アイナ・ジ・エンド&松隈ケンタ meet WALKMAN®|進化するウォークマン®を有線&無線ヘッドホンで徹底レビュー

アイナ・ジ・エンド(BiSH)×松隈ケンタ(SCRAMBLES)インタビュー

手軽な実力派A100シリーズ、バランス接続可能なハイエンドZX500シリーズ

──ウォークマン®のラインナップのうち、今回お二人に使用していただいたミドルクラスのNW-A105、ハイエンドのNW-ZX507は共に「DSEE HX」(*2)が内蔵されています。「DSEE HX」(*2)は、膨大な楽曲データを学習しているAI(人工知能)技術により、リアルタイムに楽曲の情景を分析し、最適にハイレゾ級(*1)高音質にアップスケーリングする技術で、これは有線ヘッドホンでのみ使用できる機能です。

(*1)有線接続:「DSEE HX」ON時(最大192kHz / 32bitまで拡張)。無線(Bluetooth®)接続:対応ヘッドホンの「DSEE HX」または「DSEE Extreme」ON時(最大96kHz/24bitまで拡張)。
(*2)10月1日の本体アップデートにより、「DSEE HX」は「DSEE Ultimate」にアップデートされます。

アイナ・ジ・エンド(BiSH) へー! そんな機能があるんですね。スマホで聴くのとは全然違うってことがわかりました。普段はスマホで音楽を再生することが多いんですけど、事前に試させていただいて、再生機器によってここまで音が変わるということに驚きました。

左からアイナ・ジ・エンド(BiSH)、松隈ケンタ(SCRAMBLES)。

──ハイエンドストリーミングウォークマン®の「NW-ZX507」は通常の3.5mmステレオポートに加え、4.4mmバランスケーブルのポートが用意されています。まずNW-A105とNW-ZX507のウォークマン®2機種の比較を、ソニーの最高峰Signature Seriesのインイヤーイヤホン「IER-Z1R」、ステージモニター(イヤモニ)という位置付けの「IER-M7」で試していただければと思います。

NW-ZX500シリーズ
NW-ZX500シリーズ
価格
オープンプライス
容量
64GB *実使用可能領域は約48.64GB
OS
Android 9.0
対応フォーマット
MP3 / WMA / FLAC / WAV / AAC / HE-AAC / Apple Lossless / AIFF / DSD / APE / MQA
ディスプレイ
3.6型、HD(1280×720ドット)
Bluetooth®対応コーデック
SBC / AAC / LDAC / aptX / aptX HD
外形寸法
約57.9(幅)×
約122.6(高さ)×
約14.8(奥行)mm
質量
約164g

*4.4mmバランス / 3.5mmステレオ出力ポートあり

IER-Z1R
IER-Z1R
価格
オープンプライス
形式
密閉ハイブリッド型
ドライバーユニット
ハイブリッド(12mmダイナミックドライバー、BAドライバー、5mmダイナミックドライバー)
質量
約26g(ケーブル含まず)
IER-M7
IER-M7
価格
オープンプライス
形式
密閉クワッド・バランスド・アーマチュア
ドライバーユニット
クワッド・バランスド・アーマチュア
質量
約9g

──IER-Z1Rは低~中高音域のダイナミック型、高音域のBA(バランスド・アーマチュア)型、さらに超高音域に5mmのダイナミック型という3つのドライバーが内蔵されたハイブリッドドライバー型です。利点としては、高域の再現にはダイナミックが適していて、BAは音の立ち上がりがいいため、より音に忠実でレスポンスのよいイヤホンになっているそうです。また本体の周りにジルコニウムという硬い金属が使われている点もポイントです。

左からアイナ・ジ・エンド(BiSH)、松隈ケンタ(SCRAMBLES)。

松隈ケンタ 耳の周りの金属が硬いっていうのは、すごくよさそう。素材が柔らかくて無駄な振動が混じると音に影響が出てしまうので。IER-Z1Rは付属ケーブルもすごくいい感じです。

──アイナさんにはウォークマン®NW-ZX507をベースに、イヤホンIER-Z1RとIER-M7をそれぞれ組み合わせて試していただきましたが、聴いた印象は?

アイナ どちらもベースラインがめっちゃ聞こえてきました。BiSHの「summertime」のベース、どう弾いてるか知らなかったんですよ。

松隈 今知った?

アイナ 今知りました(笑)。これで聴いたら楽器になじみのない人でもベースの存在感を無意識に感じられると思います。あとはSUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)さんとご一緒させていた「光の涯」という曲も聴いてみたら、自分の声があまりにリアルで恥ずかしくなりました(笑)。

──普段聴かれてる機器とも違う聞こえ方ですか?

アイナ 普段聴いてる環境より何倍もよく聞こえます。音の幅が違うような気がして。あと少し太めのケーブル(4.4mmバランス)でつなぐとよりリアルな感じがしました。

松隈 僕もNW-ZX507とIER-Z1Rの組み合わせで聴かせてください。じゃあアイナ・ジ・エンドのソロを。

アイナ え!(笑)

松隈 「死にたい夜にかぎって」、いい歌だね。これアイナが作詞作曲したんやろ?

アイナ はい……。

松隈 僕、アイナのソロに関してはプロデュースしてないんで、今初めて聴いた(笑)。もっと絶望的な歌かと思ってたらいい歌じゃん。

アイナ 初めて聴いたんですか!(笑) ありがとうございます。こうやって電車でウォークマン®を持っている人を見かけたらうれしいですね。音楽好きなんだなってすぐわかるから。

左からアイナ・ジ・エンド(BiSH)、松隈ケンタ(SCRAMBLES)。

──NW-A105とNW-ZX507の違いは感じましたか?

