奈々さんがAKB48グループの一員として戦わせてくれた
──MVにはセンターの瀧野さんから岡田さんに向けて手紙を読み上げる感動的なシーンもありますが、あれはガチのサプライズだったんですか?
瀧野 はい。MV撮影の合間に、奈々さんに見えない場所でこっそり手紙を書きました。兼任解除を知ってから初めて奈々さんに会ったのがこのMV撮影のときで、正直まだ実感が沸かなかったんですけど、手紙を書いていくうちに「ホントに兼任解除しちゃうんだな」と思えてきて、すごく寂しくなりました。でも、手紙を受けて奈々さんが涙を流していて、私の言葉が届いたみたいでうれしかったです。
──岡田奈々さんは結成時からSTU48の柱としてメンバーたちを牽引してきましたが、皆さんにとってはどんな存在なんでしょう? 偉大な先輩なのか、それとも同じグループの戦友なのか。
甲斐 同じメンバーとしてすごく仲がいいんですけど、最初は今みたいな関係になるとは思ってなかったです。「兼任ってどんな感じなんだろう……?」という距離感で、いろんなお仕事やライブのときに、その姿を見て学ばせてもらうような存在でした。でも、一緒にいるにつれてもっと砕けていって……兼任が解除されても、私にとって奈々さんはSTU48の1人ですね。それは変わらないです。
中村 奈々さんは自分がしんどいときや、どん底にいるときに救ってくれる神様みたいな存在ですね。奈々さんはAKB48での活動もあったので、なかなか一緒にいれる時間は多くはなかったけど、その中でもメンバーのことをよく見ていて。「最近どう?」と聞いてくださったり、様子がおかしいなと思ったらすぐに連絡をくださったりして。ステージ上はもちろん、裏にいるときも尊敬できます。何度も助けていただいたし、「(第3回AKB48グループ)ドラフト会議」のくじで私を引いてくださったし、感謝しかないです。
瀧野 私もAKB48の選抜に入ったときに相談に乗っていただきました。前に立つメンバーとしての悩みというか、周りのメンバーに相談してもいいのかわからないこともいっぱいあったので、奈々さんが先輩として近くにいてくれて本当に助かりました。奈々さんは今、AKB48のセンターもやっていますし、前に立つ経験をたくさんしてきた方の意見ってホントに強いなと感じます。
岩田 奈々さんは昔から憧れの存在で、AKB48で活動されている姿を見ていて、いつどんなときも素敵な方だなと思っていたんですけど、今は奈々さんのことをしっかり知ったうえで以前とは違う憧れの気持ちを抱いています。何事にもひたむきな姿や笑顔を絶やさない姿、すべてがびっくりするくらい完璧すぎてお手本になる存在です。奈々さんの素晴らしいところをいっぱい見てきたので、これからは自分が2期生にとって同じような存在になりたいです。
福田 奈々さんがSTU48にいるだけで、私たち未熟者たちに説得力が1つ与えられたというか。奈々さんがいることでSTU48に価値が生まれたと思うし、それだけじゃなく、グループの中でしっかりメンバーのことを支えてくださっていました。私たちがホントに何もできなかったとき、STU48をちゃんとAKB48グループの一員として戦わせてくれたのは奈々さんなので、その大切な存在がいなくなってしまうのは正直怖いですね。でも1期生はもう活動5年目で、奈々さんがSTU48との兼任を始めたくらいと同じくらいの活動年数なんです。後輩に奈々さんみたいにカッコいい姿を見せられるように、1人ひとりが自覚を持ってがんばっていきたいと思います。
2期生と作り上げるこれからのSTU48
──後輩と言えば、9月に広島・広島サンプラザホールで行われた公演「STU48 2期研究生 夏の瀬戸内ツアー~昇格への道・決戦は日曜日~」にて、チケット販売枚数2000枚という条件をクリアして、2期研究生22名の正規メンバーへの昇格が決定しました。1期生やドラフト3期生の皆さんも、この様子をドキドキしながら見守っていたんじゃないでしょうか。
福田 私たちは2階から公演を観させてもらったんですが、「昇格条件クリアできるか本当に最後までわからない」みたいな話を聞いてたんですよ。「これはどういう顔をして見守っていたらいいんだろう。でも、まだ最終的な結果はわからないし……」とドキドキしていたんですけど、2期生のみんなががんばって立ち位置とかを覚えて、堂々と踊っている姿を観て、「これは絶対に昇格に値するメンバーたちだ!」と確信しました。
──では、昇格が発表されたときはメンバーみんな大喜びでした?
