SOLEIL|子供以上、大人未満 それいゆが歌う“16歳”の心

自分の中でも今までの3枚で一番いいと思いました

──サリーさんのお気に入りの曲は?

それいゆ(Vo)

久保田 僕もやっぱり「アナクロ少女」とか「ファズる心」とか……。

それいゆ 一緒だ。

久保田 2ndアルバムで曲を一般公募したんですけど、そのときも5曲ぐらいに絞ったらわりと2人の間でお気に入りの曲が一致してました。でも今回のアルバムは、さっきも言いましたけど、自分の中でも今までの3枚で一番いいと思いましたね。

それいゆ 全曲いいです。

久保田 うん。それいゆちゃんの成長もあるし、音作りをずっと同じメンバーでやってるのも大きいと思います。ドラムもずっと白根(賢一)くんだし、アレンジは岡田ユミさんとSOLEIL、ミックスもmicrostarの佐藤さんで変わらないので、だいぶこなれてきたっていうか。もろ“○○風”っていうんじゃなく一度消化して出せるようになって、単純にオリジナル性が今までで一番高いかなという気がしました。

──SOLEILサウンドが確立してきた?

久保田 1枚目の頃はよく中森さんと、例えばマーシー(真島昌利)さんに提供してもらった「恋するギター」だったら、「64年ぐらいのマージービートっぽく」とか言ってたけど、今回は「だいたいざっくりこのぐらいかなー」でいい感じになるというか。カバーも別の時代の曲を持ってきたり。

それいゆ 確かに、2枚目まではリファレンス音源が決まってて、みんなやる前に聴いてましたよね。「こういう音で」みたいな。

久保田 ドラムの音を決めるときも、「どんな音がいいですか」って聞かれるんで、前は具体的に言ってたんですけど、今回はアバウトになりました。

それいゆ 特に何も思ってなかったけど、今回はそんなにみんなで聴いてる感じではなかったかもしれないなって。「リファレンス、なんですか?」って誰かが聞いても「なんだろう?」みたいな(笑)。わりとその場で「これかな? あれかな?」ってやってみる感じで。

久保田 「アナクロ少女」はフレネシさんのデモからそんなに変わってないもんね。ただ、イントロと間奏は60年代前半のポップスっぽくしたかったので、マリンバとかシロフォンを入れて。今回もマリンバやシロフォンは全部それいゆちゃんが叩いてるんですけど、そういう面白さも出たかなと思います。

──アレンジに関しては?

久保田 参考音源みたいなのを岡田さんに渡してます。「メロディはこんな感じだけど、オケはこんな感じ」とか言って。岡田さんは20年ぐらい前、同じ事務所にいて、音大を出てすぐ僕のマニピュレーターをやってくれてたんですけど、20年後に再会したらCM音楽界の女王になってました(笑)。どんなものにも対応してくれるし、スピードもすごいし、決して“広く浅く”じゃないんですよ。リファレンスも、初めて聴く音源もあるかもしれないけど、ちゃんとツボを押さえてくれます。CM畑で20年間やってきた経験値がそうさせるのかなと。

歌詞の中の“あなた”は清志郎さんのことかなって

──のんさん提供の「トキメキ」が入ったのはディレクター・川口さんの意向ですか?

川口氏 私とサリーさんで話して、のんちゃんとは近田春夫さんのアルバムでも仕事してるんで、それもあって快諾してくれました。

──のんさんが作詞作曲した「ゆっくり飛んでけ」の演奏がSOLEILでしたもんね。

久保田 のんさんがギターを弾いて、それいゆちゃんがドラムを叩いて。今回、のんさんは快諾でしたよね。

川口氏 むしろ「私でいいんですか?」みたいな感じで受けてくれました。

久保田 歌詞の中の“あなた”は清志郎さんのことかなって川口さんと話してたんですけど……あっ、(それいゆに向かって)のんちゃんがYouTubeで見つけて好きになった忌野清志郎さんって人がいるんですよ。

それいゆ (うなずく)

久保田 彼女からもらったデモはギター1本で、もっとテンポが遅くて、ほんとRCサクセションみたいな感じだったんです。

川口氏 こないだのんちゃんのソロライブに行ったときに「トキメキ」の歌詞のことを聞いてみたら、「清志郎さんってわけではなくて、リスペクトするいろいろなアーティストのイメージを重ねました」と言ってました。

──清志郎さんを知らないそれいゆさんはちんぷんかんぷんじゃないですか?

それいゆ はてなが3つぐらい……(笑)。

それいゆ(Vo)

──直枝政広さんの「School's Out」もカッコいいですね。

それいゆ 好きです。「あきれるほど今日も素敵だなぁ Oh Yeah 隣に立ってみよう Oh Yeah 信号が変わるまで」ってところがすごいかわいいなって、いつも思います。

久保田 森高千里さんがカバーしてたカーネーションの「夜の煙突」って曲があるじゃないですか。直枝さんに「絶対じゃないけど、そんなのがいいなあ」と言って作ってもらったんです。カーネーションの前に直枝さんがやってた耳鼻咽喉科っていうバンドの、初期直枝さんのイメージで。そう伝えたらドンピシャなのが上がってきて、うれしかったです。

──お二人共このアルバムに関しては大満足ですね。

久保田 はい。

それいゆ そうですね。

久保田 それいゆちゃん、まだちゃんと聴いてないんでしょ(笑)。

──そして、残念ながらアルバム完成後にはギタリストの中森泰弘さんが脱退されてしまいましたが、脱退の理由というのは。

久保田 「燃え尽きた」と言ってました。でもまた火が点きそうな気もしてるんですけどね。

僕の中で“17歳”は最高峰なんです

──これまでそれいゆさんが1つ歳を重ねるごとにアルバムを1枚ずつ作ってきましたよね。

久保田 そうですね。1stも2ndも別に「14」とか「15」ってタイトルには入れてませんけど、一応14歳、15歳がテーマのアルバムで、「さよなら14才」とか「太陽がいっぱい (My Sweet Fifteen)」って曲名に年齢を入れてきてるし。今回は森若香織さんが「Lollipop Sixteen」という素敵な歌詞を書いてくれたのでそのままアルバムタイトルにしましたけど。

──このコンセプトは今後も続くんでしょうか?

久保田 年齢に関して言うと、僕の中で“17歳”は最高峰なんですよ、実は。「シックスティーン」もいいですけど、やっぱり「セブンティーン」だよなって。そう感じません? 17歳の曲って多いじゃないですか。

それいゆ 雑誌にも「Seventeen」ってありますしね。

久保田 なんか「セブンティーン」って青春の最高峰って気がするんです。「エイティーン」は大学受験とかでまた様子が違ってくるんで、17歳って10代で一番輝く時期なんじゃないかなと。「セブンティーン」って光り輝く言葉だなって思います。

──来年はそれいゆさんもSOLEILもますます光り輝きそうですね!

久保田 「Lollipop Sixteen」の歌詞に「歌もオシャレもドラムも 君より忙しくなるわ」ってあるけど、まさしくそんな感じです。そういえば今回、中森さんが書いた「なつやすみ」という曲では、それいゆちゃんがドラムを叩いてるんですよ。これまでアルバムの最後は元気な曲でしたけど、今回はちょっと方向性を変えて、しっとりと締めてみました。

──それいゆさんのドラム、僕も好きです。

久保田 ドラムの腕も上げてるんですよ。学校の成績もいいしね。

それいゆ やめてください(笑)。