トリプルファイヤー「FIRE」 PR

トリプルファイヤー×吉田豪|2017年注目のダメ人間、吉田靖直の素顔に迫る

無駄な音を削ぎ落としたタイトでストイックな演奏と、無駄なことしか言っていないようなナンセンスな歌で、バンドシーンの中で独自のポジションを獲得しているトリプルファイヤー。テレビ朝日系「タモリ倶楽部」でボーカル・吉田靖直のダメ人間ぶりが特集されたり、2018年1月より日本テレビで放送されるジャニーズWESTの藤井流星&濱田崇裕主演ドラマ「卒業バカメンタリー」への吉田のレギュラー出演が決まったりと最近メディア露出が増している一方で、バンドのキャラクターは楽曲の世界観と同様に今もどこかつかみどころのない雰囲気を漂わせている。

音楽ナタリーではトリプルファイヤーが通算4枚目のアルバム「FIRE」をリリースしたことを受けて、吉田の単独インタビューを実施。聞き手にプロインタビュアーの吉田豪を迎え、新宿御苑のスナックしろくまで取材を行った。序盤はテンションが低く口数が少ない吉田だったが、途中から酒の力を借りて発言が大胆に。彼は自身の現状やバンドの今後について、今の思いをじっくりと語った。

取材・文 / 吉田豪 撮影 / 沼田学 撮影協力 / スナックしろくま

「タモリ倶楽部」効果でドラムの大垣に仕事が

──吉田さんはこの店でたまに働いてるんですよね?

(以下の発言はすべてすごい小声で、スローモーに)そうですね。たまにですけど……。

──バイトは基本的に続かないけれど、ここの仕事はなんとか続く。

まあ、店の人が僕に優しいので……。

──どういう人なのか、わかってくれてますからね(笑)。ほかのバイトはなんで長続きしないんですか?

うーん……人間関係ですかね。たまにすごい冷たくされる、機嫌が悪いのかなんかで冷たくされるとちょっと辞めたくなります。前にすごい向いてるなってバイトをやってたんですけど、余裕ができると空いてる時間にめちゃめちゃ2ちゃんねるとかを見始めちゃう。そういう堕落してる感が嫌で辞めたりとか、辞める理由はバラバラですね。まあ「もっといいところがあるんじゃないか」みたいなことも毎回思ってますね。ないものねだりです……。

吉田靖直(Vo)

──テレビに出始めてから職場とかで顔バレしてないですか?

バイト先の掃除屋さんで会ったおばちゃんが、「タモリ倶楽部」を毎週録ってるらしくて。「出てたね」って言ってたって友達から聞きました。それぐらいっす……。

──「タモリ倶楽部」効果は全然ないんですね(笑)。

ははは(笑)。そうですね。思ったより特別何かはないです。この前の放送(10月13日放送、「トリプルファイヤー吉田の適正バイトを探す」企画)が終わったあとに、1個だけオファーメールが来たんですけど、ドラムの大垣(翔)がSEの仕事をやってるっていうのを番組中に言ったら、IT会社から「バンドを続けられる、もっと労働条件のいい会社をやっているので来ませんか?」っていうオファーが来て。それぐらいです……。

──それだけ(笑)。「タモリ倶楽部」は吉田さんの特集だったのに! 吉田さんはバラエティ方面でも成功したいみたいな思いはあるんですか?

うーん、いやまあ、あんまり力が出せる感じがしないんで。目立ちたがりなところはたぶんあるんでしょうね。でも、「共感百景」みたいな番組がちょくちょくやってたらいいなって思います。テレビで知ってくれる人も増えて、バンドもいい感じになって、相乗効果が生まれたらいいんですけど。この前の「タモリ倶楽部」のあとに、ライブのチケットがまあまあ売れたんで。こうやって今キテるんじゃないか感を出せればと……。

──「タモリ倶楽部」で特集されるっていうのは異常事態ですからね。

そうですよね……。

──ただ、あのとき吉田さんのお父さんがトリプルファイヤーについて言ってた言葉が引っ掛かるんですよ。

ああ。「日陰者は好きそうだけど一般的には売れないだろう」みたいな……。

──そうです。ものすごい冷静なコメントをしていて(笑)。

その取材をした人と最近飲んだんですけど、「お父さん、あのあともっとひどいことを言ってた」って言ってました。何を言ったのかは教えてくれなかったんですけど(笑)。けっこう冷静にDisられてるんです……。

