宮野真守×WOWOW特集|エンターテイナーとして駆け抜けた17年のライブヒストリー (2/2)

ステージに出る前はガチガチに震えて

──「VACATIONING!」では、ラグジュアリーなリゾートの映像から始まり、一緒に素敵な休日を過ごすというコンセプトでライブが展開されました。このツアーを終えての手応えはいかがでしたか?

それこそ、17年の中で一番の出がらし状態になったのが「DRESSING!」のあとでした。めちゃくちゃ悩んだ結果、そういうときこそ自分自身の原点に立ち返って、改めてプレイする、演じることをテーマにしてみようと思ったんです。そこから、マンションを舞台にいろんな世界観を表現したら面白いんじゃないか?という提案をスタッフからもらったのですが、「DRESSING!」でニューヨークに行ったり豪華なステージをやったあとなのに、次はマンションでいいのか?という疑問が出ちゃって(笑)。さらに悩んで、リゾートホテルだ!と思いついたんです。今のリゾートホテルって複合施設として素晴らしいですし、ラグジュアリー感やスケール感も出せるじゃないですか。「じゃあみんなと一緒にリゾートで楽しむツアーにしよう」「リゾートなら、冬のライブだけど冬にこだわらなくていいじゃん!」と逆算でいろいろアイデアが生まれてきて。冬なのに短パンで出てきたら面白いよね? 冬にこそみんなハワイ行くでしょ?みたいな発想から生まれたのが冒頭のビジュアルです。だから、オープニングの見せ方が僕の中では一番重要でした。冬にこんな格好でライブする人いないでしょ?みたいなサプライズになれば面白いかなって。

──まさにインパクト絶大で、一気に会場の空気が真夏になりましたね。いざ短パンという軽装でステージに立ってみてどうでした?

いつも衣装を着飾って出てくることが多いから、不思議な感じでした。スースーする!って(笑)。でも、みんなもきっと予想外だっただろうし、初出しのときからかなり盛り上がってくれたのでよかったです。常夏の南国というコンセプトの影響か、「1曲目から笑顔が印象的だった」とか、「ラフで柔らかい空気から始まったね」とファンの方から言われることも多くて新鮮でした。実際、ステージに出るまではガチガチに震えていましたけどね。寒くて(笑)。ステージ裏はめっちゃ寒いんですよ。

──(笑)。中盤では赤いセットアップスーツ、後半はスパンコールのデニムスタイルと、衣装の変化も見どころでした。

最初に考えたリゾートホテルの複合施設みたいなところは、世界中のいろいろなイメージが合わさった場所と捉えてもいいのかな?ということで。それに紐付いた衣装でうまく表現できたんじゃないかと思います。あと、ライブの準備と並行してアルバム制作を進めるうえで、styさんが書いてくれた「Mirror」という曲に、マルチな自分の顔を見せていく、というメッセージが込められたんですよね。その制作過程で新たなビジュアルイメージがどんどん生まれてきて、ライブも2部構成にしようと思ったんです。前半はラグジュアリーなバカンスで、後半はアルバム「FACE」をイメージして「Mirror」を軸にした演出で、という方向性で考えていきました。

宮野真守

「何か思いつけ! 頼むぞ宮野!」

──楽曲面では、「DRESSING」がトロピカルリミックスバージョンになっていたり、「Apollo」や「繭」がジャズアレンジになったり、このツアーならではのアレンジも印象的でした。

限定のアレンジは、これまでのライブで一番盛り込んでいますね。今まではアコースティックコーナーでアレンジを変えるくらいだったんですけど、今回は細かいアレンジ変更をいろいろやっていました。例えば前半では「DRESSING」だけじゃなく「SUPER★SOUL」「BREAK IT!」など、ほとんどの曲でトロピカルな音を入れているんです。リハでメンバーと話しながら、「ちょっと南国のイメージに変えてもいいんじゃない?」とセッションしながら作っていきました。「Apollo」や「繭」のリアレンジもリハで話し合いながら作っていったので、面白かったですね。やっぱりこれがずっと一緒にやってきたバンドメンバーとの経験値であり、絆なんだなと思いました。よく聴いたらいつもと違う音を使っていたり、ライブ当日には気付かなかったこともあるだろうから、そういう部分に注目して改めて観ていただくと面白いと思います。

──ほかにも、改めて注目してほしいポイントはありますか?

