私自身の音楽の幅も増やすことができた
──新録曲「ミラクル」は、ESME MORIさんプロデュースによる軽快なアレンジが心地よいポップソングです。片思い中のモヤモヤや妄想をユーモアを交えて描き、アルバム中盤に軽やかな風を吹き込んでいます。この楽曲はどのように生まれたのでしょうか?
この曲は、もともとメロディがもうできあがっていて作り貯めていた曲なのですが、個人的にこのメロディをすごく気に入っていて、いつか何かのタイミングで形にできたらなと思っていました。デモ段階では私が弾いたエレキピアノの音がメインだったのですが、このピアノの音に合った歌詞にしたくて、冒頭のAメロを宇宙語で適当に鼻唄で歌ったときに出てきた「ミラクル」が意外と嵌りがよかったので、そこから世界が開けて一気に書くことができました。片想いの曲はこれまでに書いたこともありますが、私の中では「モテているのに意中の人には振り向いてもらえていない人」の片想いのイメージで書きました。笑
──同じく新録曲の「さすらいの唄」は、ピアノのみのシンプルな構成でありながら、主人公の情景が自然と立ち上がる余韻のあるバラードです。語りすぎない歌詞から孤独や揺れ動く感情がにじみ、聴く人それぞれが自身の経験と重ね合わせられる楽曲だと感じました。この曲はどのような背景から生まれ、どんな思いを込めて歌われたのでしょうか?
私は時間があるときや歌詞に行き詰まったりしたときによくカフェに行くんですが、空いているときは必ず窓側の席を選んで外をボーっと眺めながら人間観察をしていて。そのときに浮かんできた歌詞でもあって、自分の目の前をとても楽しそうに歩いていく人たちと、今の自分の境界線が1枚のガラスでしかないのに、ずいぶんと温度が違うものだなあ、、、と変なことを考えていたら、この曲ができあがってきました。私も、音楽の道に進むと決めてから、いろいろと模索したり自暴自棄になったりした期間もありましたが、自分の過去の想いもほんの少し乗せてみたら、いつの間にかこのような曲ができていました。
──アルバムタイトル「tone」には「音色」や「色調」といった意味があります。1stアルバム「モノクローム」から「オリオンブルー」「コントラスト」と“色”を感じさせるタイトルが続いてきましたが、今作は色のバリエーションがさらに広がった印象を受けました。15曲がそろって1枚のアルバムになったとき、Uruさん自身はどのような作品になったと感じましたか? また、タイトルに込めた思いについてもお聞かせください。
「tone」は、「音色」「色合い」「調子」「色の濃淡」とかそんな意味がありますが、今回このアルバムには、深く濃いトーンのバラードから淡く軽やかなトーンの明るい曲まで、いろいろな濃淡の曲がそろっています。私の声もまた、その曲によってけっこうわかりやすくトーンが違っていたり。今まで、色に関するタイトルのアルバムを作ってきましたが、色だけでなくいろいろな意味を持つこの「tone」という単語の通り、私自身の音楽の幅も増やすことができたのではないかなと思っています。
日々を過ごしていると、その日その日、その時間その時間で、心の色や温度も頻繁に移り変わりますが、このアルバムの曲たちが、そのときの皆さんの心のトーンに優しく寄り添えたらいいなと思います。
──初回生産限定のカバー盤の収録曲についても伺います。平井堅さんの「瞳をとじて」、菅田将暉さんの「虹」、クリープハイプの「傷つける」、大滝詠一さんの「幸せな結末」、さだまさしさんの「たとえば」と、今回初収録となる5曲を歌って感じたことや、新たな発見があればお聞かせください。
カバー曲を歌わせていただくといつも感じるのが、やはりこの曲はそのアーティストさんの子どもなのだなと。親が変わると子も変わるというか。笑
変な例えだと思いますが、そのアーティストさんの持つ声や雰囲気と曲がカチッとセットになっているので、私が歌ったときに感じる違和感を、どうやって少なくしていくか、というところがいつも難しくて、、、でも、頭で考えるよりもただ単純に楽しく歌いたい、と思いながら歌った結果が「私らしい」になっているのだから、それでいいんだなと今回再認識できた気がしました。とても楽しかったです。
ツアーではゆっくりと過ごしてもらえる時間を作りたい
──7月から約3年ぶりに開催されるツアーへの意気込みをお聞かせください。ひさしぶりの全国ツアーとなりますが、今回のステージでどんな「tone」を届けたいと考えていますか? また最後に、Uruさんのステージを心待ちにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
ずっと制作に打ち込んできた中で、ライブをしてほしいというお声はずいぶん前からたくさんいただいていたので、今回やっとその声に応えられるとうれしく思っています。私自身3年という期間が空いたので、ひさしぶりのステージはかなり緊張してしまうと思いますが、徐々に感覚を取り戻していけたらいいなと思っています。笑
初披露の曲がたくさんあるので、曲を制作しているときにこの曲をライブで披露したらこんな感じになるかなあとふくらませていた妄想を現実のものにできるように楽しんでいきたいと思います!
大変長らくお待たせしてしまいましたが、また一緒に同じ空間で音楽を共有しながら、ゆっくりと過ごしてもらえる時間を作れたらと思っています。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!
公演情報
Uru Tour 2026「tone」
- 2026年7月1日(水)大阪府 フェスティバルホール
- 2026年7月26日(日)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
- 2026年8月12日(水)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2026年9月3日(木)東京都 昭和女子大学人見記念講堂
- 2026年9月24日(木)兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
- 2026年10月21日(水)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
プロフィール
Uru(ウル)
2013年に活動を開始したシンガーソングライター。オリジナル楽曲のほか、J-POPを中心にさまざまなジャンルの楽曲をカバーし、YouTubeで発表して話題を集める。2016年3月に東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペルで初の単独ライブを実施。6月にシングル「星の中の君」でSony Music Associated Recordsからメジャーデビューを果たした。以降、ドラマや映画などさまざまな作品とタイアップした楽曲を多数発表している。2021年11月にはデビュー前からの念願であった東京・東京国際フォーラム ホールAでの単独公演「Uru Live 2021『To You』」を成功させた。2026年2月に約3年ぶりのニューアルバム「tone」をリリース。7月からはこちらも約3年ぶりとなる全国ツアーを行う。
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