ナタリー PowerPush - UNLIMITS
バンド史上初のシングルは渾身の勝負曲
あの空のように自分の思いを信じよう
──歌詞は郡島さんが手がけています。
清水 郡島さんにまかせました(笑)。
郡島 はい、まかされました。これは1行目にある「百角形の宙」っていう言葉から広げていったんです。ずっと使いたい言葉だったんですけど、なかなか合うメロディがなくって。でも今回はばっちりハマッたんですよね。
──どうしてこの言葉が浮かんだんですか?
郡島 なんか空を見上げたときに、都会の空はトゲトゲして角ばってんなと思ったんですよ。で、これは一体、何角形なんだろうと思って数えだしたんです。でも実際は数え切れずに六十何角形とかで「もういいや、これ百だ。百角形だ」と思って、それをメモっといたんです。
清水 まさに今回のシングルのジャケットのとおりです。
──おお、なるほど。でも空が何角形かなんてなかなか考えないですよね。すごくいい視点だと思いました。
郡島 細かい作業がすごい好きなんですよ。穴あけパンチでできた小さい丸い紙をひたすら並べたりとか(笑)、そういうことがどうしても気になっちゃって。時間のムダですよね。
──アハハ(笑)。いやでもこうやって作品にもなったわけですから。
郡島 あ、そっか。浮かばれましたね。内容的には、「百角形の宙」はすごく狭いけど、その向こう側には境界線のない空が広がっているっていうことを、今の世の中の状況にリンクさせた感じです。で、最終的には、あの空のように自分の思いを信じようっていう。UNLIMITSの言いたいことが表れてる作品だと思います。
清水 この歌詞を見たときは、よくぞ書いてくれたって思いましたね。「百角形の宙」「-100℃のすれ違う視線」「エゴイストのルール」とか印象的な言葉がたくさんあって、ストーリーもまさに自分たちの言いたいことでもあるし。言葉のハマりもいいので、歌っててもすごく気持ちいいです。今、ライブでもやってるんですけど、気持ちも入れやすいですね。負けるもんかっていう強い気持ちで歌ってます。
クールに仕上がったビデオクリップ
──ストリングスが効果的に使われているのも、楽曲のドラマチックな部分を加速させていますしね。
清水 シングルにするって決まったときに、ちょっとゴージャスにするためにストリングスを入れたんですよ。結果、かなりドラマチックになりましたね。元々、うちの曲にはストリングスとかピアノが似合うと思ってるし興味もあるので、これから自分でも勉強していろいろやってみたいなって思ってます。あ、あと今回は初回限定盤にビデオクリップが付くんですよ。ぜひこれは観てほしいですね。
郡島 結構スタイリッシュな映像だよね、今回。
清水 うん。クールな感じ。壁に自分たちの姿を映したりとか、いろいろ面白いこともしてるし。凝った仕上がりになってます。
郡島 清水さんの演技もちょいちょい入ってるしね(笑)。
──男子メンバーは撮影中どんな感じでした?
清水 ベースのジマさん(石島直和)が食あたりで体調悪くて、顔面蒼白でした。
郡島 マイケル・ジャクソンみたいになってたよね。
清水 髪型もマイケルみたいなので、そのマイケル具合もぜひ観てもらいたいです(笑)。
──ギターの大月さんは?
郡島 大月さんはどうだったんだろうな? 汗っかきなんで汗かきながらがんばってました(笑)。
初回盤CD収録曲
- ハルカカナタ
- 夜風ドライブ
- 偽りの世界 (Live ver.)
- ハロー (Live ver.)
初回盤DVD収録内容
- 「ハルカカナタ」ビデオクリップ
通常盤CD収録曲
- ハルカカナタ
- 夜風ドライブ
- 偽りの世界 (Live ver.)
- クローバー (Live ver.)
- ハロー (Live ver.)
UNLIMITS(あんりみっつ)
結成は2002年。メンバーチェンジを経て、2006年8月に現在の清水葉子(Vo, G)、郡島陽子(Dr, Vo)、石島直和(B, Cho)、大月義隆(G, Cho)の4人編成となる。2005年に初の音源となるミニアルバム「七色の記憶」をリリース。清水、郡島の女性ツインボーカルが織りなすハーモニーと日本語の響きを重視した歌詞、力強く情熱的なサウンドで人気を集め、2008年にはSUM 41の来日公演オープニングアクトを務めたことでも話題を呼んだ。2010年8月4日リリースのミニアルバム「蒼-アオイ-」から所属レーベルをSony Music Recordsに移籍。その後も精力的なライブ活動を続け、2011年2月にメジャー初のフルアルバム「トランキライザー」をリリース。9月7日リリースのニューシングル「ハルカカナタ」は、テレビアニメ「BLEACH」のエンディングテーマに起用された。