SOLEILが7月17日に3rdアルバム「LOLLIPOP SIXTEEN」をリリースした。
近田春夫のアルバム「超冗談だから」への参加を通じて縁が生まれたのん、それいゆ(Vo)がずっとファンだったというフレネシ、直枝政広(カーネーション)、TWEEDEESの沖井礼二&清浦夏実コンビなど、今回も多彩な面々が楽曲を提供。フランス・ギャルの「Zozoi」、イモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」といったカバーも収録し、懐かしくて新鮮でビビッドなSOLEIL流ポップスを全12曲にわたって聴かせてくれる。音楽ナタリーでは、それいゆ、サリー久保田(B)の2人にインタビューを実施。話題はアルバム制作の経緯からそれいゆの高校生活にまで及んだ。またページの後半には、「午後のそれいゆ」と題したフォトギャラリーを掲載している。
取材・文 / 高岡洋詞 撮影 / 伊藤圭 衣装提供 / starblinc
「早く受かんないかなあ」とか思いながら待ってました
──それいゆさん、4月から高校生になったんですよね。学校はどうですか?
それいゆ(Vo) 楽しいです。最近油絵をはじめました。
──最近は何の絵を描きましたか?
それいゆ 牛骨を描きました。
──どうして油絵をやろうと思ったんですか?
それいゆ 絵の具を重ねていくのが楽しそうだなと思って……なんか、受験のときの面接みたい(笑)。
──すみません(笑)。前作のインタビュー(参照:SOLEIL「SOLEIL is Alright」インタビュー)で、すでに3rdアルバムに着手しているとサリーさんがおっしゃっていましたよね。
サリー久保田(B) 曲は頼み始めてましたね。それいゆちゃんが本格的に受験態勢に入った10月から本腰を入れて、年内に何曲か上がってきたので、プリプロも始めて。
──レコーディングは受験が終わって一気に?
久保田 そうですね。3月くらい?
それいゆ はい。まだ合否がわかってない状態でした。
久保田 2月までプリプロをしつつ、「早く受かんないかなあ」とか思いながら待ってました。
──実はこのアルバム、個人的にはこれまでの3枚で一番好きなんです。
久保田 おー!
それいゆ ありがとうございます。
──それいゆさんの歌が進境著しいなと思いまして。
久保田 僕もそう思います。
それいゆ フフフ。
久保田 単純に表現力が1stの頃とは段違いというか、1回自分の中で楽曲を解釈している感じがしますね。
──それいゆさん自身はどうですか?
それいゆ (小声で)まだそんなに完成したのを聴いてない……。
──(笑)。
それいゆ でも、いろんな歌い方はしたつもりです。
今回は歌入れに苦労しませんでした
──例えば「アナクロ少女」はロリータっぽい歌い方ですけど、ナチュラルに子供っぽいんじゃなくて、ちゃんと距離を置いて演じている印象を受けたんです。
それいゆ (曲を提供した)フレネシさんを意識しました。
──フレネシさんはもともとお好きなんですよね。
それいゆ はい。ちっちゃい頃に新体操を習ってたんですけど、個人演技のときに使う曲の候補にしてました。実際にフレネシさんの曲で踊ったことはないんですけど。
──どんなところが好きですか?
それいゆ 声も曲もすごく……なんて言うんですかね、いい塩梅にかわいい(笑)。
──いい塩梅。大人の語彙ですね(笑)。実際、それいゆさん自身にも意識的に歌の主人公を演じているような感じはあるんでしょうか?
それいゆ なんとなく「こういう感じかな」って決めて歌ったりしてますね。曲に合わせてノリで歌ってるものもありますけど。
──どのようにしてイメージをつかんでいくんですか?
それいゆ サリーさんに聞くこともあるし、最初に自分の解釈で歌って「もうちょっと、ここをこういうふうに」とか言われたり。
久保田 でも、今回はそんなに言ってない気がしますよ。
それいゆ うん。わりとざっくり「元気に」とか。
久保田 「明るく」とか。あと僕の場合、「カヒミ・カリィっぽく」はよく出ますね(笑)。今回のレコーディングに関しては、1回それいゆちゃんに歌ってもらってプリプロして、その1カ月くらいあとに歌入れをしてるので、たぶんその間に本人の中でイメージを膨らませたりしてるのかもしれないなと。とにかく今回は歌入れに苦労しませんでしたね。
──「5-4-3-2-1」では語尾をおしゃべりっぽく跳ねさせているところが3カ所だけありますね。
それいゆ ここはサリーさんが「“とぼけてる(語尾を上げる)”って感じで」って言ったんだと思います(笑)。
久保田 まったくその通りです。僕が語尾好きというのもあるんですけど(笑)、沖井(礼二)さんとかフレネシさんとかmicrostarの佐藤(清喜)さんの曲があり、カバーもあるアルバムの中で、「5-4-3-2-1」は遊んでもいいタイプの曲だという解釈だったんです。それで、ちょっとしゃべってる感じというか、大人を小馬鹿にしてるってわけじゃないけど(笑)……とにかく気楽にやりました。
──大人を小馬鹿にしているわけではないけど、大人が少女というものに対して抱いているイメージを演じている感じがしたんです。自分自身を俯瞰しているというか。
それいゆ あんまり意識してないです(笑)。
久保田 彼女の歌は同世代のシンガーと比較しても自然体なんで、イヤ味なくうまくいってると思うんですよ。そういうところが60年代好きの音楽ファンの人に気に入ってもらえてるのかなと。よく言われるのが「フランス・ギャルみたい」とか。別に狙ってるわけではないんだけど、もし今、彼女がいたらこんな感じなのかなって。
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今回は語り部分もちゃんと聴いています(笑)