアプローチを考えたよね。バックバンドってアレンジャーが考えたものを忠実に再現することが多いんですけど、NewJeansの現場ではしっかりラリーをしてアレンジを作り上げていくので、いわば共作なんです。
磯貝 あと「Cool With You」もいいアレンジができたと思ってる。
Soy 「Cool With You」は原曲をリスペクトしつつ、どうバンドサウンドに落とし込むかが難しかったね。ドラムが出すぎるとうるさくなっちゃうけど疾走感は出したい。じゃあどうしようかとけっこう話し合って、最終的にエモいアレンジになって。このアレンジは自分たちでしっかりビルドアップしていったものが採用されたのでかなり気に入ってます。
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メンバーの意見も反映したソロステージ