中村 「よかったー!」って安心しました(笑)。そのあとにSTU48のメンバー全員で出演する「STU48 2021夏ツアー打ち上げ?祭(仮)」という夜公演もあったんですけど、タイトルに(仮)が付いていたのは2期生が昇格できるか当日までわからなかったからなんです。もし昇格できてなかったらどんな公演になってたのかなって思っちゃいますね(笑)。その夜公演のリハーサルを2期生と一緒にやる時間も多くて、この機会でかなり仲よくなれたので、「おめでとう」という気持ちと「これから一緒にがんばっていこうね」という気持ちです。
瀧野 これまでは2期生と一緒に仕事をする機会が少なくて。夏のツアーもレッスンは別々だったんですけど、みんなが昇格したことでこれから一緒にやれる仕事が増えるのかなと楽しみです。
──「ヘタレたちよ」では2期生の小島愛子さん、田中美帆さん、立仙百佳さんが初めて16名の選抜メンバーに入りました。簡単にこの3人がどんなメンバーなのか、1人ずつ紹介してもらってもいいですか?
甲斐 田中美帆は私の1つ年上でまだ19歳なんですけど、年齢以上に立ち振舞いが大人っぽいんです。STU48の大人メンバーと一緒にいても違和感ないくらい。あと、すごく努力家で、グループに加入したときからアイドルとして体型を保つことを心がけているし、ダンスの先生からもコツコツがんばっているという話を聞いています。ライブのリハーサルでも、「めっちゃうまい子いるな」と思ってよく見たら美帆でした。
中村 23歳の小島愛子ちゃんもめちゃくちゃ落ち着いていて、お姉さん感があるんですよ。「ヘタレたちよ」のジャケット写真を撮影したときも落ち着きがすごくて。後輩とは思えないくらいの貫禄を持っていて、私が甘えたくなるくらいです。それに、歌がめちゃくちゃ上手な印象です。
──まだ16歳という若さの立仙さんについてはいかがですか?
岩田 ももちゃん(立仙)は前から私のことを好きと言ってくれていて、よしよししたくなる、妹のような存在です! ももちゃんががんばってる姿を見守りたくなるんですよ。私は1期生の中でも年下のほうなんですけど、ももちゃんに「陽菜さん!」ってニコニコしながら寄ってこられると、自分が大人になったように感じますね(笑)。これからいっぱい甘やかしつつ、一緒に切磋琢磨していきたいです!
- STU48(エスティーユーフォーティエイト)
- 国内6番目のAKB48の姉妹グループとして2017年3月に誕生。瀬戸内地方を本拠地とし、1つの海と7つの県を拠点に活動している。2018年1月にメジャーデビューシングル「暗闇」を発表した。同年7月には平成30年7月豪雨の被災地への支援プロジェクト「がんばろう!瀬戸内」を立ち上げ、公演にあわせて街頭募金などを行ったほか、9月からはチャリティコンサートツアーを開催。2019年4月には瀬戸内海を舞台にした船上劇場「STU48号」がオープンし、同年11月より初の全国ツアーを行った。2021年1月に東京・日本武道館で単独コンサート「新春STU48コンサート2021~瀬戸内からGO TO 武道館~」を開催。2021年10月に7thシングル「ヘタレたちよ」をリリースした。岡田奈々は本作をもってSTU48との兼任が解除となり、今後はAKB48の活動に専念する。