ナタリー PowerPush - __(アンダーバー)

熱狂と感動の初ワンマン舞台裏

絶対に「うんこ」って言わせたかった

──ここからはライブアルバムの流れを追いながら、聴きどころとなるポイントを探っていければと思います。まずは序盤、一気に__(アンダーバー)の世界に引き込まれるオープニングが印象的でした。

__(アンダーバー)

オープニングで壮大なBGMが流れている間、僕はステージセットの階段裏に潜んでたんですけど、「あー始まる始まる! どうしようどうしよう!」って緊張しまくっておなか痛くなってずっとうずくまってたんですよ(笑)。

──あははは(笑)。そんなに緊張してましたか。でも階段がバッと開いて姿が現れたときは、ものすごく堂々としてる感じに見えましたけどね。

いやもう緊張しまくりでした。イベントとは違ってそこにいる全員が僕だけを観に来てくれているわけですからね。そういう意味でのプレッシャーはものすごくありましたし、果たして2時間やり通せるのか、パフォーマンスを失敗したらどうしよう、歌詞間違えたらどうしようって、いろんな感情がどんどん出てきてたんで。堂々と立ってるように見えたかもしれないですけど、実際は脚ガタガタ震えてましたから(笑)。

──1曲目は「いーあるふぁんくらぶ(フリーダムver.)」でしたね。

はい。「いーあるふぁんくらぶ」ならぬ「あんだーばーふぁんくらぶ」といった意味で、しょっぱなからドッと一気に盛り上げて、畳み掛ける展開にしたかったんです。お客さんがちゃんと最大限に盛り上がってくれたので、背中をグッと押してもらえた気がしましたね。

──下品なコール&レスポンスも炸裂して(笑)。

「うんこ」って言わせました(笑)。そのコール&レスポンスはもう「いーあるふぁんくらぶ(フリーダムver.)」を投稿したときから絶対にライブでやってやろうと思ってたんですよ。ワンマンでそれが実現したので感無量でした。

──その頃にはもう緊張も吹き飛んでいました?

いや、その後にダンスをする曲が待っていたのでまだ緊張は続いてましたね。でもパッと後ろを振り向けばバンドさんやダンサーさんがしっかり支えてくれているのが見えたので、徐々に安心して落ち着いたパフォーマンスができるようにはなったと思います。

──フツーダムのキラーチューンを惜しげもなく前半に持ってきていたのもよかったです。

「愛ト茄子ト平和ナ果実」と「右肩の蝶」に関しては一度もライブでやったことのない楽曲だったので、お客さんが喜んでくれているのが伝わってきましたね。この2曲で曲調とダンスがガラッと変わるんですよ。楽しい雰囲気だったのが、一気にカッコいい、エロティックな感じになるというか。フツーダムの幅みたいなものも見せられたと思うので、ここはすごくいい流れだと思いますね。

バラード前の発言は今の僕の本心

──中盤、「過食性:アイドル症候群(フリーダムver.)」からは映像も使って楽しい空気を演出していましたね。

エンタテインメントという意味で「過食性~」はかなりこだわりましたね。動きに関しては一番時間をかけました。で、そこから「パンチラドランカー」へつながり、バンドさんとの絡みなんかを交えて面白い雰囲気にしていくっていう。

──その後にはこのライブでは唯一となるオリジナルナンバー「もやし男」が。これも大事な1曲ですよね。

はい。「もやし男」はいろいろな思い入れがあって作った曲だったので、これはぜひワンマンで歌いたかったんです。歌えたことに感動しましたね。このあたりから徐々に、後半のバラードに向けての流れを作っていきました。

──うん。「妄想スケッチ」「アメリカ」「夕立のリボン」とフツーダムを連発する、いわゆるフツーダムパートですよね。で、その後のMCがものすごくいい内容で。ファンの方々はぜひアルバムで確認してほしいのですが。

あのMCは……バラードにどうやってつなげようかっていう思いから入れたものなんですけど(笑)。

──あははは(笑)。どうしてもバラードが気になってしょうがなかったわけですね(笑)。

__(アンダーバー)

今回のワンマンライブに関しては、バラードをしっかり聴かせたいというのが1つの大きな使命だったんですよ。だからそこばっかり考えちゃってて(笑)。でも、あそこでの発言は今の僕の本心ではあります。日々、どういう思いで歌っているのか、どういう思いでお客さんと接しているのかっていうのを素直に伝えました。普段フリーダムのような面白いことをやっているので、僕の場合、なかなかマジメな思いを伝えることがないんですね。なので、ああいう思いを伝えられたのはよかったなと思います。結果、ちゃんとバラードに持っていけましたし(笑)。

──結局そこ(笑)。__(アンダーバー)としてマジメな表情を見せるのがキャラ的に照れる、みたいな感情もあるんですかね?

