音楽ナタリー Power Push - Tokyo 7th シスターズ
クリエイター陣が解説する「ナナシス」と音楽の関係
もう1回“始まる”
──今回、777☆SISTERSはシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」で、リアルな世界でメジャーデビューを果たしました。
茂木 ありがとうございます。
y0c1e 1枚目にふさわしい楽曲になっていますよね。
emon 曲がすげえいいなと思いながら聴いてました。
fu_mou 2曲とも夏を感じさせる曲だし、メジャーデビューということも含めて777☆SISTERSの新しい季節が始まったんだなってすごく思いました。「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」を作った僕からすると、もう1回“始まる”ことへの感慨はありますね。
──先ほどお話が出たように、「僕らは青空になる」は生楽器を使ったロックサウンドになっています。それも新たな季節に向けたトライという意味合いがあったんでしょうか?
茂木 ゲーム内にはバンドをやってる4Uというユニットが登場するんですけど、その子たちとの物語が終わったあとのシングルが本作なんです。
──なるほど。ゲーム内でバンド活動している4Uと関わったことで777☆SISTERSの音楽性に生楽器が入ってくるのは必然だったと。
茂木 そういう流れはもともと想像はしてました。でも、一番大きなきっかけになったのはやっぱりライブです。ライブ中にロックっぽい新規のBGMを使った映像を流したんですけど、その瞬間に観客の皆さんが一斉に“oiコール”を始めて。それを見たときに「あ、やっぱ予定どおりロックやろう」って確信に変わったというか。
fu_mou けっこう単純だったんですね(笑)。
茂木 僕、単純なんですよ(笑)。ただ、「僕らは青空になる」では歌詞でもちょっとしたトライをしてるんです。いつも歌詞には、誰もがサッと触れやすいようなポップ感と、今の時代だとちょっと恥ずかしくなるような熱くてまっすぐな思いみたいなものをバランスよく入れたいっていうこだわりがあって。でも今回は本当に真正面から生きる意味みたいなことをド直球に歌わせたんですよね。ここまで振り切った歌詞は、今までの777☆SISTERSにはなかったものだと思う。
──なぜそこまで振り切ったのでしょうか?
茂木 ライブをやったことも影響していると思うんですけど、ファンの皆さんからファンレターをいただくことがとても多くなって。で、その中身が「かわいくて大好きです」っていう言葉よりも「『ナナシス』に救われました」とか「『ナナシス』が僕の青春です」って言ってくれる方が多くて。
y0c1e へえ! それはすごいっすね。
茂木 そういう声が届くようになってきたので、だったら振り切って真正面から言ってもいいんじゃないかと。「ナナシス」のTwitterアカウントでも言ったんですけど、この曲はファンの皆さんからいただいた思いに対してのアンサーソングなんです。とはいえ、先ほど言った全体のバランスは非常に大事なので、今回は「FUNBARE☆RUNNER」のほうをあえてポップ感を増やした歌詞にしたんです。そこで女の子が歌うものとしての意義をちゃんと見せるっていう。
音楽の力で加速する「ナナシス」
──今回のメジャーデビューシングルを経て、「ナナシス」の音楽世界はここからどうなっていくんでしょうか。今後の展望を聞かせてください。
y0c1e 僕はライブを意識した、みんなと一緒に盛り上がれる曲を作りたいなと思っていますね。実際のライブを経験したことで、「Cocoro Magical」のときとはまた違った作り方ができそうな気がしているので。
fu_mou 最近のクラブミュージックにフューチャーベースってジャンルがあるんですけど、そういうのを「ナナシス」にもってきてもいいかなとはなんとなく思ってますね。近未来のストーリーなので、新しい世代の曲をリアルな流行りとはまた少し別の方向性で示唆できたら面白いだろうなって。
emon それとは逆に、未来から見た過去の音楽をやってみるっていうのも面白いと思うんですよね。「KILL☆ER☆TUNE☆R」ではあえて1970年代~1990年代的な雰囲気を入れてみたんですけど、それがライブを観たときにすごくハマっている印象があって。なので、そういったアプローチをもっと突き詰めてもいいかなと。
茂木 個人的には、emonさんにはラップの曲に期待したいですね。「KILL☆ER☆TUNE☆R」のイントロのガヤはライブ化けするためには何か足りないなと思って歌詞を書く段階で僕が入れたんですが、僕の下手クソなデモを、正式な仮歌ではemonさんがやってくれていて。それがマジで!マジでうまかったから(笑)。
emon いやいや(笑)。
y0c1e でも777☆SISTERSは人数が多いから、ラップの掛け合いとかもしやすいですからね。確かに面白そう。
茂木 ラップとまではいかなくてもセリフっぽい歌メロがバンバン入ってくるようなものとかね。そういうのはやってみたいですよね。
──では最後に茂木さんの展望を聞かせてください。
茂木 最近、ノベライズやコミカライズもスタートしましたし、「ナナシス」全体で言えば引き続きメディアミックス展開は広げていきたいと思っています。ただ、その中で音楽はやっぱり非常に大きなファクターではあるんですよ。アイドルものをやっていて音楽がおろそかになるってありえないから。なので、そこはクリエイターさんの力を借りながら、いろいろな挑戦をしていかなきゃなと。「二次元アイドルってこういうもんでしょ」っていう世間のイメージを音楽面でまずは壊したいっていう思いもありますしね。
──現在、大きな盛り上がりを見せている「ナナシス」の状況は、プロジェクト発足当初に思い描いていたものと比べるとどうですか?
