音楽ナタリー PowerPush - 流星群少女

メンバー脱退の真相、そして新体制での覚悟

福岡を拠点にアイドルらしからぬ激しいパフォーマンスで注目を集めていた流星群少女。今年3月に全メンバーがグループ脱退という状況に陥りグループとしての存続が危ぶまれていたが、7月に新メンバーオーディションによって7名のメンバーが選ばれ、新体制で活動を再開させることになった。

ナタリーでは新体制第1弾シングル「閃光ライダー」リリースのこのタイミングでグループに起こった悲劇の真相を、前メンバーでもありキーパーソンの明希(旧名:多田優)に取材。メンバー脱退に至るまでのグループ内での出来事を赤裸々に語ってもらった。また明希に加えて七瀬末夢、廣川かのんにも登場してもらい、新体制での意気込みや新曲に対する思いなどを聞いた。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 上山陽介

私、名前変わっちゃったんですけど

──2013年2月から本格的なステージ活動をスタートさせて、地元・福岡だけにとどまらず東京のアイドルファンからも「流星群少女がすごいらしい!」と声が届いてきた矢先、今年の3月に全メンバーが脱退。いったい何が起こったのかとアイドル界隈でも話題になってましたが……。

明希

明希 そうですね。

──生まれ変わった流星群少女のお話を聞く前に、今日は当時あったことをすべてお話いただいてすっきりした状態で今後の活動について聞いていきたいと思ってます。

明希 私、名前変わっちゃったんですけど、そこから話しますか?(笑)

──そこから整理していきましょう。

明希 気付いたらすべてが変わっていたというか。

──自分の意志ではなかったんですね。

明希 そういう訳ではないですが。「あ、この名前でやってくんだ」って感じで。なので名前が変わったことについての理由は特にないというか、すべて一新してリスタートさせるって意味で必要なことだったのかなと。なので別人です(笑)。

──なるほど。ではメンバー脱退に至るまでの経緯はどんな感じだったのでしょうか?

明希 おそらく去年の10月くらいからなんですけど、メンバーの中で“もう辞めたい”っていう空気が目に見えて出始めて。で、もう楽屋とか本当に空気が悪かったんです。そのとき私は「あ、もう無理だろうな」って思ってました。

──なんでそんなことになってしまったんでしょう?

明希 うーん……おそらくメンバー同士の見てる方向が変わってきて……。

──仲が悪かったんですか。

明希 女の子ってグループを作るじゃないですか。もともとが小さいグループの中なのにさらにグループを作って。私はキャピキャピするのが苦手なので必要以上に関わらずに距離を置いてたんですよ。気付いたら複数のグループができていて、そのグループと私、みたいな状況になって。

──完全に孤立してしまったと。

明希

明希 自主的にそうしたんですけどね。グループ内の空気もよくなかったし。そんな状況が続く中でそのグループがどんどん険悪になっていったんです。

──抗争勃発ですか。

明希 そうですね。どんどんグループ内で噛み合わなくなっていって「ああ、もう無理だ」って思いました。

──いろんな問題が出てきたとき、メンバーは運営に相談するということはしなかったんでしょうか?

明希 ほかのメンバーは運営とうまくいっていなくて。それまで厳しく注意されたこともなく、甘やかされてきたんだと思うんですよ。だからみんななんでもOKみたいになってしまって。私が運営の人に「今、こんなによくない雰囲気ですよ」って言ったとして、運営の人が動いてくれたとしてももっと荒れてしまうかなって、もう取り返しのつかない状況だったと思います。まあ……難しいですね、女の子の集団って。

100%、もうアイドルはやらないって決めてた

──そんな状況でもライブがあれば出演して歌っていたわけですよね? ファンと接したりするときはそんな裏側の状況を出すこともなく。

明希 そうですね。でもライブが終わったらガラッと元の空気に戻っていましたよ(笑)。

──なぜモチベーションを上げることができなかったと思いますか?

明希 自分たちの問題だと思うんですけど、誰かが「辞めたい」って言ってるから「じゃあ私も辞めようかな」くらいな感じの人が多かったのかなと思います。もともとみんな、そんなに高い理想はなかったのかもしれないです。

──そして全員が今年の3月でグループを辞めることになって。そのとき残ったのが明希さんということですか?

明希 いや、実は私も辞めたんですよ。そのとき残ったのは違うメンバーで。

──そのメンバーも結局辞めてしまって、明希さんが入れ替わって戻ってきて。

明希 そういう意味では1回辞めてるんでそのままじゃ戻れないから名前を変えたっていうのがスタッフの判断だと思います。前の名前で築いてきたものをすべて捨てるという禊です。私も1から出直す感じで……だから別人です(笑)。

──キャラクターチェンジで復活、みたいな。

明希 あははは(笑)。

──もう一度、新しい仲間と最初から始めてみたいという思いから戻ってきたということですか?

明希

明希 本当はもう辞めるつもりだったんですよ。100%、もうアイドルはやらないって決めてたんですけど……でも、今、ここにいますね。

──志半ばで終わってしまったことについて、悔いが残ってたんですかね。新しく復活するにしても、前の流星群少女のDNAを継ぐメンバーがいることで、ここまでの活動で培ったものを教えることもできるじゃないですか。いろんな思いがあるにせよ明希さんが戻ってきてくれたのはすごく意味のあることだと思います。

明希 そうですね。最終的にもう一度やろうって決心したのは心残りがあったってことだと思います。今度こそはっていう気持ちももちろんありましたし。それに新しいメンバーは本当にみんないい子たちばかりなので(笑)。

──どうしても以前と比べてしまう?

明希 以前のこともあったし、最初は厳しめでみんなのことを見てたんですけど、みんないい子だなとしか思えなくて。ああ、今度は大丈夫だなって思いました(笑)。

ニューシングル「閃光ライダー」 / 2014年8月27日発売 / Inception.Inc
Type-A [CD] / 1000円 / INC-10
Type-B [CD] / 500円 / INC-11
Type-A収録曲
  1. 閃光ライダー
  2. シューティングスタートラベラー
  3. 閃光ライダー (instrumental)
  4. シューティングスタートラベラー(instrumental)
Type-B収録曲
  1. 閃光ライダー
  2. チャーリーを探せっ~SSG BAND ver~
  3. 閃光ライダー (instrumental)
流星群少女(リュウセイグンショウジョ)

流星群少女

明希、岡崎絵理菜、小倉恵、川島愛奏、小西優花、七瀬末夢、廣川かのんの7名からなる福岡を拠点としたアイドルグループ。2012年12月に結成され2014年3月まで活動を続けていた全メンバーが脱退し、同年7月に新結成オーディションによって選ばれた7名によって活動を再開させた。同年7月に「瀬長島ガールズポップフェスティバル2014」で新体制をお披露目。さらに同年8月にニューシングル「閃光ライダー」を発表する。