UNISON SQUARE GARDENトリビュートアルバム発売記念対談 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)×SKY-HI|高校時代からの“先輩後輩”が認め合う、15年間ブレない互いのスタンス

日高くんは高校生の頃からプロ志向だった

──SKY-HIさんはAAAのメンバーとして2005年にデビュー。斎藤さんは田淵さん、鈴木さんと2004年にUNISON SQUARE GARDENを結成しますが、その後、交流はあったんですか?

斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)

斎藤 直接はないですけど、日高くんがAAAのメンバーになったのはもちろん認識していたし、ブログなんかでユニゾンのことを書いてくれたりしてたんですよね。「流星前夜」(2008年リリースのミニアルバム)を紹介してくれたのもすごく覚えていて。

SKY-HI UNISON SQUARE GARDENがCDを出したとき、勝手に感慨深くなってたんですよ。CDショップにCDが並ぶって簡単なことではないし、しかもメンバー全員を知ってるわけじゃないですか。

──「まさかあの3人がバンドでデビューするとは!?」みたいな感じですか?

SKY-HI まず、いろいろビックリしたんですよね。「田淵さん、こんなにきれいなメロディを書くんだ」とか、「斎藤さんってこんなに素敵な歌声なんだ」とか。というか「こんなに歌がうまいのに、なんで高校のとき歌ってなかったんだろう?」って。

斎藤 はははは(笑)。

SKY-HI 貴雄さんのドラムだけは聴きなじみがあったんですけど、とにかくビックリしました。僕がやっていたバンドは高2の終わりくらいでどんどんなくなっていったんです。楽器がうまいやつ、歌がうまいやつもいたんだけど、「大学に行って、またタイミングが合うときに集まってやろうよ」って感じで。結局みんなプロ志向ではなかったってことなんだけど、「複数の人間が集まって音楽を続けるって、こんなに難しいものなんだな」と思って。ステップを踏んでいく以前に、続けること自体が難しいんだって痛感したんです。でも、ユニゾンの3人は全員知ってる人じゃないですか。そのことにも衝撃を受けたんですよね。

斎藤 今話を聞いてて思ったんですけど、日高くんは高校生の頃からプロ志向だったんですよね。僕らが通っていた高校はよほどのことがない限りそのまま大学に進めたし、しかもいい大学なんですよ。そういう場所にいながらプロを意識して動き出していたのは、少なくとも自分の近くには日高くんしかいなかったので。

SKY-HI いやいや、そんな(笑)。

斎藤 僕の場合は自分がギターボーカルをやるバンドを組みたくて、田淵と貴雄に声をかけただけだから、日高くんとは全然違うというか。就活の代わりにライブをやっているときに運よくデビューが決まったんですけど、まだまだ甘い部分もあったと思うんですよね。

小さい石を積み重ねてすごく大きい石垣を作るユニゾンのライブ

──デビュー後のSKY-HIさんとUNISON SQUARE GARDENが交わったのは、フェスが最初ですか?

斎藤 そうですね。2013年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」かな。

SKY-HI

SKY-HI はい。僕は緊張してましたけどね。

斎藤 今思うとSKY-HIのことを過小評価してたんですよ。当時はまだライブも観たことがなかったので「フェスに出て、バンド界隈の仲間入りをしたいんだろうな。フェスに出られてよかったね」と親心的に思ってたんですけど、後日それが間違いだったことに気付いて。初めて観たワンマンライブがとにかくすごかったんです。サポートのミュージシャンとフロアのお客さんを1人で引っ張っていたし、音楽的な完成度もめちゃくちゃ高くて。「これを目指していたんだな」と思ったし、さらに高いところに進もうとしていることもわかったので。ロックバンドって「演奏が下手なのも味になる」とか「勢いが正義」みたいなところがあると思うけど、SKY-HIのライブにはそういうものが一切なかったし、ロックバンドにはやれないことをやろうとしてるんだなと。

SKY-HI ……恐縮の極みです。

──日高さんはユニゾンのライブを観て、どんなことを感じましたか?

SKY-HI 田淵さんが相変わらず動きまくっていて、安心しましたね。斎藤さんも変わらずにクールだなと思ったら、エフェクターを踏む足元がめちゃくちゃ動いてました(笑)。ユニゾンはフェスで観ることが多いんですけど、小さい石を積み重ねて、すごく大きい石垣を作るようなライブという印象なんですよ。パッションやエモーションで攻めるのがフェスの定石だと思うんですけど、そことは一線を画したうえで、しっかりお客さんを持っていくのがすごいなと。