今年5月10日からMr.Childrenの全シングル、全アルバムのダウンロード配信、サブスクリプション配信がKDDIの定額音楽配信サービス「うたパス」をはじめとした各サイトでスタートした。1992年のデビューから現在に至るまで、数多くのヒット曲、名曲を生み出し続けているMr.Childrenの存在に改めて注目が集まっている。
これを記念し、音楽ナタリーでは幼少期からのMr.Childrenファンだというヨコタシンノスケ(キュウソネコカミ)に、Mr.Childrenファンとしてのエピソードや好きな楽曲、彼らの魅力についてインタビュー。バンドマンから見たMr.Childrenの偉大さについてもたっぷり語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 佐藤類
Mr.Childrenの曲は自分の思い出と結びついてる
──まずはMr.Childrenとの出会いについて教えてもらえますか?
最初に聴いたのは、子供の頃に親と車に乗ってるときですね。Mr.Children、スピッツ、JUDY AND MARY、竹内まりやさんもそうなんですが、自分が憧れているアーティスト、ルーツになっている音楽はカーステレオで聴いたので。当時のMr.Childrenは“あまりにも有名すぎて現実感がない”という印象だったんですけど、中学生のときにMr.Childrenの曲が身近になる出来事があって。なぜかSkypeを使って友達と恋愛の話をするのが流行って(笑)、その中の1人が「今の俺の気持ちはこんな感じ」って、Mr.Childrenの歌詞をプレゼンしてきたんですよ。
──マセた中学生ですね(笑)。
今思うとサムいですけどね(笑)。その中に「クラスメイト」という曲があって、歌詞がめっちゃ具体的だったんです。クラスメイトだった女の子と再会するんだけど、その子には彼氏がいる。主人公の男は「迷わず僕だけ選んで」と心の中で思ってるっていう。この曲を聴いたとき「これ、俺の歌じゃないか!」って思ったんですよね。自分が主人公のドラマがあったとしたら、主題歌はコレだなって(笑)。ここから自分の恋バナになるんですけど、幼なじみの女の子がいて、中学のときにちょっといい感じだったんです。ところが高校に入ったらその子がめちゃくちゃモテて、結局、先輩と付き合って。高校3年のときに思い切って告白してフラれたんですけど(笑)、そういう場面場面でピッタリ来るMr.Childrenの曲があるんですよね。いい雰囲気だけど付き合うまではいかないときの曲、「どうやら先輩と付き合ってるらしい」という噂を耳にしたときの曲、もう一度告白してフラれ直したときの曲とか。「Over」「渇いたkiss」「Sign」がそうなんですけど。
──ヨコタさんの恋愛のテーマソングなんですね(笑)。
そうです(笑)。僕が好きなMr.Childrenの曲は、自分の思い出と結びついてるんですよ。普段は忘れていても、曲を聴くと好きだった女の子のことを思い出したり、そのときの気持ちが蘇ってくるので。そういう人はすごく多いと思いますね、特に僕らの世代は。「ミスチルが好きです」と公言してなくても、絶対に影響されているはずなので。あえて名前を出さなくても、当たり前のように一番上にいるバンドだと思いますね。
僕だったらメロディの数を減らしてあと1曲作る
──では、バンドマン目線で見たMr.Childrenの魅力とは?
それもめちゃくちゃありますね。一聴するとすごくポップな曲であっても、「どうしてこんなフレーズが入ってるんだろう?」とか「どういう経緯でこんなリズムパターンになったのか?」ということが多いんです。オーソドックスなロックのスタイルにハマってなくて、凝ったアレンジになってると言うか。たとえば「天頂バス」という曲はメロディの数が多くて、たぶんEメロくらいまであるんですよ。しかも大サビの前に一瞬だけ打ち込みだけになって、バンドサウンドに戻ったときにさらに感情が高まる構成になってる。シングルやアルバムの表題曲でもないのに、ここまで練られたアレンジになってるのはすごいなと。僕だったらメロディの数を減らして、あと1曲作ると思いますね(笑)。あと、当時は気付かなかったけど、今聴くとすごさがわかるという曲もあります。「Everything(It's you)」がまさにそうで、学生の頃は「ミスチルらしい、シンプルな曲」という印象だったんですが、大人になってから聴くと「バリエーション豊かな曲の中で、あえてまっすぐなバンドサウンドで勝負していたんだろうな」と思うようになって。実際、4人の音だけでここまでダイナミクスを出せるのはすごいですからね。
──歌詞に関しても「今だから理解できる」ということはありますか?
はい。それを一番感じたのは「デルモ」ですね。この曲はモデルの女の子が主人公で、周りからもてはやされているんだけど、今のポジションをキープするのもきついし、「別の人生もあったんじゃないか」と考えていて。僕らも最近は「キュウソ、CM出たりしてがんばってるよね」と言ってもらえることが増えてるんですが、学生時代の友達がいい会社に就職して、土日が休みで、友達同士で集まって楽しんだりしているのを見ると、「いいな」と思ったりするんですよ。SNSでディスられることもないだろうし(笑)。
──そうですね(笑)。
キュウソネコカミは不満や葛藤をそのまま曲にすることがあるんですけど、Mr.Childrenはビッグバンドだし、それはできないと思うんですよね。そういう曲を出すとファンの皆さんが不安になるだろうし。だからほかのストーリーに変えて、アルバムの中とかシングルのカップリングに入れてるんじゃないかなって。「デルモ」みたいな曲を聴くと親近感を覚えるというか「ミスチルのメンバーもいろんな思いを抱えながらやってきたんだな」と思ったりしますね。
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ヨコタシンノスケ(キュウソネコカミ)選曲
- キュウソネコカミ「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018 -Despair Makes Cowards Courageous-」
- 2018年7月25日発売 / Getting Better
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Blu-ray 5292円 / VIXL-232
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DVD 4212円 / VIBL-896
- ツアー情報
DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018
-Despair Makes Cowards Courageous- 越えていけ編 -
- 2018年7月4日(水)東京都 NHKホール
- 2018年7月13日(金)大阪府 NHK大阪ホール
- The band編
(※終了分は割愛) -
- 2018年7月17日(火)福岡県 BEAT STATION
- 2018年7月18日(水)広島県 HIROSHIMA 4.14
- 2018年7月26日(木)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
- 2018年7月31日(火)愛知県 CLUB UPSET
- 2018年8月2日(木)新潟県 CLUB RIVERST
- 2018年8月16日(木)大阪府 Shangri-La
- 2018年8月23日(木)香川県 高松MONSTER
- 2018年8月28日(火)東京都 新代田FEVER
- キュウソネコカミ
- ヤマサキセイヤ(Vo, G)、ヨコタシンノスケ(Key, Vo)、オカザワカズマ(G)、カワクボタクロウ(B)、ソゴウタイスケ(Dr)からなる5人組ロックバンド。2009年末に大学の就活敗残者を中心に兵庫県西宮で結成され、インディーズでの活躍を経て、2014年6月にリリースしたミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」でメジャー進出。今も関西在住ながら全国規模でライブシーンを席巻している。今年4月にテレビアニメ「メジャーセカンド」のオープニングテーマを含むニューシングル「越えていけ / The band」をリリース。7月25日には地元・兵庫県で開催した過去最大規模キャパシティとなる会場でのワンマンライブ「DMCC REAL ONEMAN TOUR 2018 -Despair Makes Cowards Courageous- Live at 神戸ワールド記念ホール」の模様を映像作品としてリリースする。