THE BACK HORN結成25周年記念特集|ファン歴20年!「ダイヤのA」寺嶋裕二が山田将司&菅波栄純を質問攻め (3/3)

完全にぶっ壊して再構築

──リアレンジアルバムリリース後の7月には全国5カ所を回るツアーがあります。東阪の会場はBillboard Liveですね。

寺嶋 東京公演の日が「FUJI ROCK FESTIVAL」と被ってるんですよね。ちょっと外の空気を吸いに「FUJI ROCK」に行こうと思ってるので、僕は名古屋公演に行きます。

菅波 ぜひぜひ!

寺嶋 ちょうど聴く音楽のジャンルが広がってジャズとかも聴いていたので、このタイミングでそういう要素も入ったリアレンジアルバムがリリースされることが個人的にはうれしくて。リアレンジアルバムを聴いて、もう一度原曲を聴こうと思ってSpotifyで全部並べて聴いてみたんですけど、全然違いますね。

──原曲を知っている人はその違いを楽しめるし、原曲を知らない人もリアレンジ版単体でも楽しめますよね。気分によって聴き分けられるというか。

菅波 プレッシャーがなかったかといえば嘘になるよね。原曲が自分たち的にはベストだと思ってその時点で発表してるので。

山田 中途半端に原曲をなぞるとかえってダサくなると思ったので、完全にぶっ壊して再構築するつもりでやりました。

菅波 結果的にそれで正解だったと思います。

左から菅波栄純、山田将司、寺嶋裕二。

左から菅波栄純、山田将司、寺嶋裕二。

一生この人たちの音楽を聴こう

寺嶋 僕は今回の対談が決まって、絶対に言おうと決めていたことがあって。(甲本)ヒロトさんを街で見かけて声をかけようか2人でモジモジしていたらいなくなっていたっていうのをTwitterか何かで見たんですよ。

──山田さんと菅波さんの2人が?

寺嶋 そう。「俺たち対バンしてるし、声かけてもいいんじゃね?」って言いつつも声をかけられなかったっていうエピソードを見たときに共感しかなくて、一生この人たちの音楽を聴こうと思いました(笑)。

山田 あったね。

菅波 新横浜駅だったね。

寺嶋 ザ・クロマニヨンズ、THE BACK HORN、サンボマスターで競演してましたよね。観に行きたかったけどチケットが取れなかったんだよなあ。

菅波 対バンしてもファン心理は変わらないんですよ。

山田 そうだよね。本番直前にヒロトさんが握手してくれたんですけど。

寺嶋 お二人にとってヒロトさんはヒーローだと思うんですけど、僕にとってはTHE BACK HORNがヒーローで。2人は自分がリスナーにとってのヒーローであるという自覚はありますか? 逆にそのことに息苦しさを感じたりとか。

山田 ヒーローにならなくちゃいけないと思ってそこに苦しんだ時期はありましたね。「THE BACK HORNのボーカルとしてこうでなきゃいけない」みたいな。

寺嶋 特にロックスターはファンからある種の理想像が求められる気がしますよね。僕自身と僕が描いたマンガのキャラクターはまったく別物なので、僕の場合はそういう呪縛やしがらみは一切ないですけど、ロックバンドの人はどうなのかが気になっていて。

山田 栄純はそういう理想像とかあるの?

菅波 やっぱあったよ。eastern youthの吉野(寿)さんのように見られたいとか。

山田 栄純は露骨にそこがわかりやすい(笑)。

菅波 対バンすると、先に出演したバンドの影響を受けまくるからね(笑)。

山田 イースタンとやったときもすごく影響されてライブ中に暴走し出して。あとで光舟に怒られるっていう(笑)。

寺嶋 あははは。

左から菅波栄純、山田将司、寺嶋裕二。

左から菅波栄純、山田将司、寺嶋裕二。

結成25周年を迎えた思い

──ちょっとアルバムの話に戻して、新曲の「Days」のことも伺えればと。まさにTHE BACK HORNの25年の歩みを象徴するような曲ですし、これからも進んでいく決意表明にもなっていると思います。この曲は松田さんが作詞、山田さんが作曲を担当していますね。

山田 リアレンジアルバムの中で唯一の新曲だったので祝福感は出したいと思っていて、ちょうど制作する時期にWeezerを聴いていたんです。Weezerから感じるこの祝福感はなんだろうと考えたときに、メロディがどんどん変わっていく感じとか羽ばたいていく感じなんだろうなと。それが今のTHE BACK HORNにも合う気がして、そこを狙って制作を始めました。三拍子で仕上げたらずっと転がって続いていく感じも出るかなと思って。

菅波 俺は歌詞のイメージは完全にはわかってない状態でギターをアレンジしているんですけど、コンセプトとして祝福とかアニバーサリー感のあるものをマツが書いてくるだろうなとは思っていて。ギターより先にピアノを入れたんですけど、遠くの音楽室から聞こえてくるような音にしました。アニバーサリーだし今を祝っているものだけど、自分の役割としてギターやピアノなどの上モノはノスタルジックに昔を振り返るような音にしたほうがより切ないんじゃないかなって思って、そこを取っかかりにギターのアレンジも進めましたね。

寺嶋 いやー、めちゃめちゃいい曲ですね。

──では、結成25周年迎えた思いを教えていただけますか?

山田菅波 ……。

菅波 なんだろう(笑)。ホントそういう質問に答えるのが苦手だよね。

山田 苦手だね。

──あまり周年は意識しないですか?

