ナタリー PowerPush - 多和田えみ

ソウルミュージックの魂を受け継ぐ1stフルアルバム「SINGS」完成

多和田えみが1stフルアルバム「SINGS」を11月4日にリリースする。アルバムには過去に発表された作品からセレクトされた楽曲に、新曲やニューレコーディング音源を加えた全16曲を収録。デビューからこれまでに歩んできた道のりを振り返りつつ、これから先のさらなる進化も予感させる、強力な作品に仕上がっている。

ナタリーPower Push通算5回目の登場となる今回のインタビューでは、デビュー前のエピソードなどを交えつつ、自身の考える理想の音楽、記念すべき1stフルアルバム「SINGS」に込めた思いについて語ってもらった。

取材・文/臼杵成晃

 
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シンプルに「歌うこと」を伝えたかった

──先日退院されたばかりですが、ホントに大丈夫ですか?

アハハハハ、すみません。もうすっかり大丈夫です。だいぶお騒がせしました。

──しかし、巨大なアフロから坊主頭というのは、思い切りが良すぎるというか(笑)。

入院中ってすごい熱が高くて39~40度ぐらいあったんですよ、毎日。そうなるとシャワーもなかなか浴びれなくて。だからといって美容室に行ってストレートに直すわけにもいかないし、なんとなく……「じゃあ剃っちゃえ」って(笑)。一応アフロのかつらもゲットしたんですよ。

──かつらはブログで拝見しましたけど、最盛時のアフロとかなり似たものが見つかりましたよね。

ほとんど変わらないって言われます(笑)。

──アフロはともかく(笑)、最新アルバム「SINGS」ですけど、まさにデビューからこれまでの集大成と言える内容になりましたね。選曲についてはどのように?

まず、今までフルアルバムのために作ってきてレコーディングを済ませていた曲、いいタイミングで出したいと思ってあたためていた曲が結構あったので、ぜひこのタイミングで皆さんにお届けしたいという思いがあって。あとはやっぱり、まだ私の音楽を知らない方もたくさんいるので、その方々にも自分なりのソウルミュージックというか、“魂の音楽”みたいなものが伝わりやすい作品にしたかったんです。

──このアルバムで初披露となる曲以外は、過去のミニアルバムやシングルからまんべんなくセレクトされていますよね。ベスト盤のような要素もあるというか。

デビュー前からいろんな出会いがあったので、その大事なポイントの中から少しずつ。特にライブで「The Soul Infinity」(多和田えみのライブサポートとして結成された固定メンバーによるバンド)と一緒にやってきた曲は演奏するたび濃くなってきているので、その中からいくつか選んでバンドで新録もしよう、と。そうすることで今まで聴いてくれてた皆さんにも新鮮なかたちで届けられたらいいな、と思って選んでいきました。

──全体の流れも、そのままライブのセットリストとして成立するようなムードで。

そうなんですよ。私が好きなライブの流れ、空気感みたいなものがあって、アルバムの選曲も自然とそういうふうになりましたね。

──いろんな要素がありながらも、全体のイメージはタイトルの「SINGS」に集約されているというか。シンプルに“歌”が伝ってくるアルバムだな、と感じました。

うん、そうですね。すべては歌うことで繋がってきたし、音楽が導いてくれたっていう意味でも、シンプルに「歌うこと」を伝えたかったんです。

好きな音楽へのこだわり

多和田えみ

──メジャーデビュー前、沖縄で活動していた時代から数えてもまだ3年ぐらいしか経っていないですけど、最初の頃と今では成長ぶりも含めて多和田さんの音楽は大きく変化していると思うんですね。でも、こうして1枚のフルアルバムとして聴いてみると、芯の部分は実はあまり変わっていないんだな、という印象を受けました。

うん。やっぱり「根っこの部分は変わらないんだね」っていうのはいろんなところで言われましたね。自分としても、最初っから考えてることは一緒で。そのときどきの気分や感覚で表現の仕方はさまざまだったんですけど、やっぱりどっちに行っても同じ場所にたどり着くというか。

──サウンド的には、今の音楽としてはかなり特殊だと思うんですよ。

ハイ(高音域)が極端にないですからね(笑)。

──今はラジオやテレビで音が目立つように、全体の音圧をドンドン上げる傾向にありますよね。そういった意味では全く真逆というか、ヒットチャートを意識して考えると、今こういう音楽をやるのは難しいんじゃないですか?

リードトラックも10曲目でやっと出てきますしね(笑)。プロモーターの方は苦労されてるかも……。

──ただ、そこまで完璧に自分の好きな音楽を追求しているぶん、この音が好きな人には一発で届くと思うんですよね。ラジオで大きな音で鳴らなくても、逆に目立つんじゃないかと。

好きな音楽をそのまま表現しているので、ありのままで受け止めてもらえるとうれしいですね。

1stフルアルバム『SINGS』 / 2009年11月4日発売 / techesko

  • 初回限定盤 [CD+DVD] 3800円(税込) / QVC-B006~7 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤 [CD] 3059円(税込) / QVCB-008 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. Overture -theme of techesko-
  2. Baby Come Close To Me
  3. Naturally (The Soul Infinity Album Version)
  4. MUSING
  5. Only Need A Little Light
  6. 愛音色
  7. eternity
  8. 時の空 (Album Version)
  9. 月のうた
  10. 涙ノ音
  11. ネガイノソラ
  12. FLOWERS
  13. Dance To The Music / Joy To The World
  14. INTO YOU (The Soul Infinity Album Version)
  15. CAN’T REACH (Album Version)
  16. ONE LOVE
初回盤DVD収録内容
  • ビデオクリップ全作品
  • インタビュー映像
  • ライブ映像

ニューシングル『涙ノ音』 / 2009年11月4日発売 / 1020円(税込) / techesko / QVCB-005

  • Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. 涙ノ音
  2. Breath
  3. The Christmas Song
  4. 涙ノ音 (Instrumental)
多和田えみ(たわたえみ)

1984年生まれ、沖縄出身の女性シンガー。高校卒業後、カナダへの語学留学中に出会ったストリート・ジャズ・バンドで歌ったことをきっかけに、本格的に音楽を志す。帰国後に作詞作曲を開始し、2006年2月から沖縄県内のホテルやライブハウスを中心に積極的なライブ活動を展開。翌2007年にMSN/EMI ARTIST主催のオーディション決勝大会で、NYLON賞を受賞する。同年5月に沖縄限定シングル「ネガイノソラ」がリリースされ、好セールスを記録。その後もアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュートアルバム「ジョビニアーナ~愛と微笑みと花~」や、沖縄出身アーティストによるコンピ盤「琉球LOVERS ROCK」などに参加し、注目を集める。そして2008年4月、ミニアルバム「∞infinity∞」で待望のメジャーデビュー。ブルースやソウル、ジャズ、ファンクなどブラックミュージックから強く影響を受けたサウンドと、ときに激しく、ときに優しく聴き手に訴えかけるソウルフルな歌声が高く評価されている。