ナタリー PowerPush - たんこぶちん
18歳、ラストJKの放つ“7年間の集大成”
佐賀弁に込めたメッセージ
──チャットモンチーは徳島で産声を上げて全国区になったガールズバンドで、皆さんは佐賀から全国に打って出ているガールズバンド。だから「闘うばい!」には、実は地方発のガールズバンドの先輩からのエールみたいな意味合いもあるのかな、っていう気がしました。
CHIHARU 確かに久美子さんが「闘え!」って言ってくださってるのかな、って気はします。
MADOKA だからだと思うんですけど、初め久美子さんからいただいた歌詞では「ばい!」のところとか「地方だって いろいろあるっちゃん」の「ちゃん」のところが関西弁だったんですけど、そこには丸印が付いていて。「丸の部分は皆さんの方言に直してください」って言っていただいていたんです。
──「自分たちの言葉で闘う意思を表明しなさいよ」という意味での丸印だった?
MADOKA そういうことなんだと思って「闘うばい!」にしてみました(笑)。
中山加奈子とスラッシュメタルが生んだ1曲
──そしてアルバム後半戦の目玉は「We Gonna ROCK」。作詞を中山加奈子さんが手がけています。こちらはどういう経緯で?
MADOKA 中山さんにお会いすることになったきっかけは久美子さんと同じというか、2ndシングルの発売記念ライブを観に来てくださってご挨拶させていただいたのが初対面で。
──高橋さんと同じく、それがきっかけで詞を?
MADOKA いえ。「We Gonna ROCK」は私たちが先に曲を作ったんですけど「こういう曲にどんな歌詞を付ければいいんだろうね」ってずっと悩んでて。「だったら中山さんに頼んでみたらどうだろう?」っていうスタッフさんの提案もあってお願いさせてもらいました。
──コミカルなボキャブラリーを駆使して力強く宣言する「闘うばい!」が高橋さんらしい詞である一方、「We Gonna ROCK」の詞も中山さんらしいですよね。「Get it on」「Cherry Bomb」「悪魔が泣いてもDriveは止まらない」と、往年のロックの名曲のタイトルをバンバン引用したりしていて。
MADOKA 久美子さんの詞と一緒で絶対自分たちには書けない詞なのでビックリしたんですけど、実は歌いやすいというか。詞や曲に負けないようにテンションを上げて歌えるようになるまでにはちょっと時間がかかったんですけど、テンションの上げ方がわかったらツルッと歌えて。それもまたビックリしました。こんなに歌いやすいんだ!って。そのテイクが直しがないまま収録されてるので、ライブ感みたいなものを感じてもらえるかな、って思ってます。
──あとこの曲って70~80年代ハードロックテイストじゃないですか。で、その曲を書いているのは、さっきMADOKAさんが言っていたとおり、皆さん。「こんな引き出しがあったんだ!」ってビックリしました。
YURI 藤沢でレコーディング合宿をしたときにスタッフさんに「私、メタルとかパンクとか好きなんです」って話をしたら、スラッシュメタルのDVDをくださって。それを観てたらリフが浮かんできたので、メンバーの前でそれを弾いてみせたらMADOKAがメロディを考えてくれて、できあがったって感じです。
「カラフルスニーカー」沖縄バージョン
──レコーディングは全部藤沢で?
MADOKA いえ、東京とか福岡とか、あとは沖縄でも。「カラフルスニーカー」は沖縄で録ってます。
YURI だからちょっと夏っぽい(笑)。
──インディーズ1stシングルの表題曲でもあるんだけど、当時のバージョンは正調ポップミュージックで。でも今回はシンセでスティールパンの音を鳴らしたりしてますもんね。
CHIHARU 南国みたいな感じでいいかなって(笑)。
──ほかの曲のアレンジやプレイにもレコーディングした場所の影響って出てます?
HONOKA いや、沖縄は特別ですね。
──そうか。藤沢で作った曲が湘南サウンドじゃなくて、ヘヴィメタルだったわけですもんね(笑)。
MADOKA なので、場所が関係したのは「カラフルスニーカー」だけで。あとの曲のアレンジや音色については、アレンジャーさんとか周りのスタッフの方とかのアドバイスの影響のほうが大きかったんだと思います。
──その各地でのレコーディングってスムーズでした?
YURI 7月にレコーディングが始まって、12月までやってたので……。
NODOKA 長かった(笑)。
──「ROCK IN JAPAN」のような夏フェスに出る前から制作は始まっていた?
MADOKA はい。平日はやっぱり学校があるから、土日に録らなきゃいけなかったので。
──「今週は東京で、来週は福岡」って感じで、毎週末、どこかのレコーディングスタジオに飛んでた感じ?
CHIHARU そうですね。で、日曜日の終わりには佐賀に帰らなきゃいけないので、なんかもう意地みたいになってやってました(笑)。
YURI 確かに毎回、帰らなきゃいけない時間ギリギリまでがんばってた気がする(笑)。
- ニューアルバム「TANCOBUCHIN」 / 2014年1月22日発売 / [CD+DVD] 3150円 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ / YCCW-10212/B
- ニューアルバム「TANCOBUCHIN」
CD収録曲
- ドレミFUN LIFE
- カラフルスニーカー
- ソラノナミダ
- ヒカリ
- 闘うばい!
- コイゴコロ
- シアワセタランチュラ
- 唇はもっと
- UJI UJI
- We Gonna ROCK
- 走れメロディー
- そんなに遠くない未来に
DVD収録内容
- ドレミFUN LIFE
- シアワセタランチュラ (music clip)
- 笑顔と元気で全力疾走!
- シアワセタランチュラ 弾いてみた
- シアワセタランチュラ発売記念ライブ ダイジェスト @Shibuya O-Crest
たんこぶちん「卒業ライブ!」
- 2014年4月4日(金)
東京都 下北沢CLUB Que
OPEN 18:30 / START 19:00 - 2014年4月5日(土)
大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
OPEN 16:30 / START 17:00 - 2014年4月6日(日)
福岡県 graf
OPEN 16:30 / START 17:00
※全公演ともチケットは2月2日より各プレイガイドで一般発売。
たんこぶちん
2007年、MADOKA(G, Vo)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)らが小学校の課外活動の一環として佐賀県唐津市で結成したガールズバンド。九州を中心にライブ活動を行うかたわら、ヤマハ主催「Music Revolution」など、さまざまな音楽コンテストで各賞を受賞する。2008年には唐津と姉妹都市提携を結んでいる韓国・麗水市との交流イベント「麗水市国際青年祝祭」や、2013年には「ARABAKI ROCK FEST.13」、「ROCK IN JAPAN FES.2013」にも登場。さらに2008年放送の「M PRESENTS 全力!Tunes」(日本テレビ系)や、2012年の「AKBINGO! サマースペシャル ! 全力バンド選手権」(同)に出演し、MADOKAがGoogleのCMキャラクターに選ばれるなど、各方面にその名を轟かせ、2013年7月「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューし、10月には2ndシングル「シアワセタランチュラ」をリリース。2014年1月には初のフルアルバム「TANCOBUCHIN」を発表する。