音楽ナタリー PowerPush - VAMPS

新たな刺激と確固たる経験が生み出した“新章第1弾”

本当はどれか1枚だけでいい

──VAMPSとしてのこだわりという点では、今作のアートワークもかなり凝った作風ですね。3仕様のジャケットを縦に並べると1枚の大きな絵になるというアイデアも面白いですし。今回はRockin' Jelly Beanさんが描くイラストをHYDEさんが好きだったことから、このコラボが実現したそうですね(参照:VAMPS、HYDEラブコール実ったジャケ誕生)。

HYDE 僕はずっと外国の方だと思っていて、最初はあんまり接点はないかなと感じてたんです。でもそのうちにいろんなブランドとコラボし始めたのを見て、うちのバンドのコンセプトにもピッタリだしぜひお願いしようと。で、まず曲の雰囲気からこういう女の子がいいなってことで……「(宇宙海賊)キャプテンハーロック」のクイーン・エメラルダスってわかります? そんな感じがいいなと、イメージを伝えました。それから3枚のジャケットを合わせて1枚の絵になるというのは、実は昔からVAMPSではよくやってることで。今回はそれをもっともわかりやすいやり方で試したんです。

──店頭で縦に3枚並べてあったら、思わず手に取りたくなりますよね。

HYDE もしファンの子たちが3枚買ったなら買ったなりの喜びがあってほしいなと思っているので、そこは意識してこういう遊びを用意してます。

──特にここ数年CDが売れないと言われる状況下、こういう工夫って大事だと思うんです。

HYDE とはいえ、これはあくまでマニア向けなんで。本当はどれか1枚だけでいいんですよ、僕的には。どの仕様を買っても確実に表題の2曲は入ってるわけだから。

いろんな場所でVAMPSの曲を耳にできる状況を作ろうと

──そう言えば今作には、カップリングにそれぞれ異なるダンスリミックスが収録されています。VAMPSでこういったダンスリミックスは今まで発表していなかったと記憶してますが、なぜこのタイミングで挑戦してみようと思ったんですか?

HYDE あんまりアピールしてないだけで、実はこれまでもさりげなくいろんな人に作ってもらってるんですよ。

K.A.Z いろんな角度からVAMPSを知ってもらいたいですし。もしかしたらクラブでこのリミックスが流れていたら、そこからVAMPSを知る人がいるかもしれないし。

──ロックというスタイルにこだわらずに、まずはメロディや楽曲のよさを気に入ってもらってからVAMPSに入ってもらえばいいと?

HYDE ロックというのが今は多様化していて、逆に以前の価値観で言うところのロックが今ではロックじゃなかったりすることもあるので。そういう意味ではクラブで流れる音楽がロックと言えるかもしれないし。だったら僕たちの世界観を知ってもらうために、いろんな場所でVAMPSの曲を耳にできる状況を作ろうと。きっと僕らみたいにロックもダンスミュージックも聴く人もたくさんいるだろうから、そういう意味ではいい効果があるんじゃないかなと思ってます。

──今回のリミックスを聴いて思ったんですが、お2人がガチガチに作り込んだ楽曲を一度バラバラに崩して、それから再構築している印象があります。リミキサーの方々にオファーする際には、こうしてほしいといった注文を出すんですか?

K.A.Z 基本的にはリミックスする人のテイストに任せてます。リミックスってそのアーティストが曲をどう消化するかが魅力なので、やっぱりその人の解釈があると思いますし。

HYDE 例えば作曲家として「この曲では掛け合いの部分をタイミングよく入れたほうがファンは喜ぶ」という思いもあるじゃないですか。そういうときは注文するようにしてます。

──じゃあ、お2人は上がってくるリミックスを楽しみに待つ立場なんですね。

HYDE そうですね。どちらかと言うとリスナーとして楽しむ感じです。

ニューアルバムは「今これからがスパートのとき」

──今回のシングル発売を機に、VAMPSの活動は2014年後半からさらに活発化していきます。11月からは恒例の籠城型Zeppツアーも決まりましたし(参照:VAMPS籠城型ライブ、5都市で計27DAYS)、秋に公開される映画「ドラキュラZERO」の日本版テーマソングに新曲「VAMPIRE'S LOVE」も提供しました(参照:VAMPS×ドラキュラ映画!強力コラボ実現へ)。昨年のインタビューでHYDEさんは「今回のシングル(『AHEAD / REPLAY』)はまだ、新たなステージへの序章なのかな。だから新しいアルバムを引っさげた来年は、自分たちにとってより重要な年になるんじゃないかなと思ってます」と言ってましたが、ファンとしてはやはりニューアルバムの制作状況が気になるわけです。

HYDE ですよね。まあなんとかね、2020年のオリンピックイヤーまでには間に合わせようと思ってるんですが……冗談はさておき(笑)、なんとか11月のツアーまでには間に合わせたいなという気持ちでがんばってます。

──現時点で言える範囲でいいので、次のアルバムの方向性や作風についてヒントをいただけませんか?

