すとぷり|リスナーのみんなと次のステージへ、リーダーななもり。が新作アルバムを解説

新しさへの挑戦

──4曲目に収録されている「Next Stage!!」は、先ほどおっしゃっていた通り新しさを感じさせる曲ですよね。

この曲はるぅとくんに作曲をしてもらって僕が歌詞を付けたんですが、この歌詞を書いているとき、実は悩んでいたことがあって……。

──何に悩んでいたんですか?

これは作詞に限らず、生配信などの活動にも当てはまることなんですが、届けたい言葉をリスナーさんに伝えたとしても、人によってその言葉の受け取り方が全然違うということに悩んでいたんです。年齢、性別、住んでいる地域など、皆さんの環境が違うことで言葉の伝わり方が変わってくる。僕たちが意図していなかった意味で伝わってしまうことがこれまでにもたくさんあったんです。「Next Stage!!」では、僕たちの思いを誤解のないように伝えるにはどうすればいいか、それを一番に考えながら「リスナーの皆さんと一緒に次のステージに行きたい」という気持ちを詰め込んで作詞しました。

ななもり。(写真提供:すとぷり)

──ラップのパートにはメンバーそれぞれの自己紹介的なリリックがあります。この部分もななもり。さんが書いたんですか?

はい、僕が書きました。みんなの性格をちゃんと歌詞に引き出せたという手応えがあります。また機会があればメンバーの個性を表現した歌詞を書いてみたいですね。

──12曲目の「ヒカリユメ」も、これまでのすとぷりにはなかった曲調ですよね。

ジャジーなサウンドに挑戦した1曲なんですが、歌詞の内容もこれまでのすとぷりの曲になかったものになっているんです。すとぷりの曲はリスナーさんと僕たちの関係性を歌ったものが多いんですが、「ヒカリユメ」に関しては1つの物語のように歌詞がつづられていて。ここに書かれていることはリスナーさんのことでも、僕たちのことでもないんですよ。しかも歌詞の最後には、聴き手を突き落とすようなオチが待っている。この曲はぜひ歌詞を読みながらじっくり聴いてほしいですね。

エロに振り切った大人組

──今回のアルバムには、すとぷりメンバーがペアで歌うユニット曲が3曲収録されています。まずはななもり。さんとジェルさんが歌っている「忍恋」について聞かせてください。

僕は自分のことをすごくストイックな性格だと思っているんですけど、ジェルくんも2019年はストイックに動画制作をがんばってくれたメンバーで。僕は自分たちの活動のことを修行に近いものだと思っているんですよ。自分が強くなることで、自分だけが幸せになるのではなく、喜んでいただくために努力していくということ。「忍恋」ではそのことを忍者とかけ合わせてみました。最初は恋愛の要素が強い曲だったんですけど、作っていく途中で自分たちの活動とリンクしていって修行の要素が強くなってしまいました(笑)。

──莉犬さんとるぅとさんは、ナユタン星人さん作詞作曲の「溶解ウォッチ」という曲を歌っています。

この曲は「妖怪ウォッチ4++」というゲームの主題歌で、ナユタン星人さんが「妖怪ウォッチ」のプロデューサーである日野(晃博)さんと作り上げた楽曲を「自由に歌っていいよ」と託してもらいました。すとぷりの中でもかわいい要素に長けた莉犬くんとるぅとくんの2人に歌ってもらうことで、教育番組の中で流れていてもおかしくないくらいのキャッチーな曲に仕上がっています。ナユタン星人さんがすごいのは、「妖怪ウォッチ」の世界観とナユタン星人さんらしさを保ちながら、すとぷりの魅力をちゃんと引き出してくれるところだと思っていて。今回のアルバムでは3曲もナユタン星人さんに提供していただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

ななもり。(写真提供:すとぷり)

──3曲目のユニット曲はころんさんとさとみさんが歌う「遊獣浮男ボーイ」です。この曲はメンバーのイメージと歌詞がとても合っていると感じました。

楽曲を書いてくださったれるりりさんには僕のほうから「どうしようもないチャラい男性の曲をお願いします」とお伝えしたんです(笑)。本当にどうしようもない男のことを歌った曲なんですが、ころんくんとさとみくんは「僕たちの曲だ!」と言ってすごく喜んでいました。ノリノリで歌っていましたね。

──前作に引き続き、ななもり。さん、ジェルさん、さとみさんの“大人組”と、莉犬さん、るぅとさん、ころんさんの“信号機組”によるユニット曲も収録されています。大人組の「脳内ピエロ」はアダルトな雰囲気が漂う曲になっていますね。

前作「すとろべりーらぶっ!」のときに3人で歌った「キングオブ受動態」がロックでカッコいい感じの曲だったので、今回はエロに振り切ってみようかなと。ジェルくんもさとみくんも声が大人っぽいので、その魅力を感じてもらえるような曲にしました。

──一方、信号機組が歌う「咲かせて恋の 1・2・3!」は、「脳内ピエロ」とは対照的な楽曲となっています。

すごくキャッチーな曲なんですけど、実は歌うのが難しいんです。作曲を担当したるぅとくんは「これぐらい歌えるでしょ!」と言っていましたが、莉犬くんところんくんは「難しい歌だ!」と嘆いていました(笑)。るぅとくんは制作の話になると厳しくなるので、2人はかなり苦労したかもしれませんね。

生配信の時代が来る

──今後、さらに拡大していくであろうすとぷりの活動について、ななもり。さんはどのように考えていますか?

いい意味で僕らの活動の核となる部分は変わらないと思います。これまでずっと続けてきた生配信というコンテンツに、僕はすごく可能性を感じていて。若い世代の方々がテレビではなくYouTubeで動画を楽しむようになったとよく聞きますが、それはテレビよりもYouTubeのほうがリアルを感じられるからだと思うんです。ただ動画は編集ができてしまいますから、YouTubeの動画も100%のリアルではないんですよね。僕はずっと前から、削除も編集もできない生配信が一番面白いと感じていて。

──すとぷりの活動の核となる部分は、生配信であるということですね。

はい。生配信では咳払いも入ってしまいますし、なにか失敗してもそのまま放送されてしまう。すべてがリアルタイムで流れてしまうからこそ、そこにリアルを感じるし、視聴者さんとのやり取りがあることで親しみやすさも生まれると思うんです。5Gの時代が来ることもあり、近い将来生配信はもっと注目されるはずなんです。僕らが今やっている活動は未来に向けての種まきのようなことでもあって、これから先、生配信がもっと身近で注目されるコンテンツになったとき、胸を張って前に出れるような存在でいたいんですよね。そのためにも、今の活動ペースを緩めることなく、ひたむきに努力し続けてたくさんの人にすとぷりの存在を知ってもらいたい。今年もいろんなことに挑戦して、すとぷりの活動を大きくしていきたいですね。

埼玉・メットライフドームで開催された「すとろべりーめもりーvol.10」の様子。(写真提供:すとぷり)

ライブ情報

すとぷり「すとろべりーめもりー Vol.Next!!」

2020年3月21日(土)愛知県 ナゴヤドーム