THE CHARM PARK|セルフタイトル作で浮かび上がった自分の色

邦楽と洋楽の間に線はない

──日本の音楽とアメリカの音楽、どちらとも身近に接してきた中で、その違いをどのように感じていますか?

THE CHARM PARK

僕がアメリカの音楽ですごくいいと思っているところは、アルバムのリリースのスパンが長くて、みんな前作と違うことをしようとしている点ですね。「前の作品のほうがよかった」と思われることももちろんありますけど、すごくカッコよく変わることもあって。そういった挑戦がアメリカは日本より多いと思います。日本はリスナーに優しんですよね。「みんなこういう音楽をまた聴きたいんだろうな」と考えて作品を作ってると言うか。

──なるほど。そんな中、THE CHARM PARKさんの音楽は邦楽と洋楽の垣根をなくしているように感じます。

僕は来日してからバンドをやっていたことがあって、日本で活動するということで、ものすごく邦楽を意識して曲を作っていたんですが、今振り返ってみるとちょっと視野が狭かったんじゃないかなと思うんです。邦楽と洋楽の間にはっきりした線があるわけじゃないし、どっちを聴くかの割合も人によって違うし。100%洋楽しか聴かない人もいれば、その逆もいて。自分は今80%洋楽、20%邦楽という割合で音楽を聴いているのですが、今回のアルバムにはその割合がそのまま出ていると思います。

閉鎖した空間で作品を作りたい

──配信シングルシリーズに続き、アルバムのジャケットにはイラストレーターの寺田マユミさんによる描き下ろしイラストが採用されていますね。

THE CHARM PARK

寺田さんはうちのスタッフから紹介してもらったのですが、こちらのリクエストにとても丁寧に応えてくれて、作品への愛情をすごく感じますね。素晴らしいイラストレーターさんだと思います。

──「Fly Free」のリリックビデオには、寺田さんがイラストを制作する過程が収められています。

もし「作品を作ってる過程を映像にしたい」と言われたら、僕は絶対に断ると思います。いろいろ恥ずかしいし、何をやってるかバレたくないし(笑)。ラーメン屋がラーメンの作り方をバラしているようなものだから……寺田さんにはすごく感謝しています。

──THE CHARM PARKさんは、曲作りや宅録してる過程を人に見せたくないんでしょうか。

共作する場合に相手に見せるのは大丈夫なんですが、それ以外の方に見られるのはちょっと恥ずかしいですね。今回のアルバムは全部宅録で制作したんですが、スタジオで作っていたらきっとクオリティの低いものになっていたと思います。閉鎖した空間で自由に作品を作ることが大事だと思っています。「Lost」のようにストリングスをいい音で録りたいときはスタジオでレコーディングするときもありますけど、それ以外の、例えば歌録りなんかは自宅で録るように心がけています。

止まらずに、進化を続けたい

──大橋トリオさんのサポートや、南波志帆さんのサウンドプロデュースなども今後自身の活動と並行して続けていく予定ですか?

ほかのアーティストとの仕事も好きですが、いずれはソロの活動に集中したいですね。サポートなどの活動だけでは、自分で表現できることに限界があると感じていて。でもすごくありがたい仕事ですし、いい経験になっています。

THE CHARM PARK

──12月には東京と大阪でワンマンライブ「THE CHARM PARK GRAND OPEN TOUR」が開催されます。アルバムの曲が多く披露されるのでしょうか?

そうですね。お客さんもアルバムの新しい曲を期待して来てくださるでしょうし、できるだけたくさんやりたいですね。

──THE CHARM PARKというソロプロジェクトを今後どのように展開していきたいですか?

これまでの2枚のミニアルバムと今回のアルバムを制作するうえで意識した、「進む」「進化」というテーマを考えながら今後も作品を作っていきたいです。止まらずに、ずっと進化しながら音楽を続けて、さらに自分の好きなことがやれたら最高ですよね。

──最後に、注目している日本のアーティストがいたら教えてください。

yahyelさんはすごくカッコいいと思います。あと、Nulbarichさんもいい感じで音楽シーンの最前線を引っ張っている存在だと感じます。10歩前にいたら何をやっているか後ろにいる人にわかってもらえないけど、ちゃんと2、3歩前で、ちょうどいいバランスで最先端の音楽をやられていて。僕もなるべく早く音楽シーンの前線を歩けるようになりたいですね。

THE CHARM PARK「THE CHARM PARK」
2017年11月8日発売 / TOWER RECORDS
THE CHARM PARK「THE CHARM PARK」

[CD]
3024円 / TRJC-1070

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収録曲
  1. Lights
  2. Fly Free
  3. ディスク
  4. 進む
  5. Pillow
  6. Run
  7. Starry
  8. Make it Okay
  9. Favorite Songs
  10. Lost
  11. Dreamers

イベント情報

THE CHARM PARK GRAND OPEN TOUR -OSAKA-

2017年12月14日(木)大阪府 BananaHall

THE CHARM PARK GRAND OPEN TOUR -TOKYO-

2017年12月18日(月)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

THE CHARM PARK(チャームパーク)
THE CHARM PARK
韓国・ソウル生まれ、アメリカ・ロサンゼルス育ちのシンガーソングライター・Charmが歌、ソングライティング、演奏をほぼ1人で行うソロプロジェクト。マサチューセッツ州ボストンにあるバークリー音楽大学でギターを専攻したのち来日した彼は、2015年11月に1stミニアルバム「A LETTER」を発表し、叙情的で美しい楽曲とオーガニックかつダイナミックなサウンド、緻密なメロディで注目を集めた。2016年12月リリースの2ndミニアルバム「A REPLY」は、Apple Musicが新人アーティストを毎週1組ピックアップする企画「今週のNEW ARTIST」に選出された。2017年にはメナード「薬用ビューネ」のCMソングを担当し、V6のアルバム「The ONES」に表題曲を提供。同年11月に初のフルアルバム「THE CHARM PARK」をリリースしたのち、12月に東京と大阪でワンマンライブ「THE CHARM PARK GRAND OPEN TOUR」を開催する。自身のソロ活動のほかに大橋トリオのツアーサポートや、南波志帆のサウンドプロデュースなども行っている。