松隈 はっきり違いがありますね。NW-ZX507だとリバーブ感がくっきり出てました。やっぱり奥行きの話にはなるんですけど、リバーブの輪郭までしっかり聞こえるっていうのと、レンジがNW-A105より広いですね。正直、自分の音楽を聴くだけだとわからなかった部分もあったんですよ、僕の作る曲はスマホで聴いてもカッコよく聞こえるように作ろうっていうテーマがあるので、音自体がそんなにリッチじゃないというか。だから違う人の作った曲で聴き比べたらわかりました。

アイナ おお。

松隈 本当に率直な意見ですけど、僕の音楽はNW-A105のほうがしっくりきました。で、アイナのソロ曲はNW-ZX507のほうがすごくよかった。アイナのソロは僕がプロデュースしていないから、ハイエンドのウォークマン®のほうがよりよさがわかるね。僕が手がける曲のほうはハイエンドではないほうが合ってたなって(笑)。

ハイレゾ高音質をストリーミングでも味わえる

──本体の質量で音質が変わるという話もあります。最高級のウォークマン®「NW-WM1Z」だと重さが約455gと、A105に比べて4倍以上の重さになります。

松隈 同じウォークマン®でもいろんなラインナップがあっていいですね。僕はミドルクラスのNW-A105でBiSHを聴いたときでも「お! いい歌やん!」って思いました(笑)。僕は音楽を作るのは趣味みたいなものなんですけど、実は普段あんまり音楽を聴くことがないんです。でも今回ウォークマン®を試してみて、もっと音楽を聴いてみようと思いました。「あ、Spotifyとか聴いてみよう!」って。

アイナ・ジ・エンド(BiSH)

アイナ 音楽を聴くのが楽しくなりますよね。

松隈 そうそう。あとウォークマン®なのにYouTubeとかも観れるんですよね。

アイナ YouTubeの音もスマホとは変わってくるんですか?

──ウォークマン®のフルデジタルアンプ「S-Master HX」(有線接続時のみ有効)と、先ほど話題に挙がった「DSEE HX」(*2)が機能するので、YouTubeに関してもクリアに聞こえます。また高音質ストリーミングサービス「mora qualitas」を使えばハイレゾ音源をダウンロードせず、ストリーミングでも高音質で聴くことができます。

(*2)10月1日の本体アップデートにより、「DSEE HX」は「DSEE Ultimate」にアップデートされます。

松隈 なるほどなー。これはいいですねえ。ちなみにmoraの配信楽曲は、それこそ網羅されてるんですか?

──ハイレゾ音源が楽しめる「mora qualitas」では現時点でハイレゾを含む約650万曲が配信されていて、もちろんBiSHの楽曲もラインナップされています。

松隈 ハイレゾのほうでもそんなにあるんですね。「THE GUERRiLLA BiSH」も聴かせてもらったんですけど、ストリーミングでこの音質というのはいいですね。容量をあまり気にしないでいいから。

アイナ 「しゃ!!は!!ぬあ!!あぁ。死!!いてぇ。」(2018年発表のシングル「Life is beautiful / HiDE the BLUE」カップリング)で、リンリンがずっと「オイ! オイ!」ってシャウトしてるパートがあって、同じ音程で繰り返してるのかと思ってたんです。でも全部微妙に違うシャウトなんですね。普通のストリーミング音源だと、たぶんファンの方も気付かないかも。

松隈ケンタ(SCRAMBLES)

松隈 今回、いろいろ試したらそういう発見がいっぱいあって、脅威を感じてますね(笑)。こんなにクリアに再生できてしまうとは……。

アイナ びっくりですよ。しかもライブを観ているようなほどよい緊張感があって。いい音に包み込まれながら、「わー、楽しい!」ってゾクゾクできる感覚もあるし。

──NW-A105の重さや操作性などはどうですか?

アイナ 手に持ったときのフィット感もいいですね。画面を操作したときのレスポンスもスマホ感覚でよかったです。液晶も大きくて綺麗だし、うちの両親も使いやすそうな感じがします(笑)。

松隈 確かにもっさりした感じはなかったし、Androidならではの機能もあっていいですね。

ウォークマンの進化

──現在のウォークマン®は大画面かつ多機能なポータブルオーディオプレーヤーに進化しました。2013年にハイレゾ対応のウォークマン®が登場してからは、音質面でも機能面でも進化を遂げています。ちなみにお二人は過去にウォークマン®を使っていましたか?

アイナ 学生の頃、パソコンから音楽を取り込むタイプのウォークマン®をパパが買ってくれて、ずっとそれで音楽を聴いてました。

松隈ケンタ(SCRAMBLES)

松隈 僕はウォークマン®はこれまで1回くらいしか使ったことないと思ってたんですけど、過去に使ってたポータブルオーディオプレイヤー、すべてソニーでした(笑)。あとウォークマン®とは違うソニーのテープレコーダーがあって、家で長らく眠っていたんですけど、僕が高校1年のときに初めて曲を作ろうと思ったときに貸してもらって。それで曲作りをしてたことも思い出しました。

──進化したウォークマン®でどんな音楽を聴いてみたいと思いましたか?

松隈 僕がウォークマン®で音楽を聴くとしたら、オーケストラとかブラスが入った映画音楽を聴きたいです。ロックバンドのサウンドは4、5人で鳴らしてるし、EDMは打ち込みだけでできてる音楽がほとんどだけど、もっとビッグバンド系の音楽だったり、演者の方々の息づかいが感じられるようなものを聴きたいです。

アイナ 私はノラ・ジョーンズとかのゆったりした曲がいいな。ボーカリストの声をじっくり聴きたいです。自分たちの曲を聴くとクリアに聴こえる分、歌に対するハードルが上がる感じがします(笑)。


2021年2月24日更新