「自分がファンだったら」
──ライブ中に客席に降りて歌うという演出がありましたが、それはファンと一緒になりたいという気持ちがあるからこそですよね。普段のももクロのライブだとまずあり得ないくらいの近さで。
「自分がファンだったら」って考えるんですよ。例えば、街中で芸能人を見かけたら、それだけでも奇跡的じゃないですか。めったにないことだし、その記憶って一生残るし。それがきっかけでその芸能人のことを好きになったり、興味を持ったりすることだって絶対あると思うんです。私自身、ちっちゃい頃に会ったNHKの英語のお姉さんのことを今でもはっきり覚えているので。そういう感覚が私の中にあるから、自分から近付いていくことは大事にしてます。向こうからは来れないけど、自分から側に行くことがソロコンサートでは実現できるので、なるべくファンの近くに行ってコミュニケーションを取りたいなって。
──ステージを降りてファンに囲まれて歌っているときの高城さんの表情が非常にリラックスしているんですよね。なんだかステージに立っているときよりも柔らかい表情でキラキラしているような。
ははは(笑)、そうかも。
──その一方で、ファンの中には高城さんが近くにいることで緊張している感じの方もいて。
そうなの! それがすっごいかわいかった(笑)。私もDVDで観ていて気付いたことがけっこうありました。実際に歌っているときよりも視野が広がるので、映像だと照れてるファンの方々もじっくり観られるんですよね。ファンの方がすっごいかわいく見えたし、中には泣いちゃう人とかもいて。
──高城さんが目の前で歌っていたら、ファンは感動すると思いますよ。
私、自分がアイドルだという自覚がぶっちゃけそんなにないんですよ。それでもこんな私に会って泣いてくれるから……これはなんてことだろうって。
──だって、ももクロの高城れにですよ?
実感ないんですよね、自分でも不思議なくらい。だって人に会って泣くって相当な出来事ですよね。あと、私からファンの方に手を差し伸べても「え、いいの?」みたいな感じになっていたり、目の前で手を振っているのに手も振れずに棒立ちしちゃってたり。「棒立ちしちゃった人はお家に帰ってから後悔したかな?」とかいろいろ考えました(笑)。
女子校育ちが落ち着く空間
──ソロコンの選曲は高城さん自身でなさったんですか? 川上さん(ももクロのプロデューサー・川上アキラ氏)の推薦曲があるということもなく。
川上さん推薦曲は去年からないかな。1回目はあったんですよ。だけど去年から全部任せてくれて。
──それは自分でやりたいという思いがあったからですか? 自分でやりなよと言われたから?
どうだったかな。ねえ川上さん? 任せてくれたってことでいいの?
川上アキラ氏 ソロコンサートに関しては基本的に任せてるよ。自分が演出で入った「ももたまい婚」とかは別だけど、佐々木の(ソロコン)だってゲネも観てないし。
でも1回目は川上さんがさ……。
川上 それはお互い手探りな部分があったから。ももクロでも初めてのソロコンだったし。でも最近は立派になっていただいてるから、全部任せてますよ。
こわっ。
──今回のソロコンは、3B juniorと一緒にダンスをしたり、ゲストが登場したりと華やかなステージになりました。これらは高城さんご自身で演出されたそうですね。
そうなんです。ゲストの高木ブーさんもライブを盛り上げてくれましたし。びっくりしましたよ、84歳ですよ。
──前日の3月8日が誕生日の高木ブーさんを盛大に祝福して。
そうそう(笑)。高木ブーさんにもすごく癒やされましたし、落ち着く環境でした。
──高木ブーさん以外、演者はバンドメンバーを含めて全員女性でした。これも高城さんのアイデアですよね?
そこはこだわりました。女子校で育ったので、女の子だけの環境が一番落ち着くんですよ。今まで女の子で固めてるライブってなかったから、バンドメンバーも含めて全部女の子にして、「ここは女子校!」みたいな感じを作りたかったっていうのもあります。
──ソロコンで「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」のSEを使ってるのは高城さんだけだと思うんですが、メンバーコールの部分が全部「れに!」になっていましたよね。
ステージの裏でそれを聴いていて「あ、また言ってくれてる!」って思いました。去年のソロコンサートでも言ってくれてたんで。
──モノノフの方はこの曲を聴くと、条件反射的にももクロのライブが始まる!というモードに入ると思うんですよ。でも次に高城さんが歌ったのはBuono!の「co・no・mi・chi」で(笑)。
あの流れだとももクロの曲を期待しますよね(笑)。でも私のセットリストってけっこう予想を裏切るのがあって。アンコールの流れもそうだし、“Believe重ね”っていうのも毎回やっていて。1回目のソロコンからそうだったんですけど、「次の曲、聴いてください。『BELIEVE』」って言うと、ファンの人はももクロの「Believe」を歌うと思ってすごい歓声を上げるんですね。でも、予想してたのと違う合唱曲の「BELIEVE」が始まるから、みんなズコーってなるんですよ(笑)。
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「金曜日のおはよう」はお母さんプロデュース
- 高城れに「まるごとれにちゃん」
- 2017年8月30日発売 / KING RECORDS
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[Blu-ray]
7344円 / KIXM-287 -
[DVD2枚組]
6264円 / KIBM-665~6
- 収録内容
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- まるごとれにちゃん
- 好きだ。
- 好きな人がいること
- 病名恋ワズライ
- White Love
- なんでもないや
- 君のようになりたい
- スターダストセレナーデ feat. 高木ブー
- はい!もしもし…夏です!
- 金曜日のおはよう -another story-
- 最強パレパレード
- ハッピー☆彡
- 残酷な天使のテーゼ
- realize
- てをつなごうよ
- RPG
- BELIEVE
- co・no・mi・chi
- しょこららいおん feat. 高木ブー
- 一緒に
- 3月9日
overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
- Making of「まるごとれにちゃん」
- 高城れに(タカギレニ)
- 1993年神奈川生まれ。2008年に結成されたももいろクローバーのオリジナルメンバーで、メンバーカラーは紫を担当している。キャッチフレーズは「ももクロの鋼少女」。2015年3月9日に愛知・名古屋CLUB QUATTROでももクロメンバー初となるソロコンサート「高城の60分4本勝負」を行った。これ以降、1年に1回のペースでソロコンサートを行っており、2016年3月9日には愛知・名古屋市民会館で2回目のソロコンサート「さくさく夢楽咲喜共和国 ~笑う門にはノフ来る~」を、2017年3月9日には地元である神奈川・横浜にある神奈川県民ホールで「まるごとれにちゃん」を開催。7月には世界遺産の1つである沖縄・今帰仁城跡(なきじんじょうあと)で自身4度目のソロコンサート「ハイサイ!れにちゃん」を成功させた。これまでにソロ楽曲として「しょこららいおん」「まるごとれにちゃん」「一緒に」「『3文字』の宝物」を配信限定でリリース。8月には神奈川県民ホールの模様を収めたライブBlu-ray / DVD「まるごとれにちゃん」を発表した。
2017年10月6日更新