ナタリー PowerPush - __(アンダーバー)

熱狂と感動の初ワンマン舞台裏

フリーダムのほうが緊張してしまう

──ライブ後半の目玉は、やはりバラード2曲ということになるんだと思います。実際、歌ってみてどうでしたか?

言葉の1つひとつをしっかり伝えられるバラードを歌うのが僕はすごく好きなんですよ。なのでそれを2曲も歌えたのはとにかくうれしかったです。普段がフリーダムばっかりなので(笑)。

──緊張もせず?

好きだからこそ安心して歌えるんですよ。だから緊張はしなかったかな。むしろ、細かく言葉割りや動きが決められているフリーダムのほうが緊張してしまいますね。

──なるほど。バラードで緊張しないことの裏には、歌に対しての自信があるような気もするのですが。

どうなんですかね。まあでも自分としては、歌の技術的にはまだまだだなって思ってます。その中で、バラードのような曲のほうがちょっとだけ得意なのかもなとは思いますけど。

──で、そんなバラードパートの後、ラストはまた思い切りふざけるという(笑)。そこが実に__(アンダーバー)らしいところですが。

そうですね。さっきも言ったように、バラードの後の「ギガンティックO.T.N」がめちゃくちゃ大変だったんですけどね。あとで聞いた話ですけど、東京では「S・K・Y」のあとに拍手が起きなかったので、大阪と名古屋ではスタッフの方が拍手のきっかけ出しをしてくれてたみたいで(笑)。ありがたいなと思いました。最後はね、やっぱりまた大きく盛り上がって終わりたいと思ったので怒涛の3曲で締めた感じです。

__(アンダーバー)にはネットだけでは味わえない面白さが絶対ある

──そしてアンコールも実現しました。これまでアルバムに収録されていなかった「ピエロ」が歌われましたね。

「ピエロ」の歌詞って、僕自身のことが書かれている気がするんですよ。そういう意味ですごく思い入れが強いので、絶対アンコールに歌いたかったんです。

──ピエロのように、たとえ悲しい思いがあってもそれを見せずにみんなを楽しませるというスタンスですよね。

はい。そういう気持ちが僕にはすごくあるんです。ワンマンライブを実現させるには裏でたくさんの苦労があったけど、ライブ自体はみんなと楽しく終わらせたいと思っていたから。その思いはきっとライブ全体を通して伝えることができたんじゃないかなと思うんですけど。

──ライブ中や終わった瞬間にこみ上げてくる感情はなかったですか?

ありましたよ、もちろん。半年以上かけて作ったライブだったので、ライブが終わって幕が閉まった瞬間にドッと思いがあふれて泣きそうになっちゃいました。でも僕は恥ずかしがり屋なんで「絶対泣かない!」って思って堪えました。ま、仮面つけてるんで、涙流しても実際はわかんないと思うんですけど(笑)。

──いろんな思いが混じりあった初ワンマン、ぜひこのライブアルバムでたくさんの人に体感してもらいたいですよね。

__(アンダーバー)

ホントにそう思います。初ワンマンは3カ所でやらせてもらいましたけど、僕のライブに来たことがない、僕の姿を見たことがないっていう人がまだまだ大多数だと思うんですよ。僕の発信は基本的にネットだったりもするので、ネットの世界だけで満足してしまっている人もきっと多いはずなんですよね。でも、__(アンダーバー)にはネットだけでは味わえない面白さが絶対あると思うんです。だからみんなにライブを観てもらいたいんです。このアルバムがそのきっかけになってくれたらなっていうのが僕の強い希望ですね。

──限定盤にはライブ映像を収録したDVDも同梱されますからね。動く__(アンダーバー)もしっかり楽しめます。

CDとDVDでは違った楽しみ方ができると思うんですよ。CDならいろんな妄想ができるっていう楽しみ方があるし、よりライブの空気感を体感したいならDVDがオススメだし。どちらも自分で自分のライブに行ってみたくなる仕上がりだったので(笑)、ぜひぜひたくさんの人に楽しんでもらえたらいいなと思いますね。

僕の中にはまだまだ企んでいることがたくさんある

──初ワンマンの成功がその後のライブに何か変化をもたらしている実感もあります?

