音楽ナタリー PowerPush - ウソツキ
未来へ進むために僕たちが見つけた魔法
ウソツキが新作ミニアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」を1月21日にリリースした。抜群のポップセンスを発揮して話題を集めた初の全国流通盤「金星人に恋をした。」からわずか半年という短いスパンで、ダンサブルなリズムなど新機軸を取り入れた新作を完成させた彼ら。ナタリーでは今作の発売を記念してメンバー4人にインタビューを実施し、前作リリースからの半年で進化したバンドのサウンドや、ライブのあり方などから、彼らが“一歩踏み出すことができた”と語る「新木場発、銀河鉄道は行く。」の魅力を紐解いた。
取材・文 / 清本千尋 撮影 / 宮腰まみこ
バンド感がしっかり伝わる作品になった
──去年の6月に行われた「金星人に恋をした。」のレコ発ライブ(参照:ウソツキ、“金星人”レコ発「USOTSUKA NIGHT」大成功)で、レコーディングに入るという話をされていましたね。「新木場発、銀河鉄道は行く。」の出来栄えはいかがですか?
竹田昌和(Vo, G) 前作に比べてとても手応えのある作品になりました。具体的にはギターアンプのここのツマミをこうやっていじったらこういう音になるんだなとか、歌い方にしてもマイクとの距離で変化があるんだなとか、本当に細かいところなんですけど、そういうのが前回のレコーディングでなんとなくわかって。「この曲はドラムの音を太くしよう」とか「この曲のギターの音は空間を包んでくれるような音にしよう」とかそういうのが最初から見えたんです。だから今回は曲ごとに理想の形にグッと近付けることができました。
林山拓斗(Dr) 今回のレコーディングは「新木場発、銀河鉄道」がリードトラックになることありきで進めていったので、最初からできあがりのイメージが明確でした。このCDを聴いてバンドが演奏しているシーンを想像できるようなもの、聴いた人がバンドの熱量を感じてくれるようなアルバムにしたいという思いがあって。できあがったものを聴いてみても「金星人に恋をした。」に比べてバンド感がしっかり伝わる作品になったかなと思います……。
竹田 元気なさすぎない? せっかくバンド感が込められたのに(笑)。
林山 あ、じゃあ最後にビックリマーク付けといてください(笑)。
──(笑)。無論、自信作ということですね。
林山 そうです。もちろん「金星人に恋をした。」も自信作だったんですけど、前回のレコーディングでできなかったことや、そのときに生まれた課題にきちんと向き合って、挑戦できたかなという感じです。
「時空間旅行代理時計」は理想に一番近い
──曲作りに関してはどうでしたか?
竹田 作曲時に僕が思っていたことを歌詞に込められました。「金星人に恋をした。」は、高校生ぐらいのときに書いたものから、アルバム制作当時に書いた曲まで入っていて、作曲の時期にとても幅がある作品なんですよ。でも今回はどの曲も2、3カ月の期間の中で作ったものなので、本当にそのときに思っていたことを歌っている曲が多いですね。
──ウソツキの作曲方法は、竹田さんがある程度アレンジまで考案したデモを持ってきて、それをバンドで合わせて練っていくと伺ってるんですが、今回も同じように進めていったんですか?
吉田健二(G) そうですね。あ、でも「時空間旅行代理時計」はスタジオで合わせてなくない?
藤井浩太(B) やってないね。「時空間旅行代理時計」のデモができたのって、後半のレコーディングの3日前だったし。
林山 うん。レコーディングが始まってから作ってた(笑)。
竹田 「時空間旅行代理時計」だけは本当に時間がなくて。僕がまずデモとカラオケみたいなのを作って、そこに吉田くんにリードギターを入れてもらって、拓斗くんにはリズムパターンを伝えてその通りに叩いてもらうっていう。そうまでしてもこの曲をどうしても入れたかったんです。このアルバムってほかの4曲だけだとネガティブに聞こえてしまうんですけど、最後にポジティブなことを歌ったこの曲を入れることで、全部が前向きな方向に変換できるようになっていて。
林山 あと「時空間旅行代理時計」はウソツキの曲で初めて四つ打ちのダンスビートを取り入れた、ちょっと前に踏み出した曲なんです。だからこのアルバムに「時空間旅行代理時計」を入れることで、これからはこういうアプローチもしていきたいっていう意志を示せたと思っています。
──なるほど。
竹田 今の拓斗くんの話は初耳ですね。でも拓斗くんの中に、サウンド的にもこのアルバムに「時空間旅行代理時計」が必要だっていう気持ちがあったみたいでうれしいです。僕らにはサウンドにおいてはシンプルなものを求めたいという共通の思いがあるんですけど、シンプルにすればするほど、つまらないものになりがちだと感じていて。それでも納得できる曲を作りたかったんです。だからドラムパターンを変えず、ギターの音数もとにかく少なくした「時空間旅行代理時計」のアレンジは理想に一番近いんですよ。
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- 2ndミニアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」 / 2015年1月21日発売 / 1620円 / DAIZAWA RECORDS / UK. PROJECT / UKDZ-0160
- 「新木場発、銀河鉄道は行く。」
収録曲
- 新木場発、銀河鉄道
- 過去から届いた光の手紙
- 一日だけヒーロー
- 綿飴とりんご飴
- 時空間旅行代理時計
ウソツキ ワンマンライブ
超USOTSUKA NIGHT
2015年4月1日(水)東京都 下北沢CLUB Que
OPEN 18:30 / START 19:30
料金:前売2500円(ドリンク代別)
青春割:ライブ当日の時点で18歳以下の来場者に会場で1000円キャッシュバック
1月21日発売「新木場発、銀河鉄道は行く。」に先行予約チラシ封入
受付期間:2015年1月21日(水)18:00~2月1日(日)23:00
「新木場発、銀河鉄道は行く。」リリース記念インストアツアー
- 2015年2月7日(土)
千葉県 タワーレコード千葉店 イベントスペース
START 15:00 - 2015年2月11日(水・祝)
宮城県 タワーレコード仙台パルコ店 イベントスペース
START 17:00 - 2015年2月14日(土)
大阪府 タワーレコード難波店 イベントスペース
START 19:00 - 2015年2月21日(土)
東京都 タワーレコード渋谷店 1Fイベントスペース
START 17:00 - 2015年3月21日(土・祝)
広島県 タワーレコード広島店
START 19:00
ウソツキ
竹田昌和(Vo, G)、吉田健二(G)、藤井浩太(B)、林山拓斗(Dr)から成る4人組ロックバンド。歌を軸にしたポップなナンバーを得意とし、都内のライブハウスを中心に活動している。竹田が高校生の頃からオリジナル楽曲を作り始め、2011年2月にウソツキとして活動を開始。2012年3月に自主制作盤「雨降るバス停」をライブ会場限定でリリースし、2013年夏に現在の4人編成となった。2014年4月に東京・下北沢MOSAiCにて初のワンマンライブ「SUPER USOTSUKA NIGHT」を開催。6月に初の全国流通盤「金星人に恋をした。」をUK.PROJECT内のレーベルDAIZAWA RECORDSより発表し、インディーズデビューを果たした。8月にはUK.PROJECT主催のライブイベント「UKFC on the Road 2014」に出演。2015年1月21日にミニアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」をリリースし、4月1日に2度目のワンマンライブ「超USOTSUKA NIGHT」を東京・下北沢CLUB Queにて行う。