ナタリー PowerPush - SuG

脱V系!? 新曲はよりポップでマニアックに進化

戦うぐらいの意志がないと実現できなかった対バン企画

──ここからは最近行った対バン企画「SuG LIVE BATTLE 2012」について訊かせてください。SuGはこの夏、いろんなジャンルのアーティストと対バンライブを行ってきましたが、その相手の名前を知ったときの第一声が「SuGすげえな!」でして(笑)。今のSuGだからこそやれる組み合わせの対バンだなと思いました。

ははは(笑)。でもなかなか思いどおりにいかなくて、最初に名前が挙がった人たちはスケジュールが合わなくて全部NGになって、フラストレーションが半端なかったです。そこはいろんなことと戦って……本来「戦う」っていう表現が正しいのかわからないですけど、戦うぐらいの意志がないとこういう企画は実現できないんだなっていうことが明確にわかりましたね。

──具体的にはどういうことと戦ったんですか?

みんな面倒くさがってこんなイベントやらないんだろうなって。だから俺たちがそういったところと戦っていかなきゃいけないと思うんです。だからこそ最初の1カ月に4公演もできたのはすごく大きなことだし、この本数じゃないにしろ今後も定期的にやっていきたいですね。

──そもそも以前からこういうイベントってやってみたかったんですか?

そうですね。ずーっとずーっとやりたかったです。3年くらい前に一度企画したことがあったけど、誰も賛同してくれなくて。そのときもいろんなジャンルのアーティストが集う形にしたかったんだけど、周りの人たちはヴィジュアル系だとかそういうジャンルに対する偏見が強すぎて、なかなか機会に恵まれなかったんです。で、去年の6月ぐらいにもう1回「来年の夏にやらせてくれないか?」って言ったら、8~9カ月前になんとか実現できることになって。

SuGはどんなイベントにも出ていけるバンド

──それにしてもBABYMETALからたむらぱん、(赤・ω・飯)、撃鉄まで本当にバラエティに富んだラインナップでしたね。

BABYMETAL、たむらぱんと共演した日(8月20日)が一番すごい組み合わせだったかもしれないですね。

──でも実際にイベントを観たらそんなに違和感がなかったですよ。

自分たちとしては、SuGって別にどんなイベントにも出ていけるバンドだと思ってますから。でも周りにはSuGのことを中途半端だと感じてる人もいるみたいで、ヴィジュアル系のイベントに出るとアウェイだったりすることもあって。逆にインディーズの頃のほうが自由にやってたように思われていたり。はっきり言うけど、メジャーのほうがいろいろやりやすいですよ。今のほうが完全に好きなことをやれてるし。昔のほうがヴィジュアル系の枠に縛られて、窮屈に感じてたかもしれない。

──その窮屈さがなくなったきっかけや理由って何かあるんですか?

武瑠(Vo)

「もう嫌われてもいいから自分の好きなことをやろう!」っていうふうに振り切れたからだと思います。その結果、「これはどうだ!」って出してちゃんと賛同してくれる人が外の世界にいたのもデカいし。実はやりたいこと自体は正直インディーズ時代とあまり変わってなくて、単に具現化する能力が当時はなかっただけ。インディーズ時代の曲を今聴くと「ああ、こういうことがやりたいんだな」ってことがわかると同時に、それが当時は受け入れられづらいことだったんだなってことにも気付けました。

──第1弾の対バンイベントがある程度の成功を収めたことで、その反響を聞いたアーティストから「SuGと一緒にやってみたい」って声も今後は出てくると思うんですよ。

だとうれしいな。もっと規模を大きくしてやれたらいいんですけどね。

──それが実現したらある特定のジャンルしか聴かないリスナーにとってもいい刺激になると思います。

ヴィジュアル系の中でも、ハードな部分を持ってるバンドがいわゆるメタル系の人たちと最近イベントをしてるし、恐らくこれからもっと同じような動きが起こりそうな気がしてます。自分たちと同じことを感じて動いている人がきっといると思うし。だからそういう人たちこそもっとたくさんイベントをやって、また違う空気を作っていくべきだと思うし、自分たちもそうありたいなと今回より思いました。

対バン相手からSuGへのメッセージ

少年カミカゼ

今、僕の中で最高にキテるBAND「SuG」と一緒に出来て自分的にずっと興奮しっぱなしでした。SuGの発想と柔軟性はまじで見習わなきゃいけないなあと思いました。チユさん、今度関西に帰ってきた際は、阪尼で飲みましょね。

撃鉄(天野ジョージ)

SuGのライブはどっからメンバーで、どこまでがお客さんだかわからないような一体感のあるライブでした! あんな一体感は初めて見た!
ビジュアルも良いし音楽的にも説得力があって最高!! 撃鉄も負けないように、まずはビジュアル面から強化していきたいと思います! また対バンしようぜ!!

JOKER

とにかく楽しかった!
最高の夜をありがとう!
また互いに切磋琢磨できるイベントをやりましょう!

たむらぱん

次は何を飲み込み巻き込み吐き出すのですか? 恐ろしや恐ろしや…笑
またステージで遊びましょう。

BABYMETAL

SuGさんはリハも見て感想を言って下さって、そういう機会はあまり無いので勉強になりました。
今回は対バンに呼んでいただきありがとうございます。
ライブも見させてもらって「バンギャー!!」の気分を初めて味わうことが出来ました。

(赤・ω・飯)

イベント首謀者SuGへの熱いメッセージ
アンコールで一緒に同じステージに立たせて頂けて非常に光栄でした◎
音楽を通してのコミュニケーション、やっぱり最高ですね!!

ニューシングル「sweeToxic」 / 2012年9月19日発売 / PONY CANYON

初回盤CD収録曲
  1. sweeToxic
  2. fat inside horror
初回盤A DVD収録曲
  1. sweeToxic -MV-
  2. MV撮影ドキュメント -前編-
初回盤B DVD収録曲
  1. fat inside horror -MV-
  2. MV撮影ドキュメント -後編-
通常盤 CD収録曲
  1. sweeToxic
  2. fat inside horror
  3. LOVE SCREAM PARTY (Rebirth version)
SuG(さぐ)

2006年に結成された5人組ロックバンド。現在のメンバーは武瑠(Vo)、masato(G)、yuji(G)、Chiyu(B)、shinpei(Dr)。バンド名はスラング「Thug」に由来し、「周りの意見を気にせずに自分たちの思ったとおりに進む人たち」「悪友」という意味を持つ。結成当初より「HEAVY POSIVIVE ROCK」というコンセプトを掲げ、前向きなメッセージを乗せたキャッチーな楽曲で人気を博す。2010年1月、シングル「gr8 story」でメジャーデビュー。メンバー全員が作曲を行い、作詞とそれに基づいた世界観、PV、衣装などのアートワーク全般を武瑠が手がける。また、武瑠は俳優として2009年春公開の映画「ビートロック☆ラブ」に出演。2010年3月には自身のファッションブランド「million $ orchestra」を立ち上げ、同年12月発売の女性ファッション誌「KERA」では表紙を飾った。さらに2012年1月には初の著書「TRiP」も刊行し話題を集めた。同年4月にメジャー3rdアルバム「Lollipop Kingdom」を発売。同作に伴う全国ツアーではアルバムを曲順どおりに演奏し、ファンを驚かせた。9月にニューシングル「sweeToxic」をリリース。