音楽ナタリー Power Push - ウォルピスカーター
いまだ“建設中” 高音出したい系男子の飽くなき挑戦
独学の成果をボイトレCDに
──アルバムをAmazon.co.jpで購入すると特典として「ボイトレCD」が付属するそうですが、これはどういう音源なんでしょうか?
ひたすら僕がしゃべってるだけのCDですね(笑)。僕がどういうふうに声を出しているのか、歌い方や録音の仕方を話しています。スタッフさんには「10分くらいでお願いします」って言われていたんですけど、いざ録音してみたら40分ぐらいの長さになっちゃって。
──高音を出すためのノウハウが詰められているんですね。
独学ではありますが、いろいろ研究して高音に挑戦してきましたから。日頃「どうやって高音を出すんですか?」「どうやって録音してますか?」みたいなメールを多くいただくんですよ。個別には対応しきれないから、自分が身に付けた感覚をなるべくわかりやすく伝えようと思って、今回のボイトレCDを作りました。
歌い切れないからライブは出ません
──ウォルピスさんのTwitterアカウントの自己紹介文には「ライブ 出ません」と書かれています。実際ライブ活動は現在していませんし、今後もするつもりはないんでしょうか?
実は動画投稿をし始めた頃に2、3回ライブに出たこともあるんですけど、もう無理だなと思って辞めたんです。
──何が無理だったんですか?
高いキーの曲に挑戦することが多いから、まだまだスタミナ面で問題が……。それこそ動画は何日もかけてレコーディングしてますから、ステージ上で1曲通して歌うなんて……。
──ファンから「ライブしてください」と言われる機会は多いんじゃないですか?
そうなんですよ。だからもう変に濁さず「歌い切れないからダメです」って答えるようにしています(笑)。
“高音系男子”まで7年ぐらい
──アルバムが完成して、書き下ろし曲もボカロ曲のカバーも歌いこなしたわけですが、ウォルピスさんはまだ“高音系男子”にはなれていないんですか?
まだ“高音出したい系男子”ですね。やっぱりライブで歌い切れてこそ、“高音系男子”になれると思うので。
──ライブに出ることを断ってはいても、越えなければいけない壁であるとは感じているんですね。
そうですね。おそらくあと7年ぐらいかかると思うんですけど(笑)。ライブを断ってる今の状態って、自分でも不安なんですよ。レーベルの方もかなり不安だと思いますが……。だから今はどうにか違う方法で勝負していかなければいけないなと思ってはいるんです。
──違う方法というのは?
しゃべることが大好きなのでラジオの仕事がほしいなと思ってるんです。そのほか声を使った仕事、声優のような演技っぽい発声とかにも興味があるんですよね。今年は歌唱だけじゃなくて、そういう仕事もできたらいいなと思ってます。
- 1stアルバム「ウォルピス社の提供でお送りします。」 / 2016年1月27日発売 / 2376円 / Subcul-rise Record / SCGA-00043
- 「ウォルピス社の提供でお送りします。」
- Amazon限定盤 ボイトレCD&アクリルストラップ付 [CD2枚組]
- 通常盤 [CD]
収録曲
- CANDiES
[作詞・作曲:鬱P] - マダラカルト
[作詞・作曲:トーマ] - ダンスダンスデカダンス
[作詞・作曲:カラスヤサボウ] - 例えば、今此処に置かれた花に
[作詞・作曲:164] - 7th
[作詞・作曲:Last Note.] - ミルククラウン・オン・ソーネチカ
[作詞・作曲:ユジー] - ワンルーム・オール・ザット・ジャズ
[作詞・作曲:DATEKEN] - last will
[作詞・作曲:doriko ] - 精神崩壊シンドローム
[作詞・作曲:こがねむし] - 夜明けと蛍
[作詞・作曲:n-buna] - 時ノ雨、最終戦争
[作詞・作曲:Orangestar] - アスノヨゾラ哨戒班
[作詞・作曲:Orangestar]
ウォルピスカーター
ニコニコ動画を中心に活動する男性ボーカリスト。“高音出したい系男子”の異名を持つ。2012年の初投稿以来、ニコニコ動画に“歌ってみた”動画を多数公開している。2015年4月に投稿した「アスノヨゾラ哨戒班」(Orangestar)の歌唱動画が220万再生を記録し、その知名度を一気に広めた。2016年1月、1stアルバム「ウォルピス社の提供でお送りします。」をリリースした。