ナタリー PowerPush - 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014

佐藤タイジ×SUGIZO “陽”と“陰”の表現者が語るエネルギー問題の未来

ソーラーパネルの電気で出す音のよさ

佐藤 去年の中津川の2日間とも晴れて、終わったと同時に豪雨になったんですよ。今年はちょっと雨男の先輩と、雨女の先輩がいるんです。名前は出しませんけど(笑)。だからオフィシャルてるてる坊主を作って、雨兄さんと雨姉さんの出番のときはみんなでそれを持って防御しないといけない。頼むから降らすんじゃねえと。完全に呪術の世界(笑)。

SUGIZO 僕は自他ともに認知されてる超晴れ男なんですよ。

去年行われた「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」会場の様子。

佐藤 よっしゃ! いい話聞いた(笑)。俺も晴れ男なのよ。晴れてくれないと発電に関わる話ですから。会場に並んだ520枚のソーラーパネルは壮観ですよ。絵的にPink Floydっぽいというか(笑)。

SUGIZO ソーラー発電は本当に音がいいですね。でもそれは考えてみたら当然で、電気は普段は何百kmも送電線を通ってきてるわけで、その間にノイズは混じるし、劣化していくし。やっぱりその場で生成した電気をそのまま使うってことが、どれだけ鮮度が高いかっていうのは音聴いたら一発でわかりますよ。

佐藤 一発だよね。

SUGIZO それはファンの人たちもわかってる。音が全然違うって。そもそも電気に罪はないんですよ。

佐藤 全然悪じゃない。

SUGIZO 電気を生成するためのプロセスの問題であって、ナチュラルなエネルギーで作られた電気でライブをやるというのは素敵な案ですね。だって電気は自然のものですから。

佐藤 もともとあるものだからね。だから音楽業界の人だけでなく。いろんな業界の人に来てほしいなと思うんです。どうせフェスで騒いでるだけでしょ?くらいに思ってる人にこそ、どんなもんか見てほしい。すごく将来性のあることをやりたいんだっていうことを。今年もフードコートは線量表示するし。

SUGIZO 素晴らしいね。

佐藤 去年からの改善点もいろいろあるし。電池の技術的な部分でブラッシュアップしなきゃいけないところもあるし、ステージの置き場所も去年と変えてもうちょっとキャパシティも大きくしようと思うし、あと、会場内のデコレーションね。“あっ、このパーティ楽しそう”みたいな。そういえば俺、こないだ聞いてビックリしたんだけど、中津川のある岐阜県って、県が集団的自衛権の行使について反対しますっていうのを出してんだよ。

SUGIZO 岐阜県知事がそういう意識が高いってことですね。

佐藤 そういう県民性なんだね。なぜ中津川なのかという理由がいろいろ後から見えてくるとこがあるね。

絶対音楽でありながら、仲間と大きな意見を呈示したい

佐藤 今年の2月から「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014」のプレイベントとして渋谷、名古屋、大阪でも「THE SOLAR BUDOKAN」をやってきたんです。みんなに広く知ってもらいたいから。

SUGIZO それがみんな中津川の出演者につながってるんだね。

佐藤 だからSUGIZOくんがここにいるのはでかいんですよ。俺は政治家になりたくて「THE SOLAR BUDOKAN」を始めてるわけじゃないし、絶対音楽でありたいと思ってるし、そのほうが有効なはずだって信じてるから。このまま「THE SOLAR BUDOKAN」にいろんな仲間を集めて、でかい意見を提示したいんですよ。“お前ら、こっちにはSUGIZOがいるんだぞ?”みたいな(笑)。

「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」フィナーレの様子。

SUGIZO いやいや、全力でやらせてもらいますよ。「THE SOLAR BUDOKAN」、最初からすごいなと思ってたので、参加できて本当に光栄です。

佐藤 いやいやいや。去年は俺、あっちのバンド、こっちのバンドと出演してめちゃくちゃ忙しかったんですよ。

SUGIZO 今年はどうですか?

佐藤 9月27日はインディーズ電力と、仲井戸“CHABO”麗市さんのバックをシアターブルックでやるんです。CHABO×シアター、いいっすよ。

SUGIZO CHABOさん、「THE SOLAR BUDOKAN」のイメージがすごくあるもんね。で、9月28日はシアターブルックと加山雄三さん?

佐藤 そう。SUGIZOくんは当日どんなパフォーマンスになりそうなの?

SUGIZO 基本的には僕のソロは、テクノ / トランス寄りでね。今回はそこに生ドラマーが入り、よりジャム色の強いものにするつもりで考えてます。

佐藤 そうなんだ。誰連れてくるんだろ?

SUGIZO komaki♂くんと一緒にやるつもりです。彼は僕が大好きなtricotのドラマーだったんだけど、この春に脱退して。いいドラマーだし、tricotも素晴らしいバンドなんで。FLiPと同年代くらいかな。

佐藤 じゃあ、すげえ若いってこと?

