シャムキャッツ|シャムキャッツと、日照りの通りを行こう

シャムキャッツが11月21日に5枚目のフルアルバム「Virgin Graffiti」をリリースした。

「今日も僕たちと遊んでよ、シャムキャッツ!」がキーワードになった今作は、遊ぶように音楽活動を続けるシャムキャッツが自らの興味が湧き出るままに作った1枚。オルタナティブロック、ネオアコ、フォークロックといった彼らのルーツとなった音楽を融合し、進化させた楽曲が詰まった「Virgin Graffiti」は、バラエティに富んだ作品に仕上がった。

音楽ナタリーでは「今日も僕たちと遊んでよ、シャムキャッツ!」にちなみ、メンバーが普段遊んでいるスポットを巡り、ゆかりの人を訪ねる企画を実施。“シャムキャッツと遊ぶ1日”を撮り下ろし写真と共に紹介し、彼らの現在が浮かび上がる特集を展開する。また特集後半にはシャムキャッツメンバーと親交が深いサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、Skip Skip Ben Ben、トクマルシューゴ、Megu(Negicco)という4組のアーティストとの往復書簡企画を掲載するので、こちらも合わせて楽しんでほしい。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 今井駿介 手書き文字 / 夏目知幸(シャムキャッツ)

シャムキャッツと松島大介。自慢の桜の木からこぼれる木漏れ日の中で。
SHOP INFO

PADDLERS COFFEE

東京都渋谷区西原2-26-5
営業時間 7:30~18:00
定休日 月曜日

2015年に松島大介がバリスタの加藤健宏と共にオープンさせた幡ヶ谷のカフェ。アメリカ・ポートランドを代表するロースター「Stumptown Coffee Roasters」の豆を使用したコーヒーを日本国内で初めて提供したことで知られる。松島の「コーヒーを飲みに来るだけの場所だけではなく、人が集まる場所を作りたい」という思いからギャラリーを併設したカフェに。樹齢50年を超える桜の木が目印で、地元の人のみならず、全国各地からファンが訪れる。近くには松島が2018年7月にオープンさせたインテリアショップ・BULLPENもある。

PADDLERS COFFEE

幡ヶ谷の路地裏にて。

10:00に幡ヶ谷駅でメンバーと待ち合わせ。まずは2018年3月にシャムキャッツが自主レーベル・TETRA RECORDSの仮想オフィス「TETRA OFFICE」をテーマにポップアップショップを展開したPADDLERS COFFEEを訪問。オーナーの松島大介とシャムキャッツは同世代で、夏目知幸(Vo, G)が友人の作品を観るために同店を訪れたことから交流が始まったという。

松島大介はアジアツアーから帰ってきたばかりのシャムキャッツに「ツアーはどうだったの?」と興味津々。自身も買い付けなどで海外に行くことが多いという。
自然光が差し込むギャラリースペース。ここでシャムキャッツのポップアップショップが行われた。

PADDLERS COFFEEのギャラリースペースには松島をはじめスタッフが注目する作品やお店とつながりのあるアーティストの作品を展示しているそうで、一般的なギャラリー貸し出しというスタイルは取っていない。「人が集まる場所にしたいという思いでお店を出したんです。ギャラリーはひょんなことからスタートしたんですが、ポップアップショップ目当てのお客さんがコーヒーを飲んでくれたり、逆にいつもコーヒーを飲みに来る人が『何をやってるんだろう?』と興味を持ってギャラリーを覗いてくれたり、おかげさまでいろんなきっかけがミックスする場所になりました」と松島は語る。

作品の世界観を伝えるポップアップショップを開いたり、自主企画に音楽以外のコンテンツを取り入れたりと、活動を通じてさまざまなカルチャーを提示してきたシャムキャッツ。松島は彼らについて「ただ音楽を作って販売するだけじゃなくて、いろんなものを巻き込んでカルチャーを作ろうとしているところに興味を持ちました。同世代で僕らと同じような考えを持っている人が周りにあまりいなかったから、本当に会えてよかった。音楽性だけじゃなくて、考え方だったり、人間性も含めてシャムキャッツの魅力」と話してくれた。

ZINEを手に取る夏目知幸。この日はギャラリースペースにてポートランドを拠点に活動するネオンサインアーティスト・THE TINY SPOONことペリー・フィスターの個展「TUNE」が開催されていた。

2020年7月1日更新