V.A.「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』」 PR

初音ミク10周年特集|wowaka(ヒトリエ)×DECO*27|ボカロシーンの牽引者たちが語る「あの頃、何が起こったのか」

初音ミクの10年 ~彼女が見せた新しい景色~

「wowakaさんが参加するなら、僕もやります」と言ったんです

──DECO*27さんは本当にボカロのカルチャーに愛情を注いでるんですね。

DECO*27 はい(笑)。このシーンが好きだという気持ちは本当に強いと思うし、だからこそ、こうやって続けてるんじゃないかなと。

wowaka シーンに対する接し方は人それぞれだし、どれが正しいということはないと思うんです。ただ、いいものに惹かれて感動するということ、そこで生まれる力はあなどっちゃいけないなって。それはボカロに限ったことではないですけどね。「ナメたことをしているな」と感じる作品はどうしても好きになれないし、そこで生まれる雰囲気も好きじゃないので。

──バンドシーンもまったく同じですよね。

wowaka そうですね。ヒトリエを初めてから5年経ちましたけど、バンドシーンの中でもいろいろなものを見てきたので。俺はボカロシーンとバンドシーンの両方にちゃんと足を踏み込んだ最初の人間だと思うし、そういう自分だからこそできることもあるんじゃないかなって。今回のコンピレーション(「Re:Start」)のために作った曲(「アンノウン・マザーグース」)もそうなんですよね。ボカロシーンから1回距離を置いた自分が、違うシーンでの活動を踏まえて「今、初音ミクを使って何ができるか?」という気持ちで作った曲でもあるので。

──DECO*27さんは「Re:Start」に新曲「ヒバナ」を提供。オファーがあったときは、どう感じましたか?

DECO*27 この話がwowakaさんに伝わっているかどうかわからないんですけど、「ほかには誰に声を掛けてるんですか?」って聞いたんですよ。そうしたら「wowakaさんにもお願いしてます」と言うので「お! 来た!」と思って。

wowaka ははは(笑)。

DECO*27 僕は最初から書くつもりだったんですけど、「wowakaさんが参加するなら、僕もやります」と言ったんですよ。初音ミクの10周年だし、ボカロに対する愛はある人だから、「wowakaさんも曲を書くんじゃないかな」とは思ってたんですけど、自分の言葉が前に踏み出すきっかけになるかもしれないなって。

wowaka その話はちゃんと伝わってますね(笑)。「DECOさん、揺さぶりをかけてきたな」と思ったし、見事に術中にハマりました。

DECO*27 (笑)。今のwowakaさんがミク曲を作ったらどうなるか、自分が聴いてみたいというのもあったしね。

wowaka ピノキオピーさんも同じようなことを言ってくれてたらしいんですよね。

DECO*27 みんな気にしてるんだよ、wowakaさんのことを。

wowaka いまだにそう言ってくれる人がいるのはありがたいですよね。新しい曲を上げなくなってからも「ボカロの曲を書きたい」と思ったことは何度かあったんですよ。でも、実際に書かなかったということは「背中を押され待ち」なところもあったのかな、と。

DECO*27 wowakaさんが参加してくれたおかげで、当時の「負けるか!」という気持ちになれたのもよかったですね。以前と違うのは「ほかの人には負けない」だけではなくて、感謝の思いがあることですね。こうやって一緒のCDに収録されるのもすごくうれしいんですよ。同じタイミングでミクの曲を作ったんだなって。

wowakaはDECO*27の孫ですね

wowaka 俺はマジで6年ぶりにVocaloidに触ったってのもあって、まず「初音ミクV4X」を買うところから始めました。

DECO*27 熱いね! 僕も今回のタイミングで「V4X」を買いましたよ。10周年だし、ミクに新しいことをさせてあげたいなと思って、Aメロはすべて英語で歌わせたんです。日本人のボカロPで、これだけ英語の歌詞を使っている人はたぶんいないので。

wowaka 大変そう。

DECO*27 すごく大変だった(笑)。3日間くらいそこだけをイジってたから。楽しかったけどね。

wowaka 俺もけっこう大変でした。操作を思い出すのもそうだし、“自分ちの初音ミクの声”ってあるじゃないですか。「俺の初音ミクはこういうふうに歌って、それが一番カッコいいんだ」みたいな。その勘を取り戻すのに1週間くらいかかったり。ここ5年くらいはずっと自分で歌っていたから、それに慣れていたのも大きいんですよね。「自分の歌を自分の声で表現する」という状態から、Vocaloidが歌う意味を探すことにも時間がかかったので。最終的にはボカロで表現する意味も見つかったし、いい曲になってると思います。