茂木 ありがたいことですけど、メジャーデビューとかも含め、ちょっといろいろな展開が早すぎるくらいかもしれないですね。そのスピード感に作品としての物語が追い付いていけてないっていう。いやほんと、作品全体の物語って作るの大変なんですよ!(笑)
一同 あははは(笑)。
茂木 まあでも、「ナナシス」のいい状況を加速させてくれた大きな理由はやはり音楽の力だと思うので、クリエイターさんには本当に感謝してます。ここからも皆さんと一緒に、もっともっと盛り上げていきたいですね。
Tokyo 7th シスターズ
2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのリズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。2015年5月には東京・Zepp Tokyoにて、ゲームに参加する声優たちによる1stライブ「Tokyo 7th シスターズ 1st Anniversary Live 15'→34' ~H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!~」が行われた。また同年7月に777☆SISTERSがシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」でメジャーデビューした。
- 777☆SISTERS 1stシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」2015年7月29日発売 / Victor Entertainment
- 初回限定盤 [CD] 2376円 / VIZL-856
- 通常盤 [CD] 1296円 / VICL-37089
初回限定盤収録曲
- 僕らは青空になる
- FUNBARE☆RUNNER
- 僕らは青空になる -OFF VOCAL-
- FUNBARE☆RUNNER -OFF VOCAL-
- Message from -HARU-
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- Message from -RONA-
- Message from -HIME-
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- Message from -SUMIRE-
- Message from -SUI-
- Message from -SHIZUKA-
- Message from -SUSU-
- Message from -SAWARA-
- Message from -KAJIKA-
- Message from -SHINJYU-
通常盤収録曲
- 僕らは青空になる
- FUNBARE☆RUNNER
- 僕らは青空になる -OFF VOCAL-
- FUNBARE☆RUNNER -OFF VOCAL-
茂木伸太郎(モテギシンタロウ)
Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督として同ゲームのビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作にも携わっている。
fu_mou(フモウ)
Hifumi,inc.所属のクリエイター。アニメ「なりヒロwww」のオープニングテーマ「なりゆきだってオーライwww」やアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」のエンディングテーマ「Innocent Blue」をはじめ、アニメ「アイカツ!」や、劇場版「とある魔術の禁書目録」の劇中歌なども担当。黒崎真音、私立恵比寿中学、アップアップガールズ(仮)、ナノなどの楽曲制作やサウンドプロデュースも担当する。
y0c1e(ヨシエ)
Hifumi,inc.所属のクリエイター。アニメ「人生」のオープニングテーマ「凸凹解決せんせーしょん」、アニメ「琴浦さん」のエンディングテーマ「ESP研のテーマ」やアニメ「恋愛ラボ」のオープニングテーマ「恋愛したいっ!」をはじめ、内田真礼、petit miladyへの楽曲提供など、アニメソングを多く手がけている他、BUGLOUD名義で米Play Me Recordsよりリリースをするなど海外でも活躍中。
emon(エモン)
テクノポップユニットTes.のメンバーとしても活躍するクリエイター。ボーカロイドプロデューサーやDJとしても活動している。オリジナルのボカロ曲を収録したアルバムもコンスタントに発表している。