ナタリー PowerPush - 多和田えみ × Saigenji
2つの才能が生んだ極上のポップミュージック 「時の空」の背景に迫る
多和田えみが満を持してリリースする1stシングル「時の空」（全国ロードショー映画「築城せよ！」主題歌 / TBS系全国ネット「世界・ふしぎ発見！」エンディングテーマ ）は、彼女が憧れているアーティスト、Saigenjiが作曲を手がけたナンバー。多和田のソウルフルな歌声とSaigenjiのメロディセンス、2つの才能が交ざり合った極上のポップミュージックに仕上がっている。
好相性なコラボレーションで新境地を切り開いた多和田えみ。インタビューではSaigenjiをゲストに迎え、出会ったきっかけやレコーディング時のエピソード、音楽に対する思いを語ってもらった。
取材・文／臼杵成晃 撮影／平沼久奈
いいヴァイブスがゴーッと
──今回、多和田さんとSaigenjiさんで一緒に曲を作ることになったきっかけは？
多和田 もともと、私が普通にファンだったんですよ（笑）。Saigenjiさんが沖縄でライブやるときとか観に行ってたり、CDもずっと聴いていて。メロディがどこか切ないんだけど、なんか暖かくて。なんて言うんだろう……私のツボにはまりまくりで。
Saigenji ツボ？
多和田 ツボにもう、グサっとくるんですよ、いつも。で、去年のゴールデンウィークかな？ 大阪でライブをやった日の夜、たまたま近くでSaigenjiさんもライブをやってたから観に行かせてもらったんです。そのときに初めてお会いしたんですけど、覚えてます？
Saigenji 大阪のときだよね？ 楽屋でしょ。
多和田 そう。楽屋で。
──最初にしゃべったときの印象的にはお互いどうでしたか？
Saigenji いい感じの子だなぁと。
多和田 いい感じ？ えへへへ。
Saigenji いやあ、いい感じだなって。いいヴァイブスがゴーッと出ているっていうか（笑）。
──多和田さんのほうは、ずっと憧れていた人と対面できたわけですね。
多和田 そうですね。あの……私は多分、緊張して固まってたと思うんですよ。
Saigenji あれ、緊張してたんだ（笑）。
多和田 すごい固まってた記憶があるんです。
Saigenji だからかな。あんまりしゃべらない子だな、と思ったんですよ。実際はそんなことなかったんだけど。
──その段階で「一緒に曲を作りましょう」という話はしたんですか？
Saigenji 具体的な話はなかったですね。
多和田 私はひたすら「ファンです」みたいな話をしてただけで（笑）。でもその後もライブにも何度も足を運んで。そのたびに「Saigenjiさんに曲を書いてもらいたいッス」ってずっと言ってたんです。それでスタッフを通して、Saigenjiさん側のスタッフの方に、正式な……大人のアレを。
Saigenji 大人のアレをね（笑）。正式なオファーを受けまして。
──じゃあ多和田さんとしてはもう、まさに満を持してという。
多和田 ハイ！ もうホントにうれしいです。
みんなで“音楽の中にいられる”感じ……超「音楽！」
──レコーディングの作業は、どういう風に進めたのでしょうか？
Saigenji 最初まずデモを渡して……これはメロディだけだったんですけど。で、歌詞を作ってきてもらって、プリプロやって、スタジオに入って、という流れですね。
──始めから多和田さんが歌うのを想定して？
Saigenji うん。
多和田 デモをいただくとき、その前に生で聴かせてくれたんですよ。
Saigenji あ、そうだ。そうだ。
多和田 最初に「曲はどういうイメージにしようか？」と話し合う場を作ってもらって。Saigenjiさんはそのときギターを持ってきてくれて、その場で「こんなのはどう？」って聴かせてくれたんです。それがもう「最高ッス！」みたいな。
Saigenji 話をもらってわりとすぐ、サクっと3曲くらいできちゃって。もうそれをそのまま。実は僕、あんまり他の方に曲提供をしたことがなくて。
──Saigenjiさんは「時の空」の作曲だけでなく、カップリングの「MUSING」では編曲、サウンドプロデュースまで担当されていますよね。これはSaigenjiさんにとって初の外部プロデュース作品になると聞いたのですが？
Saigenji そうなんです。だもんで、どうなるかと思ってたんですが、意外とすんなり。
──Saigenjiさんのほうから「こういう感じで歌って」みたいなアドバイスはあったんですか？
Saigenji あまりしなかったですね。「ここをちょっと、こうしたらいいかな」とか、スタジオでやりとりしながら話したぐらい。