SUGIZO そうそう。FLiPもいいバンドですもんね。こういう女の子が出てくると楽しいよね。

佐藤 いいよね。ちゃんとしてるもんね、ミュージシャンとして。

SUGIZO あとはできるだけ他のアーティストに乱入して、どんどんジャムりたいですね。難波くんともまたやりたいし。

佐藤 ぜひぜひ! いやあ、思いのほか盛り上がったね。SUGIZOくんとしゃべってると気持ちいいんだよ。

SUGIZO そんなこと言われたの初めてだな。

佐藤 丁寧にしゃべるじゃない? で、たまに「ですよ」とか言うのがいいんですよ。

SUGIZO ありがとうございます。2人ともよくしゃべるから話すとなかなか止まらない(笑)。

佐藤 終わんない終わんない(笑)。

左からSUGIZO、佐藤タイジ。
中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014
2013年9月27日(土)、28日(日)
岐阜県 中津川公園内特設ステージ
OPEN 10:00 / START 11:00
9月27日(土)出演者
Dragon Ash / Char / Dachambo / SOLAR JAZZ SESSION / TAKA(Feeder, Muddy Apes) / 堂珍嘉邦 / DJダイノジ / FLiP / FLYING KIDS / GOMA & The Jungle Rhythm Section / the HIATUS / インディーズ電力 / THE MAN / 仲井戸“CHABO”麗市 / RIZE / さかいゆう / SOIL & "PIMP" SESSIONS / 10-FEET
<~Village Of Illusion~出演者>
LIVE:うじきつよし / 岡野弘幹 / 高野哲(ZIGZO) / marron+Izpon+eiji / 柳川タカシ+堀嵜ヒロキ / 渡辺大知(黒猫チェルシー)
DJ:Kaoru Inoue / 社長(SOIL & "PIMP" SESSIONS) / 冷牟田竜之(THE MAN) / DJ 吉沢dynamite.jp / Dj LYN
DANCE SHOW:sdl caravan / KANAKO / 紫式舞
9月28日(日)出演者
東京スカパラダイスオーケストラ / UA / シアターブルック / ACIDMAN / a flood of circle / bird / Caravan / THE COLLECTORS / THE King ALL STARS(加山雄三、佐藤タイジ、名越由貴夫、ウエノコウジ、武藤昭平、高野勲、山本健太、タブゾンビ、古市コータロー) / 真心ブラザーズ / 蜜 / MY LIFE IS MY MESSAGE [矢井田瞳、おおはた雄一、山口洋(HEATWAVE)、仲井戸“CHABO”麗市] / NAMBA69 / SCOOBIE DO / SUGIZO / TRICERATOPS
チケット インフォメーション
  • 通し入場券 13690円
  • 27日入場券 8500円
  • 28日入場券 8500円
  • プレミアムキャンプ付き 通し入場券 18690円
  • キャンプ付き 通し入場券(場内駐車なし) 15690円
  • 駐車場付き 通し入場券 17690円
  • 駐車場付き 27日入場券 11000円
  • 駐車場付き 28日入場券 11000円
佐藤タイジ(サトウタイジ)
佐藤タイジ

シアターブルックのフロントマンにして、作曲家、プロデューサー、俳優など数多くの肩書きを持つアーティスト。1967年に徳島県で生まれ、14歳のときにギターを購入したことをきっかけに音楽の世界にのめり込む。1986年にシアターブルックを結成し、1988年にアナログ盤「Theatre Brook」をリリース。以降、日本随一のファンクバンドの顔として活躍する一方、MCUや清春、tobaccojuiceなどさまざまなアーティストのプロデュースを手がけその手腕を発揮している。2008年5月にはキャリア初となるソロアルバム「The Divorced Rockstar」をリリースした。東日本大震災後、太陽光発電による電力で運営するライブイベント「THE SOLAR BUDOKAN」を企画。2012年12月に東京・日本武道館、2013年9月に岐阜・中津川市で開催して大成功を収めた。また、うつみようこ、高野哲(ZIGZO)とともにインディーズ電力として活動するほか、加山雄三率いるTHE King ALL STARSの一員としても活躍している。

SUGIZO(スギゾー)
SUGIZO

1992年、ロックバンドLUNA SEAのコンポーザー、ギタリスト、バイオリニストとしてデビュー。現在X JAPAN、Juno Reactorのメンバーとしても世界規模で活動している。ダンスミュージックをベースにおいたソロワークをメインに発表しながら、映画音楽やコンテンポラリーダンスを手掛け、近年では「眠狂四郎無頼控」「7DOORS~青ひげ公の城~」「フランケンシュタイン」、「海峡の光」など舞台音楽作曲家としての活動にも力を入れている。音楽と並行しながら平和活動、環境活動にも積極的に参加。アクティビストとしてもよく知られている。目下、結成25周年となるLUNA SEAの14年ぶりの全国ホールツアーを敢行中。また10月にはX JAPANでのニューヨーク・マジソンスクエアガーデン公演が控えている。