ナタリー PowerPush - Sweet Vacation
キラメキポップが世界を救う!! スイバケ初フルアルバム堂々完成
才気あふれるサウンドメーカー・Daichiと、バンコクが生んだ奇跡の歌姫・MayによるポップユニットSweet Vacationが、待望のメジャー1stフルアルバム「pop save the world!!」を完成させた。世の中にはびこる憂いを痛快に吹き飛ばすキラメキ感に満ちた楽曲群は、文字どおり世界を救わんとする無限のパワーを秘めている。
極上のポップネスに満ちた楽曲の魅力はもちろん、DaichiとMayが織りなす心地良い空気感を、ロングインタビューからぜひ感じとってほしい。
取材・文/もりひでゆき 撮影/平沼久奈
バカっぽい言い回しが気に入ってこのタイトルに
──1stフルアルバム「pop save the world!!」、すごく好きです!
May やったー! パチパチパチパチ!(拍手)
──アハハハ。今の率直な感想から聞かせてもらえますか?
Daichi けっこうここまで長かったなっていう気がしてますね。フルアルバム作るまで。プロジェクト開始から約2年経って、やっとできたっていう感じ。
May 私は、いつの間にかできたみたいな感じです。ずっとレコーディングして、ずっと歌ってたから。
Daichi 「これからアルバムの制作に入ります」みたいなことじゃなかったからね。ずっと作ってたデモがある程度揃ったから「じゃあ集めてアルバムにしよう」みたいな感じで。そういう意味では、制作期間はほぼ2年かかってますね。
──たくさんの曲たちを1枚のアルバムにまとめる段階で、思い描いていたイメージはありましたか?
Daichi 制作の途中で「pop save the world!!」っていうキーワードが浮かんだので、その言葉どおりのものにしようとは思ってました。漠然としてますけど。
──どんなときに、そのキーワードが浮かんだんですか?
Daichi その辺(青山界隈)を歩いてるときに。いろいろ世の中大変だなぁと思って(笑)。
──それを救うのがポップなんじゃないかと。
Daichi そうそう。そのバカっぽい言い回しがちょっと気に入ったので、スタッフと相談して、アルバムタイトルに決めたんですけど、ちょうど、Mayがバンコクに帰っているときで。「もっと早く言ってくれ」って言われましたけど(笑)。
May すごい大きな感じがするし、インパクトもあるからいいタイトルだなって思いました。でも、決めたときに、いなかったから。
Daichi ごめんごめん(笑)。
4曲目までのテンションの高さはポップ史上に残るもの
──で、ここで改めておふたりのポップ観について教えていただきたいのですが。「ポップ」という言葉は、その定義があいまいな面もありますよね。
Daichi ああ、そうですよね。僕が一番大事にしているのは、きちんと“歌モノ”であることかな。今回のアルバムの冒頭から4曲目までの“テンションの高さ”には、「ポップ史上に残る」(笑)って自負があるんですけど、そこに共通しているのは、やっぱり、しっかりとした“歌モノ”であるということだと思うんですよ。
──なるほど。ただ、“歌モノ”の中にもさまざまな表情がありますよね。そこには何かルールやこだわりがあったりはしませんか?
Daichi 確かにポップっていうのはポジティブともちょっと違っていて、ネガティブな曲でもポップだったりしますからね。ポップって「弾むような」とかそういう意味もあったりするし。あとはMayの歌声っていうのがひとつ大きな要素なのかもしれない。Mayはどう?
May 心で感じることだから、言葉にできないかな。わかる?
──鳴ってる音に対して、感覚で判断しているということ?
May そうですね。
──では、ふたりの中でのポップ観は共通しているんでしょうか?
Daichi 共通してるのかな? わからないなあ。してないような気もする(笑)。でも、それが逆にいいんじゃないかなっていう気はしますけどね。
──Mayさんは、Daichiさんが作る曲を聴くとどんな気持ちになります?