ロックスターに憧れて、ポケットにウイスキーの小瓶を

──バンドとして音は間違いなくカッコいい、歌詞もすごい、でも本気で売れたいのかどうかっていうのは正直気になるところなんですよ。

ああー。あんまりそこと向き合ってないですね。メジャーの人とかだったら考えないといけないと思うんですけど、僕らは別に自分らに返ってくるだけなんで。まあ、無理せずやってます……。

──現状では「バンドだけで食っていくぞ!」みたいな野心があるわけでもなく。

生活できるのはいいですけど、結果としてと言うか、今やってることをがんばって、食えるようになったらいいなって思います。たぶん、本当に売れることを目指すならもっと賢いやり方があると思うんですけど、戦略的なことは全然やってないです……。

──戦略的なことを考える大人が近付いてきたりしたら乗っかります?

今、増本(康祉)さんっていう方がバンドを手伝ってくれてて、その人は「ダサい売れ方でも売れりゃいい」って感じじゃないんで。その感覚が信用できるなと思って、増本さんが言うことを参考にしてやってますね。なんか乗っかってくる人がいても、増本さんに聞いて「ちょっと考えよう」って……。

──自分はジャッジしないんですか(笑)。

最近あんまりジャッジしてないですね。言うこと聞いてます。前はもうちょい「自分を貫こう」っていう気持ちもあったんですけど、争いを避けるようになって……。

吉田靖直(Vo)

──何かあったんですか?

なんですかね、年齢ですかね……ロックスターってそういうときに人と戦って自分の意思を貫くものだと思うんで、それを昔は参考にしてたんですけど。ちょっと自分に合ってない感じでしたね……。

──そういう憧れはあったんですね(笑)。

憧れはありますね……。

──ちょっと粗暴なことをしたりとか。

最近はないですけど。二十代前半くらいまでは。まあ、ポケットにウイスキーの小瓶を入れておくとか、それくらいです(笑)。

──ちびちび飲んで(笑)。

そうっすね。酒を飲んで道で寝てて財布を盗られたとしても、そういうエピソードは成り上がりのいい味付けとして後々使えるって言うか(笑)。そんな感じがちょっとあったんですけど、最近もう普通にちょっと嫌だなっていう。気持ちよく生きていきたいなって感じです……。

トリプルファイヤー「FIRE」
2017年11月2日発売 / アクティブの会
トリプルファイヤー「FIRE」

[CD]
2160円/ WAVE-04

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 中一からやり直したい
  2. 人生を変える言葉
  3. はずれのヘルス嬢
  4. 野球選手になるために
  5. 有名な病気
  6. 漁師の手
  7. コインとキノコ
  8. 銀行に行った日
  9. じじいの同窓会
  10. 人生を変えた言葉
  11. 普通は走り出す
Mac DeMarco Japan Tour 2018

2018年1月22日(月)東京都 LIQUIDROOM
2018年1月23日(火)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

<出演者>
マック・デマルコ / トリプルファイヤー(サポートアクト)

「CAMPFIRE vol.1」

2018年2月9日(金)東京都 TSUTAYA O-nest

<出演者>
トリプルファイヤー / 柴田聡子inFIRE

トリプルファイヤー
トリプルファイヤー
吉田靖直(Vo)、鳥居真道(G)、山本慶幸(B)、大垣翔(Dr)からなるロックバンド。2006年に早稲田大学の音楽サークルで結成され、2010年に鳥居が加入して現在の編成になる。2012年5月初のアルバム「エキサイティングフラッシュ」をリリース。ソリッドな演奏とシュールな歌詞を組み合わせた今までにない作風で注目を集め、2014年2月発売の「スキルアップ」、2015年9月発売の「エピタフ」が話題作となる。2014年公開の今泉力哉監督映画「サッドティー」では劇伴を担当し、2016年には紗倉まな&小島みなみによるユニット・おとといフライデーにシングル表題曲「私ほとんどスカイフィッシュ」を提供。2017年7月には「FUJI ROCK FESTIVAL 2017」への出演を果たした。吉田はテレビ番組へもたびたび出演しており、2017年10月にはテレビ朝日系「タモリ倶楽部」にて全編にわたって吉田を特集。2018年1月より日本テレビでスタートするジャニーズWESTの藤井流星&濱田崇裕主演ドラマ「卒業バカメンタリー」へのレギュラー出演も決定している。最新作は2017年11月発売のアルバム「FIRE」。