THE BEAT GARDENインタビュー|新体制から半年、ニューアルバム「MADE IN DAMAGE」で深まる友情 (2/2)

照れながら愛と平和を歌う

──ラストに収録されている「世界線~ラブ☆ピース~」も存在感がありますが、これはTHE BEAT GARDEN流のミクスチャーロックを作ろうとしたのでしょうか?

U まさにそうです。カッコいいロックを作ろうと思ってできた曲なんですが、「恋スタ」でのSNSの手応えがあったり、「ラブコメディ」や「1分の1のラブソング」でこれまでにないストレートな歌詞を書けたり、レコーディングがとても楽しくできていたので、「世界線~ラブ☆ピース~」だけ王道のロックをやるのはどうなんだろう?と思って。歌詞はモーニング娘。の「ザ☆ピ~ス!」をイメージしながら弾けた感じで書きました。

渡部 第1稿の音源を聴かせてもらったとき、テンションが上がってUさんに連絡しました。ライブの画もすごく見えましたし、新体制の武器であるKAIとUさんのユニゾンがすごくいい形で出ている。2人の声のレンジは違うけど、相性がすごくよくて重なると一体感があるんですよね。そういう魅力が際立っている曲だなと思いました。わかりやすい合いの手もあって、よりキャッチーな曲になったんじゃないかなと。

KAI 僕はルーツがロックなので、こういう曲をレコーディングするのは楽しかったですね。デスボイスを入れたんですが、ガッと勢いのある、僕が理想とするライブに映えそうな最高の曲だなと思いました。

藤掛 最初に聴いたときはギターがすごくカッコよかったのと、90年代の洋ロックっぽくて懐かしさを感じていいなと思いました。THE BEAT GARDENはこれまで、愛とか平和とかここまで壮大なテーマを歌ってこなかったので、ラブ&ピースについてまっすぐに歌いながらもちょっと照れてる感じが自分たちらしいなと思いました。あとは歌詞に「はっはっはっ」と入っているのが笑い声みたいでいいなって。

U ミーティングとかで空気が重たくなると意見が出づらくなったりして、みんなで笑ってるときのほうがいい意見が出るんですよね。THE BEAT GARDENはそういうグループなんだろうなって。だから楽曲でも笑いを入れたほうが歌詞に込めた思いを素直に表現できるのかなと思いました。今全国フリーライブ中なんですが、こういう明るい歌詞だからこそ、めちゃくちゃ笑顔でパフォーマンスできていると思ってます。

THE BEAT GARDEN

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関係性はまさに「フレンズ」

──「フレンズ」は作詞がTHE BEAT GARDEN名義で作曲がKAIさん、編曲が渡部さんです。

渡部 僕がある程度トラックを形にして、KAIが僕の家に来てそのトラックをベースにコライトみたいな感じで作っていきました。もともとメンバー同士のことを歌おうと決めていて、THE BEAT GARDENは友達のような関係なので、友達をテーマに曲を作ろうと思いながら徐々に構築していきました。

──新体制での初のアルバムということで、メンバーの絆を歌った曲があったほうがいいと考えたんでしょうか?

渡部 最初はそうでした。そこから視野が広がって友達という存在を歌った曲になっていきました。

U シングル曲だとなかなかメンバーのことを題材に曲は書けないですし、新体制の始まりのアルバムなのでこういう曲があるといいなと思いました。今の体制になる前から、メンバーは友達だとずっと言い続けてきて、当時はサポートメンバーだったkowta2も弟のような存在でいてくれました。KAIは突然僕がDMで誘って加入してくれましたが、ポジティブでふざけたヤツなので選んでよかったと思ってます。KAIの歌声に惹かれて誘いましたが、今一緒に楽しく歌えているのは友達みたいな関係性になれたからこそだと思ってます。

KAI 怜くんの家でトラックに合わせて思いついたメロディをスキャットしながら入れていったんです。トラック自体が温かくて友情を感じさせるもので、僕としてはみんなで円になってギターを弾きながら歌うみたいな画が浮かんだので、そこからすぐにメロディが浮かびました。あとはメンバーそれぞれが自分の担当するパートの歌詞を持ち寄ってまとめていきましたね。

KAI(Vo)

KAI(Vo)

──歌詞でこだわったところは?

KAI 歌い出しの「友達のルールとか考えたことないけど」は僕のパートですが、加入当初は「THE BEAT GARDENはメンバーなのか友達なのかどっちなんだろう」と考えたこともあったんです。今も友達の定義はわからないけど、メンバーを親友だと思っていて、そういう存在がいるのはとても素敵だなと実感することが増えています。特にお気に入りの歌詞ですね。

藤掛 僕もメンバーのことは前の体制のときからずっと友達だと思っていますし、KAIもkowta2も友達になれないと思ったらメンバーにしてません。今やってる全国フリーライブでは、みんなでいろいろな場所に行く時間が友情を深めている気がします。この5人は幼い頃から友達のような感覚があって、「いつから仲よくなったんだっけ?」と日々感じるくらいです。