May すっごく明るくて、キラキラして、ハッピーな感じ。
──あ、それはリスナーが受ける印象と共通していると思いますし、Daichiさんが思うイメージとかけ離れてはなさそうですね。すなわち、それがスイバケのポップ観のような気もします。
Daichi うん。でも、僕はMayの声質やキャラクターを意識しながら、「逆算」みたいにして曲やアレンジを作っている側面もあるので、Mayに呼ばれているなって思うことも多いですね。
起きたばっかりの、ちょっとめんどくさそうな感じ
──アルバムの内容からは、スイバケならではのポップ感の幅や深さがより突き詰められている印象を受けました。
Daichi 自分の持っている引き出しとしては、すべてのバリエーションを出し切ったわけではないですが、確かに、前作に比べると幅は広がったと思いますね。でも、まだまだありますから、期待していてください(笑)。
──「Life is MiRACLE」では、ボサノヴァをスイバケ流に料理していますよね。
Daichi ボッサはMayからのアイデアだったりするんですよ。ちょっとスイバケ流にやってみようって。
──大成功だと思いますよ。すごく気持ちいい。
Daichi ありがとうございます。まとまり感のある、いいボッサになったかなって。いい意味で「ちまっと」してませんか?(笑)ハウスとボッサとエレクトロが混ざっているので、テンポ感も含めて、いろいろ工夫しました。
──Mayさんはいかがでした?
May 「Life is MiRACLE」は一番好きかな。すごく気持ち良くて、明るいポジティブな気持ちになりますね。だけどテンポが速いから、ボッサっぽくは歌ってないかもしれません。
──どんなイメージで歌ったんですか? ちょっと新しい声の表情が見えている感じですけど。
May 歌い方はちょっと今までと違いますね。タイのリゾートな感じっていうか、リラックスした感じで歌いました。起きたばっかりの、ちょっとめんどくさそうな感じというか。
Daichi いつもめんどくさそうなテンションじゃん(笑)。
May めんどくさいんだけど、めんどくさくない感じ。わかる?
Daichi わかんない(笑)。
CD収録曲
- sexy girl returns ~prelude~
- why don't you
- あいにいこう ~I・NEED・TO・GO~
- キラメキジェット!
- さよならマイデイズ
- Long Vacation ~interlude~
- Magical Mystery Tour
- Life is MiRACLE
- Brandnew Wave
- Shooting Star
- 8bit darling
- Escape!!
- I miss you ~ユメデアエタラ~
- believe in, pop'll save the world ~postlude~
DVD収録曲(初回限定盤のみ)
- あいにいこう ~I・NEED・TO・GO~ PV
- さよならマイデイズPV
- I miss you ~ユメデアエタラ~ PV
- Summer Day PV
- why don't you PV
- <特典映像>Long Vacation 2009 ~special movie~
- <特典映像>Music Clip Making
Live Schedule
E-TRIPPER 3
~Sweet Vacation album release party~
LIVE : Sweet Vacation / TIGARAH / SAWA / Lil' / JaccaPoP
DJ : ★STARGUiTAR、and more…
VJ : Sugimoto Tomoyuki
日程 : 2009年8月28日(金)OPEN18:30 / START19:00
会場 : 渋谷duo -MUSIC EXCHANGE-
料金 : 前売3300円(+1D)/ 当日3800円(+1D)
E-TRIPPER west
LIVE : Sweet Vacation / ゲッカンプロボーラー / Lil' / JaccaPoP、and more…
VJ : Sugimoto Tomoyuki
日程 : 2009年11月3日(火・祝)OPEN18:00 / START18:30
会場 : 大阪 FANJ twice
料金 : 前売3300円(+1D)/ 当日3800円(+1D)
Sweet Vacation(すうぃーとばけーしょん)
東京エスムジカのDaichi Hayakawa(サウンドプロデュース)とMay(Vo)によるハウスポップ・ユニット。2007年8月に音楽SNS・MySpaceで楽曲を公開して以降、まず海外のJ-POPファンを中心に口コミでアクセスが急増。日本国内でもネットユーザーを中心に注目を集めることになる。その後音楽配信サイトmf247やiTunes Store「今週のシングル」での音源の無料配信を経て、2007年11月に初のCDパッケージ作品「Do the Vacation!!」をリリース。翌2008年4月には、このアルバムの姉妹編的な内容となる「More the Vacation!!」を発表している。この2作を経て、同年初夏にはメジャーデビュー。2009年8月に初のフルアルバム「pop save the world!!」をリリースする。
2009年8月5日更新