「9999+1」はツアーを経てコンプリートした作品
──「9999+1」には未発表曲2曲のデモ音源も入っています。「ダレカニ-demo-」と「eien-demo2015-」ですね。
吉井 「ダレカニ」は「9999」のアウトテイクで、「eien」は「ALRIGHT」の制作時のアウトテイクです。
──「ダレカニ」は完成しなかったんですか?
吉井 完成しなかったというか、省きました。バランスが悪いからやめようと。とはいえバンドの演奏は完成しているし、いい曲になっただろうけど、まあ記念盤なんでここに入れておこうと。アルバム制作の空気感もわかるだろうし。「eien」は2015年に作っているので、それもそのときの空気感が伝わるし。
ヒーセ 再集結するのをまだ内緒にしていた時期にレコーディングしました。発表する全然前です。
──「eien」はエマさんの作曲ですが、これはバンド用に書いたものですか?
エマ そうです。再集結して「またこの4人でできるんだ」と思って、それをイメージして書きました。
吉井 これは次のアルバムに入るんじゃないかな。たぶん。
──ちなみに「9999+1」というタイトルの「+1」というのは……。
吉井 いっそ「10000」にすればよかったね。
エマ 税込み?
吉井 1万円で売ればよかった(笑)。
ヒーセ 消費税が上がったから1足したんだ。
──そういうことではないと思います(笑)。
ヒーセ でも「GRATEFUL SPOONFUL EDITION-」なので、ツアーで生まれた要素も多分に入っているので。豪華な写真集や、DVDのライブ映像も含めて、ツアーを経てコンプリートしたものが“+1”の意味じゃないですかね。
ドームツアーは次につながる布石になる
──そして、いよいよバンド初のドームツアーが12月28日のナゴヤドームでスタートします。
吉井 今回のアリーナツアー、名古屋ではやれてないんですよ。
──あ。そういえば。
吉井 アリーナが工事中だったんです。だからやってない。もう「どういうことだ!」って言われてね、名古屋の人に(笑)。そういうのをいつも必ず、きちんと返すのがTHE YELLOW MONKEYだから。「ほら、ちゃんとやるでしょ?」って。「じゃあ許してやる」と。
──あはは(笑)。答えも用意してる。
吉井 あとは「メカラ ウロコ」の出前シリーズを、前回の2017年は福岡でやったので、順番的には名古屋かなと。だから満を持して、「このために再集結したんじゃないか?」というぐらいですよ。“おわり名古屋”だから。
ヒーセ 始まりじゃないの?(笑)
吉井 始まり名古屋。和やかに。でもドームツアーは本当に楽しみですね。準備をしっかりして、一番いいTHE YELLOW MONKEYを観ていただきたいなと思います。早くやりたいですね。
ヒーセ 名古屋、大阪、東京2DAYSとセットリストも全部違います。間がかなり空いているので、仮に名古屋を観て「やっぱり大阪も観ておこう」と思ったときに、2カ月先だから準備もできる日程だと思うし。東京しかチケット取ってないけど、名古屋の評判がよかったから大阪も行きたい、ということもありえる。
──またしてもコンプリート欲をそそるツアーですよ。もう4種類のセットリストは決めていますか?
吉井 はい。リハーサルも始まってます。一期一会なんで、今からやってないと無理ですね。「初日はこんな感じかな」とか言ってられないんでね。全公演とも“初日”しかないんで。
ヒーセ ほんと、そうなんですよ。
エマ 再集結から今日までのTHE YELLOW MONKEYはもちろんそうですけど、30周年ということもありますから、THE YELLOW MONKEYが生まれてからの、ある意味で集大成的なパフォーマンスをしたいと思ってます。ここで一旦完結というか、30年を経た今のTHE YELLOW MONKEYというものを見せてあげたい気持ちがあって、普通のツアーとは気持ちが違うかもしれないです。がんばるしかないです。
吉井 ほんと、がんばるしかない。
アニー がんばるしかないよね。
エマ 「9999」をリリースして「GRATEFUL SPOONFUL」ツアーを回れたことがやっぱりすごく大きくて。それプラス、昔からのTHE YELLOW MONKEYをミックスさせたものを見せたいです。もしかしたらちょっと先のことも匂わせるかもしれない。わかんないですけど、とりあえずは30周年ということもありますし、そこまでのTHE YELLOW MONKEYをすべて出したいなという気持ちですね。
アニー さっき初日うんぬんと言ってましたけど、この間のツアーで4つのマークのセットリストがあって、例えば♡なら♡、♤なら♤の初日が全部よかったんですよ。初日ならではの緊張感を持ったよさというものを、今すごく出せるバンドになっているので、それで言うとこのドームツアーは毎公演ともいいはずなんですよ。
エマ 毎回初日だからね。
アニー そう。
エマ 毎回最終日とも言えるけど。
吉井 じゃあダメじゃん(笑)。
アニー いや、最終日もいいよ! 集中力が高まるし、エマが言ったみたいに「9999」を出して「GRATEFUL SPOONFUL」のツアーを回って得たものはすごく大きくて、それを持って今はライブをやりたくてしょうがない衝動がすごくあるんで。今後のTHE YELLOW MONKEYは、ドームが終わったあともまた活動すると思いますけど、そのときのための礎(いしずえ)を今年作れたなと。
吉井 礎。
アニー 今年の一連の活動があって、ようやく第2期のTHE YELLOW MONKEYが固まったという、それをドームにぶつけられると思うんで。それは次につながる布石になるような。
ヒーセ 布石。
アニー 今のはわざと繰り返したんだろうけど(笑)。でもそういうライブになるかなと思いますね。今のTHE YELLOW MONKEYのポテンシャルは、それぐらいのものがありますね。
──楽しみです。ちなみにその後のことで何か言えることはありますか? 先日どこかの新聞に、活動休止的なことがチラッと出てましたけど。
吉井 再集結以降の“シーズン2”が終わるということですね。次のアルバムの準備に入ろうということです。
アニー だって、時間をかけないとアルバムが作れないじゃないですか。普通のことですよね。もったいないですよ、今のこの感じ。やっぱり続けないと。
──そのセリフを聞けて安心しました。ドームツアーを楽しみにしてます。ヒーセさん、最後に何か言い残したことがあれば。
ヒーセ 自分的に、ドームという大きな会場で「DANDAN」が鳴り響いていると、楽しいなと思います。みんなで「ヘイ!」って言いたいですね。とにかく、最新の曲を持って30周年を迎えて、でっかい会場でその曲を演奏できるのがすごく待ち遠しいです。
ライブ情報
- THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR
-
- 2019年12月28日(土)愛知県 ナゴヤドーム
- 2020年2月11日(火・祝)大阪府 京セラドーム大阪
- 2020年4月4日(土)東京都 東京ドーム
- 2020年4月5日(日)東京都 東京ドーム