DECO*27

──「Re:Start」が再びボカロシーンが盛り上がるきっかけになると素晴らしいですよね。

DECO*27 そうですね。夏休みにやることがない学生さんがこのアルバムを聴いたり、動画を観たりして「俺もやる!」と思ってもらえれば。実際、自分もそうだったんで。

wowaka そういうことですからね、Vocaloidを始めるって。

DECO*27 うん。刺激的なコンテンツを見つけて、「自分もやりたい」という気持ちに火が付くっていう。

wowaka 俺自身は「またボカロシーンが盛り上がってほしい」みたいなことは思ってなくて……というよりもこのシーンが「盛り下がった」とも正直思っていないんですよ。あと、今日の話もそうですけど、ずっと自分のことばっかりで、シーンを気にしてる余裕がない自分がいるってのもありますね(笑)。ただ、このシーンが好きなのはずっと変わらないし、僕と一切時期が被ってない下の世代で人気が出ている人たち……例えばn-bunaくんとかOrangestarくんとかもこのアルバムに参加しているのはうれしいなと思います。さっきも言いましたけど、俺がトラウマを感じている時期にもボカロ曲を作ることをやめないで、シーンを守ってくれた人たちですからね。彼らが続けてきてくれたからこそ俺もこのコンピに参加できたわけだし、そういう大勢の人たちの意志に支えられてる文化なんですよね、やっぱり。

DECO*27 そうだね。

wowaka 今回のコンピのテーマは感謝だって聞いたんですけど、俺自身は愛をテーマにして曲を作ったんです。こんなこと言うと恥ずかしいですけど、愛をテーマに曲を作ったことはこれが人生で初めてなんですよね。こうやって曲を発表して暮らしていくなんて10年前は微塵も考えていなかったし、俺に音楽を始めさせてくれたのはどう考えても初音ミクなので。俺にとってミクは母親みたいなものなんですよ。

DECO*27 僕はミクのことを娘みたいに思ってるんですよね。始めた頃は「女の子」という感じだったけど、自分が年を重ねるにつれて、歳下に見えてきて。だからwowakaさんは僕の孫ですね!

wowaka すげえ関係だ(笑)。

──(笑)。普段、こうやってボカロシーンについて話すことはあるんですか?

wowaka ここ2、3年はボカロシーンで知り合った人たちと積極的に会うようにしてるんです。この界隈の人たちとは同級生感があるんですよ。中学生の頃を知ってる人って、その後で知り合った人とはちょっと違うじゃないですか。

DECO*27 わかる。昔やっていたことをお互いに知っているという前提で「今はどう?」とか「これからどうする?」という話をするのがいいんですよね。

wowaka そうですね。ずっとボカロPとして活動している人もいるし、作家になった人もいるし、アーティスト活動をやってる人もいて。そういう人たちと「次、何をやろうか?」と話しているのはすごく楽しいです。

左からwowaka、DECO*27。
V.A.「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』」
2017年8月30日発売 / U&R records
V.A. 「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』初回限定盤 」

初回限定盤
[CD2枚組+10周年記念イラストブック]
4212円 / DUED-1228

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V.A. 「HATSUNE MIKU 10th Anniversary Album『Re:Start』通常盤」