HYDE そうですね……今年に入ってからの8カ月をほぼ制作に費やして棒に振りましたからね。それなりのものができないと自分たちも納得できないですし、ファンのみんなには待たせたぶん、いいものを確実に返したいと思うし。

K.A.Z 今までの制作の中で一番時間がかかってるかもしれないですね。あともうちょっと、今これからがスパートのときなので、なんとか間に合わせたいと思います。

──ツアーが始まる前にいくつかイベント出演もあるかと思いますが、そういった場面でアルバムの新曲を耳にすることができるでしょうか?

HYDE ああ、なるほど……それは……どうですかねえ? まずは今回の「GET AWAY」と「THE JOLLY ROGER」を浸透させなきゃいけないので、もうちょっとお預けかな。やっぱり徐々に攻めていくっていうのがセックスの基本だと、K.A.Zくんも言ってるんで(笑)。

K.A.Z (笑)。

HYDE そういうところもね、見習っていきたいなと。ちゃんとこれ、書いておいてくださいね(笑)。

ニューシングル「GET AWAY / THE JOLLY ROGER」 / 2014年8月20日発売 / Virgin Music
初回限定盤A [CD+DVD] / 1944円 / UICV-9061
初回限定盤B [CD+DVD] / 1944円 / UICV-9062
通常盤 [CD] / 1242円 / UICV-5033
初回限定盤A CD収録曲
  1. GET AWAY
  2. THE JOLLY ROGER
  3. GET AWAY -Remix-
  4. GET AWAY -Instrumental-
初回限定盤A DVD収録内容
  • GET AWAY -MUSIC VIDEO-
  • GET AWAY -MAKING-
初回限定盤B CD収録曲
  1. THE JOLLY ROGER
  2. GET AWAY
  3. THE JOLLY ROGER -Wildstylez Remix-
  4. THE JOLLY ROGER -Instrumental-
初回限定盤B DVD収録内容
  • THE JOLLY ROGER -MUSIC VIDEO-
  • THE JOLLY ROGER -MAKING-
通常盤収録曲
  1. GET AWAY
  2. THE JOLLY ROGER
  3. GET AWAY -BAGUZERO Remix-
  4. THE JOLLY ROGER -Gomi's I Wanna Rock Right Now Remix-
VAMPS(バンプス)

HYDE(L'Arc-en-Ciel)とK.A.Z(OBLIVION DUST)が2008年に結成。2008年の結成以来、国内外で約300本以上のライブを敢行。VAMPSの代名詞となった全国のZeppにて連続公演を行う“籠城型ツアー”をはじめ、アリーナ公演、ラグーナビーチなどでの野外公演、恒例のハロウィンライブイベントなど、多彩なスタイルのライブを行っている。

海外での活動も積極的に行い、ワールドツアーとして北米、南米、ヨーロッパ、アジアなどでのライブを敢行。南米では2ndアルバム「BEAST」が日本人アーティスト初のセールスチャート4位を記録した。同公演の模様を収録したDVD「VAMPS LIVE 2010 WORLD TOUR CHILE」は各方面から注目を浴び、日本の音楽DVD部門のセールスチャートで1位となった。

2013年にユニバーサルミュージックへの移籍を発表。移籍第1弾作品として4月にリリースされた映像作品「VAMPS LIVE 2012」は、オリコン週間ブルーレイランキングで1位を獲得した(音楽DVD週間ランキングは3位、総合7位)。7月に2年半ぶりのシングル「AHEAD / REPLAY」をリリースし、9月には全曲英語詞によるベストアルバム「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を世界各国で発表。同月末よりヨーロッパツアーを開催した。2014年3月には2度目のロンドン公演が実現したほか、同年6月にイギリスの野外フェス「Download Festival 2014」に出演。8月には約1年ぶりとなるニューシングル「GET AWAY / THE JOLLY ROGER」をリリースした。