俺にはもうJESSEしかいないからね、そんなヤツは

──そのストーリーの続きを目の当たりにできたのが、2015年12月に開催されたThe BONEZの対バンツアー「Blood In Blood Out 2015」で、降谷建志を迎えて開催された福岡公演。あの日、The BONEZと建志バンドがともにステージに立つことで、Kさん以外のP.T.Pのメンバーがそろったんですよね。

Kj　やばかったね。PABLOも楽しそうだった。“ただいま”感あったって言ってた。

JESSE　あのとき、The BONEZの「Hey, You」をみんなでやったシーンがアルバムの付属DVD（「Tour Documentary "Blood In Blood Out"」）に入ってるんだけど、俺とギターのNAKAは友達として、P.T.Pのファンとして、イッシーとZAXと一緒にPABLOがギターを弾くのを見たいわけ。でもそこは難しいわけよ、あいつらの中では。

Kj　軽いもんじゃないからね。そしたらあの日はPABLOから「弾かせてよ」って言ったのがいいよね。

JESSE　そう！ で、一瞬だけP.T.Pの曲をやってるのがDVDに入ってるんだよ。そこで、なんて素晴らしいことを俺らはしてるんだろうって思ってさ。例えワンフレーズでも、そこにKの声が入っていようがいまいが、イッシーがベースが鳴らして、ZAXがドラム叩いて、PABLOがギター鳴らせば、自ずとKの声が聞こえんだよ。DVDの中のインタビューで、イッシーもZAXも、P.T.Pの旗を降ろしたコメントをしてないんだよね。あいつらは今もP.T.Pだし、KがいないだけでP.T.Pは健在なの。今回のツアーに建志のバンドに参加してもらいたかった理由は、PABLOが一番胸を張れる今の姿を見たかったからだし、建志がチャレンジしてる瞬間も見たかったからなんだよね。DragonとRIZEでやれば、「聖闘士星矢」で言うアーマーを脱いでも戦える状態（笑）。だけどThe BONEZや降谷建志バンドっていうのは、いろんなアーマーをつけて進もうとしてるとこだから、そのもどかしいとこで戦いたかった。そこにPABLOがいて武史がいてサクちゃん（桜井誠 / Dragon Ash）がいて……。

Kj　楽しいに決まってるよね。

──願わくばこの先、JESSEと建志くんの2人で何かを形にしてもらいたいですけどね。

Kj　俺、1回言ったんだよね、山嵐のSATOっちゃん（SATOSHI）に。俺とJESSEとの3MCでイケイケのユニットみたいなのやりましょうよって。そしたら5分も考えずに、「お前らにずーっと気い遣って、俺、吐いちゃう」って（笑）。なるほど、やるなら俺らの間に誰も挟めないんだなと思ったんだよね。

JESSE　間に入れるのはKぐらいしかいなかったんだよね。

Kj　そうだね。サビをKに任せて……。

JESSE　で、俺らはちょっとハモってラップして。DVDにも入ってるけど、福岡で山嵐の「fellowship」を建志と2人でやったときでさえファンがすげー喜んでて。それを見て、「そんなに期待してるんだ。じゃあ2人でやるの、もうちょっと先に延ばそうか」って（笑）。まあ、お互いチームの旗を背負ってる特攻隊長だからさ、いつか一緒にやったときは、ベジータでも悟空でもない新しいキャラが生まれると思うんだよね。

Kj　フュージョンしちゃうの？（笑） ただ気持ちのどっかで、エネミーじゃないけど、ミラーみたいな存在でいるのがカッコいいと思ってるっていうかさ。俺にはもう、JESSEしかいないからね、そんなヤツは。それに、（マイケル・）ジョーダンがいた頃のシカゴ・ブルズに（パトリック・アロイシャス・）ユーイングがいるみたいな状況になったら、それはもうカッコいいを通り越して“セコい”になってくるから（笑）。でも、エベレスト側とチョモランマ側で同じ山登ってるんだから、いつかはパッてやるのかもしれないけど。

JESSE　それこそ、神のみぞ知る。

Kj　でもそれやるとき、楽しすぎて全部解散しちゃうかもね。「え？ 続けるって言ってたことと違くね？」っつって（笑）。