──「フレンズ」ではkowta2さんのスクラッチがかなりフィーチャーされています。アウトロはスクラッチとボイスサンプリングがかけ合わさっていて。

渡部 そうですね。5人の歌でもあり友達の歌でもあるので、自分たちの声をサンプルっぽく使いたいなと。DJのkowta2がフィーチャーされるところも作りたかったから、ボーカルサンプルっぽくスクラッチをするという、これまで僕たちがやってこなかったことを提案してみました。kowta2がすぐに実現してくれて完成形に至るという感じです。

kowta2 クラブでのDJプレイではやってましたけど、楽曲にボーカルサンプルっぽくスクラッチを入れるのは初めてだったので、試行錯誤しながら挑戦しました。結果うまくできたと思ってます。

ファンも驚くライブハウスツアー

──今真っ最中の全国フリーライブはどうですか? 10thシングル「Happy Ender」のときも新体制でのライブはとても楽しいとおっしゃっていましたが(参照:THE BEAT GARDEN新メンバー加入でパワーアップ、シングル「Happy Ender」インタビュー)。

U 今もっと楽しくなってるよね。

藤掛 めっちゃ楽しいですね。

U これまで応援してくれてたファンのみんなも、先にSNSに公開した「恋ってスタディ?」と「ラブコメディ」をめちゃめちゃ聴き込んできてくれて、初披露の新曲とは思えないほど、みんなが手を挙げたりして盛り上がってくれてます。初めてTHE BEAT GARDENのライブに来てくれた人もたくさんいて、SNSのフォロワー数が1日100人以上伸びるときもあるんです。うれしいですね。

──9月からのアルバムツアーはどんな内容にしたいですか?

kowta2 ライブハウスではまだ5人体制のライブをやっていないので楽しみですね。アルバムのアートワークのイメージで、スペース・マウンテンに乗ってるような感覚で楽しんでもらいたいです。スペース・マウンテンは上昇したと思ったら途中で止まって急降下したりしますよね。そんな緩急のあるセットリストを組んでます。

kowta2(DJ)

kowta2(DJ)

U kowta2的にはスペース・マウンテンなんだ(笑)。

kowta2 そんな感じです(笑)。いろんな演出もあって、オモロいライブになると思ってます。

渡部 アルバムをまだリリースしてない段階からSNSとかで新曲を知ってくれて、ライブで披露するとすぐに爆発的に盛り上がるのがうれしいですね。僕らのライブの盛り上がりを知って興味本位でフリーライブをのぞいてくれるお客さんもいて、そういう人たちにもアルバムツアーに来てほしいです。僕はラップをやっているんですけど、SNSとかで5人それぞれの個性を知ってもらったうえでライブに来てもらえるとさらに楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

藤掛 今メンバーといる時間が一番楽しいんですよね。THE BEAT GARDENは結成から13年も経っていますが、新人みたいな気持ちで初心に返って今、自分たちができることを考えられている。ファンの人の気持ちを優先することもありますが、自分たちが何をしたいかを大事にしたい。でもライブはファンのみんなと一緒に作っていくものなので、「どんなTHE BEAT GARDENも受け入れてくれてありがとう」という気持ちでライブに挑みたいなと思います。

KAI 僕にとっては初めてのライブハウスでのワンマンになるので、まずはそういう場所を与えてもらえていることへの感謝の気持ちがあります。ライブに初めて来てくれる人をこちらの世界にぐっと引き込む作戦をいろいろ考えてますね。とにかくたくさんの人と一緒に遊びたいです。

U 僕たちの活動は路上ライブから始まりましたが、自分たちが好きなミュージシャンのライブに行くのをめっちゃ楽しみにしているのと同じように、僕たちのライブを楽しみにしてくれている人がいるということは本当にありがたいことだなと改めて感じています。これまでたくさんのファンの方たちと寄り添い合って歩んで、何度もライブを重ねてきましたが、次のツアーは皆さん驚くと思います。長く一緒に歩んできてくれた人こそ、5人になった僕たちのライブで驚けるのはうれしいことなんじゃないかなって。楽しみにしててもらいたいですね。

THE BEAT GARDEN

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公演情報

THE BEAT GARDEN one man live tour 2025「OVER,ANDER,AROUND」

  • 2025年9月6日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
  • 2025年9月13日(土)熊本県 熊本B.9 V2
  • 2025年9月14日(日)福岡県 DRUM Be-1
  • 2025年9月27日(土)宮城県 仙台MACANA
  • 2025年9月28日(日)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2025年10月4日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2025年10月18日(土)香川県 DIME
  • 2025年10月19日(日)岡山県 岡山YEBISU YA PRO
  • 2025年11月2日(日)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2025年11月22日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
  • 2025年11月23日(日・祝)愛知県 ElectricLadyLand
  • 2025年12月6日(土)大阪府 BIGCAT

プロフィール

THE BEAT GARDEN(ビートガーデン)

U(Vo)、藤掛昌斗(Vo)、渡部怜(Vo)、kowta2(DJ)、KAI(Vo)からなるグループ。2016年7月にユニバーサルシグマよりシングル「Never End」でメジャーデビュー。結成10周年を迎えた2022年8月に発表したドラマ「六本木クラス」の挿入歌「Start Over」が大ヒットを記録した。2025年2月、サポートDJのkowta2と現役大学生のKAIが加入して新体制となり、3月に10thシングル「Happy Ender」、8月にフルアルバム「MADE IN DAMAGE」をリリース。9月から12月にかけて全国ツアー「THE BEAT GARDEN one man live tour 2025『OVER,ANDER,AROUND』」を行う。