メッセージ性が強いSTU48楽曲。今回、訴えたいのは……

──続いて、新曲「花は誰のもの？」の紹介をぜひお願いします。

石田　今は世界でも日本でもいろんな大変なことが起きていますよね。こういったご時世ですから、明るく過ごすことが難しくなっている面があると思うんです。でも、だからこそこの曲を聴いてポジティブな気持ちになってほしいし、前を向いてほしいなと私は考えています。今回は普通のミュージックビデオのほかに、「花は誰のもの？」を主題歌とした30分超の“ドラマミュージックビデオ”も制作したので、そこにも注目してほしいです。

──STU48はデビューシングル「暗闇」の頃からメッセージ性が強いナンバーが目立ちますよね。

瀧野　そうなんですよ。実際、今回の「花は誰のもの？」も歌詞のメッセージ性はかなり強く、いろいろ考えさせられる内容になっています。ある意味、今までよりもさらに深く踏み込んだ歌詞になっていますし、歌詞だけ読んでいても心が揺さぶられるんですよね。だからパフォーマンスするときは観ている方に少しでも楽曲の世界観が伝わるように気をつけたいと考えています。

中村　「曲で何を伝えていくか？」ということは、ステージに立つとき、一番気にしなくてはいけないポイントだと思うんです。私としては、この曲で“幸せな気持ち”を伝えていきたいです。

──ちなみに中村さんは、どういったときに幸せを感じるんですか？

中村　うーん……寝ているときかな。睡眠が一番の喜びなので。

石田　えっ!? そこなんだ（笑）。

中村　いや、だって平和じゃないと人間って眠れないですよ。心が乱されていると寝れなくなることもあるじゃないですか。私、みんなが仲良しでいることが結局は一番の幸せだと思うんですよね。もちろん幸せの価値基準は人によって違うでしょうけど、いい人間関係を作り上げるのって何物にも代えがたいことですから。

瀧野　確かにね。人脈とか仲間の存在は宝物だなって私も思う。

中村　私自身、STU48のメンバーと一緒にいられることに幸せを感じますし。「だから、みんなも仲よくしようよ！」ということを、今回の「花は誰のもの？」で訴えたいなと思っています。

至近距離から目撃した選抜メンバーの個性

──今回のシングルでは16人のメンバーが選抜入りしましたが、「一番、○○なメンバー」というテーマでそれぞれの個性を教えてください。まず一番、真面目なメンバーは誰でしょう？

瀧野　石田みなみちゃん！ 言われたことは絶対にちゃんと守るし、「それは違うんじゃない？」と感じたことは周りにもきちんと伝える。もともとの性格というか、人間の作りが本当に真面目だと思います。

石田　じゃあ私は吉田彩良ちゃんに1票！ どちらかと言うと普段は優等生タイプという感じではないんですけど、例えばダンスレッスン中に違和感を感じたら、先輩が相手でも躊躇なく「そこは違うんじゃないですか」とか指摘するんです。どうしたらSTU48が少しでもよくなるのか、真剣に考えているんだと思います。

──では、一番、涙もろいメンバーは？

中村　これはキャプテンの今村美月さんだと思います。とは言っても今村さんの場合は自分のために泣くのではなく、グループのことを思って泣くことが多いんですよ。ライブ終演後、感極まって泣いている姿はよく見ますね。

石田　確かに！ あれは見ているこっちもウルウルしちゃうんですよねえ。

中村　一番涙もろいメンバーであると同時に、一番STU48愛が強いメンバーなのかもしれません。

──次に一番、トーク力があるメンバーは？

瀧野　これは沖侑果ちゃんだと思います！ フレーズの選び方が常人離れしているんですよ。話し方にインパクトがあるし、その内容がすごく印象に残ります。

中村　あれは本当にうらやましい才能！ 分けてほしいくらいです。

──最後に、グループ内で一番、憧れられているメンバーは？

中村　これはいっぱいいるな……。なんだったら、私は全員に憧れていると言ってもいいくらいで（笑）。でも最近、特に素敵だなと感じるのは甲斐心愛さん。私は人見知りなものだから、甲斐さんみたいな社交的な人に憧れてしまうんです。誰とでもすぐ仲よくなれるし、人との接し方も勉強になることが多くて。私もゆくゆくはそんな先輩になれたらいいんですけど……。

石田　大丈夫！ もっと自信を持って（笑）。

瀧野　同期ではあるけど、ある意味、私は峯吉愛梨沙ちゃんに憧れているかもしれない。1期生の中で最年少なんですけど、一番大人っぽいなと感じることがけっこうあります。自分のやるべきことをきちんとやるし、気分の浮き沈みも周りに見せないですし。愛梨沙ちゃんは今回が待望の初選抜ということで、私個人としてもすごくうれしく感じています。

新たな大海原に、STU48・新章の未来地図

──3月にグループから岡田奈々さんが去り、いよいよSTU48の新章が始まります。今の率直なお気持ちは？

石田　5年間活動する中で、これまでほかにもメンバーの入れ替わりはあって。私は1期生として最初からその様子を見てきた立場なので、昔からあるSTU48らしさを残したいという気持ちが強いんです。それと同時に今は新しいメンバーも入ってくるタイミングだから、新しいSTU48を作るチャンスでもあると思うんですよね。

瀧野　5年間って決して短くないですからね。結成当時の自分たちを思い出してみると、みんな大人になったなと感じることがけっこうあるんです。昔はもっとメンバー同士で言い争いとかもしていましたから。

石田　うん、あったね。特にホテルの部屋に集まって、みんなで話し合いしたことはすごく印象に残っている（笑）。

瀧野　1期生全員……30人以上いるんですけど、みんなが1つの部屋に集まって会議したんです。あのときは今後の活動やグループのことについて、かなり真剣に話し合っていましたね。だけど今の私たちだったら、そこまでヒートアップしなくても互いに理解し合えるはずなんですよ。

石田　やっぱりそれは5年間でメンバーの関係性が深くなって、みんなが同じ方向を向いているからだと思う。

──STU48には新たに研究生が入ると伺っております。中村さんも後輩が増えるわけだし、いつまでも甘えていられないという気持ちもあるのでは？

中村　もう甘えていられないというのは、だいぶ前から感じていたことではあるんです。2期生が入った時点でしっかりしなきゃと考えましたし、ここでさらに新しい子が増えるとなると、私は中堅メンバーになりますからね。私は自分でも弱いなと感じるところが結構あるんですけど、そういう姿を後輩には見られたくないんですよ。あくまでも強い背中を見せる先輩でありたくて……。

──先ほど石田さんから「STU48らしさを残したい」という発言が出ました。「STU48らしさ」をわからない人に説明するとしたら、どういうことになりますか？

石田　「素朴な雰囲気」というのはデビュー当時からずっと言われていたし、メンバーが変わってもずっと残っていますね。やっぱり活動拠点が瀬戸内7県なので、東京とかの大都会にはない素朴なテイストがどうしても出ちゃうんだと思う。

──ありがとうございます。インタビューは以上です。最後に、何か言い残したことがあればお願いします。

瀧野　あります！ 「広島グリーンアリーナに来てね」って書いておいてください！

石田　日程は5月3日。結成5周年コンサートなんですよ。

瀧野　5年分の思いをすべて出し切るつもりです。私たちのことを昔から見ていてくださっている方には「懐かしい」と感じていただけるような、そして最近になってSTU48を知った方には「こんな素敵なグループがあったんだ」と驚いてもらえるような、そんなコンサートにしたいと思います。