自分たちの中でのちょっとした定番をなくしてみる、というチャレンジもしていて。例えば「Kiss×Kiss」はこれまでなんとなくピンクがテーマカラーになっていたけれど、今回はライムな「Kiss×Kiss」ですごくかわいいんですよ。あと、僕自身どういうふうになっているか楽しみなのがドローンの映像。いつも映像収録の演出は監督がいろいろアイデアを出して考えてくれるので、自分が作ったライブを違う角度から新鮮に観られる感覚がありますね。

──ライブ映像はほぼノーカットで収録されていますが、MCや長いコール&レスポンス、最後の締めのちょっとグダグダになるところなども含めて宮野さんのライブでは欠かせない要素ですよね。

横浜アリーナの2日目は、頭の片隅に「収録」という意識があったから短めにしたつもりなんですよ。1日目のほうが酷かった(笑)。でも、2日目もけっこう自由にやっちゃってた気がするので、ノーカットで放送・配信されるということに対して戦々恐々としています(笑)。

──(笑)。チームマモの皆さんとの絡みなど、すごく楽しそうな笑顔がたくさん見られるのは注目ポイントのひとつですよ。

裏を明かすと、楽しそうにしているコール&レスポンスですら、実は何を言うのかはセンターステージに行く道のりで都度考えているんですよ。準備していくとつまらないから。本当にあの場に立って何が頭に降ってくるかにかかっているので、自分との闘いなんです。最後の大かき回しのときも、しゃがんでいる間に「何か思いつけ! 頼むぞ宮野!」って必死(笑)。

──チームマモへのムチャぶりも、本当にその場の思いつきで投げているんですか?

そうです。リハの最初のほうでふざけてやっていたことを、みんなが忘れた頃にステージ上でやったり(笑)。予定調和が好きじゃないから、事前には伝えずにやっています。それを許容してくれるサポートメンバーの優しさのおかげですね。

──ライブがすべて終わったあとに1人残って、お客さんに手を振りながら声をかけるシーンも印象的でした。ステージを降りるまでの時間は、名残惜しい気持ちなんですか?

実は、あのときが一番楽しいのかもしれないな。みんなと思いを共有するだけのあの時間が一番幸せです。全部やり切ってなんのプレッシャーもないから、宮野のためのご褒美タイムだと思っていただけたらうれしいです。

──ファンサービスかと思いきや……。

自分のためだったという(笑)。手を振りながら思うんですよ。ああ、これだけたくさんの人が宮野のことを好きで集まってくれたんだなあって。1万人以上がベクトルを全部宮野に向けてくれている瞬間じゃないですか。こんなことあるんだな、こんなにありがたいことはないなって噛み締めているんですよ。みんなピッカピカの笑顔だし、すごく幸せな時間です。

宮野真守

放送だからこそ味わえる感覚

──さらに、4月には「宮野真守 MUSIC VIDEO COMPLETE」として歴代のミュージックビデオ全43曲の一挙放送もあります。こちらはどういうふうに楽しんでほしいですか?

僕、やっぱり「放送」って好きなんですよ。YouTubeとかで選んで観るのと、放送されているものを観るのは全然違いますよね。自分で選ぼうとするとどこかで記憶が邪魔して「これは観たことあるからいいや」って飛ばしたりしてしまうけど、たまたま観て新たな発見があったり、「あ、これ観たかったやつだ」と気付いたりするのは、放送じゃないと味わえない感覚だと思う。僕はそういうふうに出会いたいタイプだから、いまだにテレビのザッピングも好きなんです。

──しかも時系列順に流れるので、宮野さんの歴史をたどることにもなります。

確かに。最初から順を追って観られるのはすごいですね。自分でもそんな見方はしないもんなあ。表現の幅も広がっているだろうし、顔つきも変わっているだろうし、その変化はぜひ見てほしい。MVを並べただけでも3時間以上あるので、「鬼滅の刃」か「国宝」かっていう(笑)。どうかお付き合いください。ライブ、MVの特集以外にも、WOWOWで「マモ祭り」を開催してくださるということで、すべてのジャンルを網羅していますからね。アーティストとしても、実写映画も、アニメや洋画の吹替もあって、まさに五刀流を楽しんでいただける。「国宝」じゃないですけど、僕も“死ぬる覚悟”でやってますから。それを感じてもらえたらうれしいです。

宮野真守

キャンペーン情報

WOWOW加入者限定。番組収録・取材時に撮り下ろした宮野真守本人直筆サイン入りチェキを、抽選で合計3名様にプレゼント
応募締め切り:2026年5月1日(金)23:59まで

プロフィール

宮野真守(ミヤノマモル)

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、アーティスト。2001年に海外ドラマ「私はケイトリン」の吹き替えで声優デビュー。近年では「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」「キン肉マン 完璧超人始祖編」などの注目作で主演を務める。劇場版、アニメのみならず、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズや「トップガン マーヴェリック」など多くの実写作品で吹き替えも行っている。俳優としては劇団☆新感線の「アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~」の主演・アケチコ五郎役や、ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」のディオ・ブランドー役を務めるほか、テレビドラマや映画にも出演する。アーティストとしては2008年にシングル「Discovery」でキングレコードよりデビューし、20作を超えるシングル、8枚のオリジナルアルバムをリリース。2025年11月から2月にかけて、海外公演を含むライブツアー「MAMORU MIYANO ASIA LIVE TOUR 2025-2026 ~VACATIONING!~」を開催した。