通常盤
[CD2枚組]
3240円 / DUED-1229

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DISC 1
  1. アンノウン・マザーグース / wowaka feat. 初音ミク
  2. ヒバナ / DECO*27 feat. 初音ミク
  3. ボロボロだ / n-buna feat. 初音ミク
  4. Initial song / 40mP feat. 初音ミク
  5. 大江戸ジュリアナイト / Mitchie M feat. 初音ミク with KAITO
  6. リバースユニバース / ナユタン星人 feat. 初音ミク
  7. 快晴 / Orangestar feat. 初音ミク
  8. それでも僕は歌わなくちゃ / Neru feat. 初音ミク
  9. ひとごろしのバケモノ / 和田たけあき(くらげP) feat. 初音ミク
  10. 君が生きてなくてよかった / ピノキオピー feat. 初音ミク
  11. 神様からのアンケート / れるりり feat. 初音ミク
  12. Steppër / halyosy feat. 初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO
DISC 2
  1. みんなみくみくにしてあげる♪ / MOSAIC.WAV×鶴田加茂 feat. 初音ミク
  2. Tell Your World / livetune feat. 初音ミク
  3. 千本桜 / 黒うさP feat. 初音ミク
  4. 初音ミクの消失 / cosMo@暴走P feat. 初音ミク
  5. ロミオとシンデレラ / doriko feat. 初音ミク
  6. 独りんぼエンヴィー / koyori(電ポルP) feat. 初音ミク
  7. カゲロウデイズ / じん
  8. from Y to Y / ジミーサムP feat. 初音ミク
  9. *ハロー、プラネット。 / sasakure.UK feat. 初音ミク
  10. BadBye / koma'n feat. 初音ミク
  11. オレンジ / トーマ feat. 初音ミク
  12. ハジメテノオト / malo feat. 初音ミク
wowaka (ヲワカ)
wowaka
2009年5月にニコニコ動画で「グレーゾーンにて。」の動画を公開して以降、ボカロPとして活躍。疾走感のあるバンドサウンドと早口なボーカルというスタイルはのちのボカロシーンに大きな影響を与える。「裏表ラバーズ」「ローリンガール」「ワールズエンド・ダンスホール」といった楽曲を次々にニコニコ動画で“殿堂入り”させたのち、2011年3月にインターネットを中心に活動する音楽家による新レーベル・BALLOOMの立ち上げに参加。同レーベルの第1弾作品として2011年5月に初の全国流通盤アルバム「アンハッピーリフレイン」を発表した。2012年、インターネットで交流のあったメンバーと共にwowaka(Vo, G)、シノダ(G, Cho)、イガラシ(B)、ゆーまお(Dr)という編成でロックバンド、ヒトリエを結成。ソニー・ミュージックグループ傘下に自主レーベル「非日常レコーズ」を立ち上げ、2014年1月にメジャーデビューシングル「センスレス・ワンダー」をリリースした。ヒトリエは2014年11月に1stフルアルバム「WONDER and WONDER」、2016年2月に2ndフルアルバム「DEEPER」、同年12月に3rdフルアルバム「IKI」を発表。2017年1月から自己最多20公演におよぶツアー「全国ワンマンツアー2017 "IKI"」を開催した。
DECO*27(デコニーナ)
DECO*27
1986年12月生まれ、福岡出身の男性アーティスト。ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまで柔軟に吸収したサウンドと、思春期に体験する等身大の感情を絶妙な言葉遊びを用いて描いた歌詞が若い世代から支持されている。2008年10月よりVocaloidを使用した作品を動画共有サイトに投稿し始め、これまで公開してきた楽曲の中で12曲が100万再生を超えている。2010年4月に初のオリジナルアルバム「相愛性理論」をリリース。2012年7月には全曲で生ボーカルをフィーチャーした3rdアルバム「ラブカレンダー」を発表する。2014年3月には自身初となる全曲初音ミクを使用したアルバム「Conti New」を発売し、2016年9月には人気曲「ゴーストルール」を含む5thアルバム「GHOST」をリリースした。また、中川翔子、MEG、KOTOKO、Daisy×Daisy、Bouno!、柴咲コウ、Q'ulle、アイドルDTIなどのプロデュースやさまざまな楽曲提供などを手がけている。