山田 「バンドの今後の展望は?」って聞かれたときが一番何も答えられない。

菅波 昔は逆ギレしてたもんね。「そんなこと聞かれてもわからないし」って。マンガ家さんは聞かれないですか?

寺嶋 「ダイヤのA actⅡ」の連載が終わった直後に「次の作品は」って担当編集さんからLINEが来たときは「もうちょっと休ませてくれよ」って思いましたね。

菅波 それはそうだ(笑)。

──10月に始まるアニバーサリーツアーの意気込みも聞きたいんですが……。

菅波 逆ギレしてた若かりし頃を経て、うまいことを言うのに酔っていた時期があったんですよ。ちょっと前の酔っていた時期は「リアレンジツアーで洗練されたあとに、ロックに原点回帰した俺たちが見れると思います」みたいなことを言って、俺と将司で目を見合わせて心の中で「うまいこと言ったな」みたいな。

山田 説明しなくていいよ(笑)。

──初日の千葉LOOKから始まって、3月にはパシフィコ横浜 国立大ホールのスペシャル公演もありますが、パシフィコでやるのは初ですよね。

山田 俺は栄純の意気込みを聴きたいですね。

菅波 将司ずるい! 俺も大人なのでパシフィコを推してほしいっていうマネージャーからの圧はわかるんですよ。だけど言いたくないっていう。40歳を超えると1周回ってまた言いたくない時期に入ってくるというか(笑)。

山田 イヤイヤ期(笑)。

寺嶋 あははは。でも僕は、もちろんリアレンジツアーも楽しみですけど、アニバーサリーツアーも本当に楽しみですね。25年分の楽曲がある中でセットリストがどうなるのか。

山田 まあシングル曲がメインになってくるのかなと。ただ、そのシングルとシングルの間をつなぐ曲に何を持ってくるのか。もちろんまだ何も決めてないですが、そこに何を持ってくるかでそのときのバンドの雰囲気が出る気はしますね。昔の楽曲と今のTHE BACK HORNの音が各地でどう交わって響くのか、自分たち自身も楽しみですね。

菅波 そしてパシフィコにはみんな全国から来てください! 結局言うけどね!(笑)

左から寺嶋裕二、山田将司、菅波栄純。

左から寺嶋裕二、山田将司、菅波栄純。

ライブ情報

THE BACK HORN「KYO-MEIワンマンツアー」~REARRANGE THE BACK HORN~

  • 2023年7月8日(土)宮城県 Rensa
  • 2023年7月15日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2023年7月17日(月・祝)福岡県 Gate's7
  • 2023年7月23日(日)大阪府 Billboard Live OSAKA
  • 2023年7月30日(日)東京都 Billboard Live TOKYO

THE BACK HORN 25th ANNIVERSARY TOUR

  • 2023年10月13日(金)千葉県 千葉LOOK
  • 2023年10月15日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2023年10月22日(日)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2023年10月27日(金)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2023年10月29日(日)京都府 磔磔
  • 2023年11月12日(日)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2023年11月17日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2023年11月19日(日)岩手県 Club Change WAVE
  • 2023年11月23日(木・祝)大阪府 なんばHatch
  • 2023年11月25日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2023年12月1日(金)香川県 高松MONSTER
  • 2023年12月3日(日)高知県 X-pt.
  • 2023年12月8日(金)鹿児島県 CAPARVO HALL
  • 2023年12月10日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2023年12月16日(土)宮城県 Rensa

THE BACK HORN 25th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE

2024年3月23日(土)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール

プロフィール

THE BACK HORN(バックホーン)

1998年に結成された4人組バンド。2001年にシングル「サニー」でメジャーデビューを果たす。オリジナリティあふれる楽曲の世界観が評価され、映画「アカルイミライ」の主題歌「未来」をはじめ、映画「CASSHERN」の挿入歌「レクイエム」、MBS・TBS系「機動戦士ガンダム 00」の主題歌「罠」を手がけるなど映像作品とのコラボレーションも多数展開している。結成10周年時にベスト盤「BEST THE BACK HORN」、15周年でB面集「B-SIDE THE BACK HORN」、20周年で新録アルバム「ALL INDIES THE BACK HORN」を発表しており、25周年を迎えた2023年6月にリアレンジアルバム「REARRANGE THE BACK HORN」をリリースした。7月に「『KYO-MEIワンマンツアー』~REARRANGE THE BACK HORN~」で5都市を回ったあと、10月より全国ツアー「THE BACK HORN 25th ANNIVERSARY TOUR」を開催する。そして2024年3月23日にはアニバーサリーを締めくくるスペシャルライブとして、バンド初となる神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマンライブを実施する。

寺嶋裕二(テラジマユウジ)

1974年5月10日香川県生まれ。1999年に投稿作「メンバー」が「第62回マガジン新人漫画賞」にて佳作を受賞。同年「マガシンFRESH」に掲載されデビューとなる。2002年「マガジンSPECIAL」にてテニスをテーマに扱った「GIANT STEP」の連載を開始。以降、2度の読み切り掲載を経て、2006年に「週刊少年マガジン」にて高校野球を舞台にした「ダイヤのA」をスタート。強豪校に野球留学した主人公がチームメイトと切磋琢磨していく姿が読者の心をつかむ。2015年に第1部が終了し、同年から2022年にかけて「ダイヤのA actⅡ」が連載された。「ダイヤのA」は「第53回小学館漫画賞」少年向け部門、「第34回講談社漫画賞」少年部門を受賞。現在テレビ東京系列や動画配信サービスにてアニメが放送 / 配信されている。

※記事初出時、固有名詞に誤りのある箇所がございました。お詫びして訂正します。

2023年6月19日更新