人前に立つということに対してより気持ちが強くなったと思いますし、視野も広がった気がしますね。会場にいるお客さんのことも、ステージに立っている自分自身の姿もしっかり感じることができているので、どうすればライブがより盛り上がるのかっていう部分ではすごく進化したんじゃないかなって。ワンマンを経験することがどれだけ大きなことなのかっていうのを改めて今実感しています。

──今後もライブではさまざまなことに挑んでいきますか?

そうですね。ネットへの動画投稿はもちろん続けますけど、最終的にたどり着くところはライブだと思うんです。なので今後はライブの規模をもっと大きくできるように、もっとド派手なことができるようになっていければなと。初ワンマンであそこまでのライブが実現してしまったので、お客さんの期待は相当高まってると思うんですよ。でも、僕の中にはまだまだ企んでいることがたくさんあるので、それをどんどん見せていこうと思っています。

──アンダーバー星の地球侵略作戦は加速しそうですね(笑)。

はい、日本侵略は間近かなと(笑)。ネットやライブはもちろん、この先いつどこに現れるかわからないので覚悟していてください!

ライブアルバム「EXIT TUNES PRESENTS UNDER THE LIVE 2013」 / 2013年11月20日発売 / EXIT TUNES
初回限定盤 [CD2枚組+DVD] / 3000円 / QWCE-00316
通常盤 [CD2枚組] / 2500円 / QWCE-00317
DISC 1
  1. Opening
  2. いーあるふぁんくらぶ(フリーダムVer.)[作詞・作曲:みきとP]
  3. 永遠に幸せになる方法、見つけました。(フリーダムVer.)[作詞:鳥居羊、作曲:うたたP]

VTR(1)

  1. ノーナイデンパ[作詞・作曲:YM]
  2. オーバーテクノロジー[作詞・作曲:YM]
  3. 十面相(フリーダムVer)[作詞・作曲:YM]

MC(1)

  1. 愛ト茄子ト平和ナ果実[作詞・作曲:saiB]
  2. 右肩の蝶[作詞:水野悠良、作曲:のりぴー]
  3. VTR(2)

  4. 過食性:アイドル症候群 (フリーダムVer.)[作詞・作曲:スズム]
  5. パンチラドランカー[作詞・作曲:デッドボールP]

VTR(3)

DISC 2
  1. もやし男[作詞・作曲:__(アンダーバー)]
  2. 妄想スケッチ[作詞・作曲:40mP]
  3. アメリカ[作詞・作曲:じん]
  4. 夕立のりぼん[作詞・作曲:みきとP]

MC(2)

  1. from Y to Y[作詞・作曲:ジミーサムP]
  2. S・K・Y[作詞・作曲:ライブP]
  3. ギガンティックO.T.N(フリーダムVer.)[作詞:れをる、作曲:ギガP]
  4. 脳漿炸裂ガール(フリーダムVer.)[作詞・作曲:れるりり]

MC(3)

  1. こちら、幸福安心委員会です。(フリーダムVer.)[作詞:鳥居羊、作曲:うたたP]

Encore

  1. ピエロ[作詞・作曲:KEI]
__(アンダーバー)

ソーシャルネットワークの音楽ジャンルを中心に活躍する男性のアーティスト。2009年の「フリーダムに『脱げばいいってモンじゃない!』を歌ってみた」を投稿したことを機に、原曲を大幅にアレンジして合いの手などを挟み込む独特の歌唱法「フリーダム」を確立し、ネットユーザーから絶大な支持を集めるに至る。同時に真面目に歌う「フツーダム」のカバーも多数発表。さらにボカロPとして自作曲「もやし女」を公開するなど幅広い活動を展開している。2012年7月にはフツーダムを中心にしたアルバム「フツーバム ~フツーダムに歌ってみた~」、2013年6月にはフリーダムを中心にしたアルバム「フリーバム~フリーダムに歌ってみた~」を発表。さらに同年、自身初のワンマンライブ「__ (アンダーバー)~UNDER THE LIVE 2013~」を東京・Zepp Tokyo、大阪・なんばHatch、名古屋・Zepp Nagoyaにて開催。この公演の模様を収めたライブアルバム「EXIT TUNES PRESENTS UNDER THE LIVE 2013」をリリースする。