ナタリー PowerPush - SOUR
回り続ける日常、回り続ける音楽
音楽以外の表現をやってる人とは不思議と合う
──SOURは毎回すごい映像を作るので、やっぱりそれに関して期待されてる部分もあるだろうし、作る側としてはハードルがどんどん高くなってるんじゃないでしょうか。
hoshijima 面白いことをやりたいって気持ちがあるだけなので、そういうふうに背負い込むことはないかな。「今回こういうことをやったから、今度はこういうことをやってみよう」みたいに、前にやったことから次のモチベーションが生まれてるところもあって。さっき言ったように今回のPVも「映し鏡」の反動があるし。
──映像のインパクトがどんどん強くなっていくと、PVの主役が逆転しちゃう恐れみたいなものを感じちゃいそうですね。映像がメインで曲がただのBGMになってしまったら本末転倒でしょうし。
Sohey 「日々の音色」のPVを公開したあとで一時期、英語のメールが大量に届いたんです。日本語のメールとほぼ同じか、こっちのほうが多いんじゃないかってくらい。で、そこには「映像がすごかった!」っていう反応だけじゃなくて、「ライブやりに来ないか?」とか「CDはどこで買えるんだ?」っていうのがすごく多かったんですよ。「日々の音色」は400万回以上再生されてるんですけど、数百万人の人がこれを観たとして、その中でほんの数%だけでも自分たちの音楽が届いた人がいるなら、それは十分意味があることだと思いますね。
──確かにそうですね。あと皆さんの中に、音楽だけに留まらずにいろんな表現をしたいという気持ちがあるのかなと思いました。ダンスカンパニーDAZZLEと一緒に活動してるのもそうですし。
高橋 それはありますね。昔、恵比寿みるくでイベントを企画してたんですけど、その頃もバンドをいっぱい呼ぶことより、絵を展示したり、書道家とかダンサーとコラボしたりのほうが興味あったし。
Sohey あと料理人を毎回呼んで、ビーフストロガノフとライスコロッケとか、ライブハウスのレベルじゃないようなものを作ってました。みんなはラウンジでそれを食べながら上の階でやってるライブの映像を観るという。
hoshijima ウエイトレスもいたね。
Sohey そうそう、クラブではキャッシュオンでお酒を買うのが一般的だけど、注文を取りに行くスタイルにして。
高橋 だから、僕らはたまたま音楽を手段にしてるだけであって、表現ができれば基本的になんでもいいかなって気持ちがありますね。PVについての認識も「音楽に付随する映像」じゃなくて、どっちも完全に対等で。
hoshijima 今イベントの話をしてて思い出したんですけど、昔から僕ら、音楽的に仲良くできるバンドがあんまりいないんですよね。「ハードコア」とか「ポップスの歌モノ」みたいなわかりやすい括りがあれば、音楽性が似通った人たち同士で対バンをやって盛り上がったり、お互いのお客さんが付いてきたりするんだと思うけど。
高橋 いわゆる「シーン」ね。
hoshijima でも音楽以外の表現形態をやってる人とは不思議と合うんですよね。DAZZLEも然り、川村くんも然り。ジャンル分けできないけど感覚的に通じ合える人たちというか。
Sohey 仲いいバンドも全然ジャンルが別々だったりして、対バンすると残念な結果になったり(笑)。
hoshijima 「その組み合わせは求められてない」みたいな(笑)。
慢性アウトプットと急性アウトプット
──今後はどういう活動をしていくつもりですか?
hoshijima 年明けからツアーが始まるし、ライブの質を上げてガッチリ数をこなしていきたいっていうのが目下一番やりたいことですね。今年はアルバムの制作をガッツリやってたから、今まででも有数なほどライブをやってない年になってしまったので。まあものすごく充実してたんですけど。
高橋 来年はそれに尽きます。
Sohey そうだね。曲作るのがすごく好きだし、スタジオにこもるのも楽しいんですけど、やっぱりそれをアウトプットしないと面白くないし。まあレコーディングもアウトプットではあるんだけど……。
高橋 CDを作るのは「慢性アウトプット」。で、ライブは「急性アウトプット」。
Sohey そうそう(笑)。昔はライブのときでも「ミスらないようにしよう」って気にしてたのが、最近はドーンといって大失敗でも、それはそれで面白いかなみたいに思えるようになってきたので(笑)、そういうのってCDを作るのとは違う種類のアウトプットなのかなっていう気はします。
hoshijima SOURはゆるい音楽という印象の人も多いと思うんですけど、僕らはわりとフィジカルなバンドでして。曲も全部セッションで作ってるし、常に楽器のせめぎ合いなんですよね。だからバキバキやってるところをぜひ、生で観てほしいなあと思います。
- ニューアルバム「LIFE AS MUSIC」 / 2013年12月11日発売 / 2415円 / SPACE SHOWER MUSIC / PECF-3064
- ニューアルバム「LIFE AS MUSIC」
収録曲
- 繰り返す今
- Life is Music
- 月日は流れて
- What I am
- Trieb
- 適当なEQにリバーブちょっとで
- 寝静まる街
- パズル
- まにまに
- クレマ
- round and found
- この夏の終わり
- DVD「SOUR Music + Visuals」 / 2013年12月25発売 / 2000円 / SPACE SHOWER MUSIC / PFBF-3065
- DVD「SOUR Music + Visuals」
収録内容
- 半月
- 面影の先
- 日々の音色
- 映し鏡
- Life is Music
特典映像:「影踏み SOUR×DAZZLE LIVE at shibuya www」
SOUR "LIFE AS MUSIC" リリースパーティ東阪ワンマンライヴ
- 2014年1月12日(日)東京都 代官山UNIT
<出演者>
SOUR
ゲスト:Dub Master X(PA) / 柴由佳子(violin) / 林絵里(contrabass) from チーナ / 大島武宣(guitar / chorus) / 伊藤絵里(percussion) from Senkawos
DJ:マイケルJフォクス VJ:eetee - 2014年1月19日(日)大阪府 心斎橋CONPASS
<出演者>
SOUR
DJ:カズキ(Perfume* / フィッシュマンズナイト大阪) / cob氏(Perfume*)
FOOD:Roma Pizza Cheena
全国ツアー詳細も決定、詳しくはこちらで。
SOUR(さわー)
hoshijima(G, Vo)、Sohey(B)、高橋ケ無(Dr)により2002年に結成された、アコースティックサウンドを基調にしたポップバンド。2005年に自主制作で販売したCD「for my incongruity」が、下北沢ヴィレッジバンガードにて2カ月連続売上枚数1位を記録した。2007年発売の1stアルバム「rainbow under the overpass」に収録された「半月」のPVをクリエイティブディレクター・川村真司が制作し、この映像が雑誌「広告批評」のミュージックビデオ年間第7位に選出される。以降もSOURの映像制作は川村が携わり、2009年にYouTubeで公開した「日々の音色」のPVは再生数400万を突破して全世界で話題に。同PVは「文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門で大賞を受賞した。さらにTwitterやFacebookと連携した「映し鏡」のビデオクリップは「カンヌ国際広告祭」の金賞など多数の賞を獲得。2012年には世界的ダンスカンパニー・DAZZLE との共同公演「Moon Shot」を行い、その模様を収録したDVDを発売。2013年12月には3年ぶりのアルバム「LIFE AS MUSIC」をリリースした。