──実際に曲が完成してみて、Saigenjiファンの多和田さんとしてはかなり満足度の高いものになっているんじゃないですか？
多和田 そうですね。「時の空」のアレンジは森俊之さんにお願いしたんですけど、私の好きなSaigenjiさんのメロディ……「Saigenjiさん節」が強くありながら、Saigenjiさんの音楽とはまた違った新鮮な感じがします。
──ゴージャスなストリングスが効いてますよね。Saigenjiさんのメロディセンスに、森さんならではのソウルなアレンジが加わって。
多和田 そうそう。
──アレンジは森さんが主導で？
Saigenji そうですね。そこはもうお任せで。
──デモの段階とは大きく変わりましたか？
Saigenji デモはもう、普通にギターの弾き語りとドラムだけだったんで。いい感じに仕上げてもらいましたね。
多和田 「MUSING」のほうはSaigenjiさんがアレンジも含めて全部やってくれたんですけど、これもまた超ツボで！ みんなで“音楽の中にいられる”感じというか。Saigenjiさんの「Music Junkie」（アルバム「Music Eater」収録曲）みたいな、そんな曲がほしいなあ、と思ってた気分にぴったりハマって……なんでしょう、超「音楽！」って感じの曲になりました。
CD収録曲
- 時の空 (Single Version)
- MUSING
- This Happy Madness
- 時の空 (Single Version-Instrumental-)
LIVE SCHEDULE
“時の空” RELEASE PARTY
1stマキシシングル「時の空」の発売を記念して、最新作「時の空」と「MUSING」のコンポーザーを務めた、日本が誇る天才パフォーマーSaigenjiをスペシャルゲストに迎えて、多和田えみ & The Soul Infinity夏 のワンマンライブが大阪と横浜で開催決定。ゆったりとお酒を呑みながら音を楽しめる椅子席スタイルでのリリースパーティです。
- 2009年8月20日（木）
大阪Flamingo the Arusha - OPEN 18:30 / START 19:00
料金：座席自由 前売4200円 当日4700円(※ドリンク代別)
問い合わせ：夢番地 06-6341-3525（オペレーター対応） - 2009年8月29日（土）
横浜Motion Blue yokohama - 1st Stage OPEN 17:00 / START 18:30
2nd Stage OPEN 20:00 / START 21:30
料金：入替制 4725円 (整理券発行16:00から)
問い合わせ：Motion Blue yokohama 045-226-1933
2009 LAGUNA Summer Special Event 多和田えみ & The Soul Infinity Dinner Live
- 2009年8月23日（日）
沖縄全日空ホテルズ ラグナガーデンホテル - 受付：17:30 / Dinner18:00～ Live19:30～ / 終了(予定)：20:45
会場：沖縄＠ラグナガーデンホテル 大宴会場2F「羽衣の間」
料金：S席12000円 / A席10000円
※料金は料理・飲物・ショーチャージ・税金・サービス料を含む。
問い合わせ：ラグナガーデンホテル 098-897-8788(宴会予約係)
多和田えみ（たわたえみ）
1984年生まれ、沖縄出身の女性シンガー。高校卒業後、カナダへの語学留学中に出会ったストリート・ジャズ・バンドで歌ったことをきっかけに、本格的に音楽を志す。帰国後に作詞作曲を開始し、2006年2月から 沖縄県内のホテルやライブハウスを中心に積極的なライブ活動を展開。翌2007年にMSN/EMI ARTIST主催のオーディション決勝大会で、NYLON賞を受賞する。同年5月に沖縄限定シングル「ネガイノソラ」がリリースされ、好セールスを記録。その後もアン トニオ・カルロス・ジョビンのトリビュートアルバム「ジョビニアーナ～愛と微笑みと花～」や、沖縄出身アーティストによるコンピ盤「琉球LOVERS ROCK」などに参加し、注目を集める。そして2008年4月、ミニアルバム「∞infinity∞」で待望のメジャ ーデビュー。ブルースやソウル、ジャズ、ファンクなどブラックミュージックから強く影響を受けたサウンドと、ときに激しく、ときに優しく聴き手に訴えかけるソウルフルな歌声が高く評価されている。