それはありますね。極力マジメなことを言いたくないからフリーダムのようなことをやってるところがあるので。とにかく楽しいだろ、面白いだろって方向に持っていきたいというか。

──でも、あのワンマンライブには、そういうマジメな表情が自然と出てしまってもおかしくない空気感が充満していましたよね。お客さんが本当に温かかったというか。

ですね。お客さんはみんな僕のことを好きでいてくれて、ワンマンを待ちに待っていてくれて、ずっと応援してくれている方ばかりでしたから。感謝の気持ちを伝えるのは自然なことでもあったと思います。もっと上手くしゃべれればよかったんですけどね(笑)。

ライブアルバム「EXIT TUNES PRESENTS UNDER THE LIVE 2013」 / 2013年11月20日発売 / EXIT TUNES
初回限定盤 [CD2枚組+DVD] / 3000円 / QWCE-00316
通常盤 [CD2枚組] / 2500円 / QWCE-00317
DISC 1
  1. Opening
  2. いーあるふぁんくらぶ(フリーダムVer.)[作詞・作曲:みきとP]
  3. 永遠に幸せになる方法、見つけました。(フリーダムVer.)[作詞:鳥居羊、作曲:うたたP]

VTR(1)

  1. ノーナイデンパ[作詞・作曲:YM]
  2. オーバーテクノロジー[作詞・作曲:YM]
  3. 十面相(フリーダムVer)[作詞・作曲:YM]

MC(1)

  1. 愛ト茄子ト平和ナ果実[作詞・作曲:saiB]
  2. 右肩の蝶[作詞:水野悠良、作曲:のりぴー]
  3. VTR(2)

  4. 過食性:アイドル症候群 (フリーダムVer.)[作詞・作曲:スズム]
  5. パンチラドランカー[作詞・作曲:デッドボールP]

VTR(3)

DISC 2
  1. もやし男[作詞・作曲:__(アンダーバー)]
  2. 妄想スケッチ[作詞・作曲:40mP]
  3. アメリカ[作詞・作曲:じん]
  4. 夕立のりぼん[作詞・作曲:みきとP]

MC(2)

  1. from Y to Y[作詞・作曲:ジミーサムP]
  2. S・K・Y[作詞・作曲:ライブP]
  3. ギガンティックO.T.N(フリーダムVer.)[作詞:れをる、作曲:ギガP]
  4. 脳漿炸裂ガール(フリーダムVer.)[作詞・作曲:れるりり]

MC(3)

  1. こちら、幸福安心委員会です。(フリーダムVer.)[作詞:鳥居羊、作曲:うたたP]

Encore

  1. ピエロ[作詞・作曲:KEI]
__(アンダーバー)

ソーシャルネットワークの音楽ジャンルを中心に活躍する男性のアーティスト。2009年の「フリーダムに『脱げばいいってモンじゃない!』を歌ってみた」を投稿したことを機に、原曲を大幅にアレンジして合いの手などを挟み込む独特の歌唱法「フリーダム」を確立し、ネットユーザーから絶大な支持を集めるに至る。同時に真面目に歌う「フツーダム」のカバーも多数発表。さらにボカロPとして自作曲「もやし女」を公開するなど幅広い活動を展開している。2012年7月にはフツーダムを中心にしたアルバム「フツーバム ~フツーダムに歌ってみた~」、2013年6月にはフリーダムを中心にしたアルバム「フリーバム~フリーダムに歌ってみた~」を発表。さらに同年、自身初のワンマンライブ「__ (アンダーバー)~UNDER THE LIVE 2013~」を東京・Zepp Tokyo、大阪・なんばHatch、名古屋・Zepp Nagoyaにて開催。この公演の模様を収めたライブアルバム「EXIT TUNES PRESENTS UNDER THE LIVE 2013」をリリースする。